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GLADENFOLD(グラデンフォールド)

フィンランド出身の5人組。前身となるバンドの結成は2003年まで遡る。ジャンルは一つにまとめることは難しく、メロディックデスメタルでもありつつ、シンフォニックなパワーメタルの要素もある。下記にレビューしている2ndアルバムのブックレットにクレジットされているメンバーはエスコ・イタラ(Vo,G)、マティアス・クヌーティラ(G)、トーケ・ゲルツ(G)、ラウリ・イタラ(Dr)、パーヴァリ・ポウット(Key)という5人。解説書によるとティモ・ウートゥというベーシストがレコーディング時にはメンバーに名を連ねていたようだが、その後脱退したようだ。ヴォーカルは一人でグロウルとクリーンヴォイスを使い分けるという珍しいパターン。ブックレットにあるメンバーの写真やMVの映像を見ると、ルックスはなかなか良い。

Mld ★★☆
Spd ★★☆
Key ★★☆
Cla ★☆☆
Drk ★☆☆
Ori ★☆☆
Voc ★☆☆
Vis ★☆☆

アルバムリスト

when gods descend
nemesis

WHEN GODS DESCEND(ホエン・ゴッズ・ディセンド)(2nd/2019)

WHEN GODS DESCENDジャケット画像

日本デビューアルバムだが、バンド通算では2枚目のアルバム。前作は2014年ということで5年振りとなる作品。曲は共作は数曲あるものの、全曲エスコ・イタラの作曲と言って良い。そのエスコ・イタラのグロウルはソフトな部類で、CHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホに近い。曲によっては本当にそちらの初期の曲にも聴こえる。全体的に雰囲気は暗めだが、重苦しい気持ちにはならない。それは激しさとスピード感が爽快さをもたらしているからだろうか。速い曲が多く、メロスピ・メロパワ好きにも大いにアピールできる。バラードがあったり、ボーナストラックではあるがインストゥルメンタルもあり、多彩な曲が並ぶ。そしてそのどれもが非常に完成度が高い。BURRN!のレビューでも高評価だったように、多くの人に聴いてもらいたい素晴らしい内容だ。余談だが、このアルバムはタワーレコードの試聴コーナーで初めて聴いて、一発で気に入って購入を決めた。これをピックアップして試聴アルバムに選んだ担当者の好みというかセンスが素晴らしい。

1-The Descent Of Gods(ザ・ディセント・オブ・ゴッズ)

壮大な雰囲気を感じるスピードナンバー。転調も多いが、全体としてはテンポは速め。キーボードの活躍度も高い。歌い方は頻繁に変わる。コーラスも良い。 Mld.Spd.Key.Cla.

2-Brothers(ブラザーズ)

MVも製作されたスピードメタルナンバー。序盤から疾走感溢れる展開は気持ち良い。サビの歌メロもなかなかキャッチーで良い(クリーンヴォイス)。キーボードサウンドは音色を使い分けており、奥行きがある。ソロもなかなか。MVはバンドが演奏している姿でなかなかこれもカッコ良い。ただヴォーカルはスタンドマイクでも使って歌ったほうが良かったような気がする。 Mld.Spd.Key.

3-Immortalis(イモータリス)

ミドル〜アップテンポのメタルチューン。コーラスが美しく、アコースティックギターも効果的。キーボードソロも良い。こちらも曲が良い。 Mld.Spd.Key.

4-Sanctuary Denied(サンクチュアリ・ディナイド)

ミドルテンポの雰囲気は暗めなヘヴィなナンバー。それでもイントロから随所でキーボードサウンドが奥行きを作り出しており壮大。3番目にMVが公開された。よりライヴ感のある映像になっている。 Mld.Key.

5-The Forsaken(ザ・フォーセイクン)

アコースティックギターが印象的なイントロで幕を開けるメロディックなスピードチューン。コーラスもカッコ良い。メロデスの要素もあれば、壮大さではRHAPSODY OF FIREのようなイタリアのシンフォニックメタルのようにも聴こえる。アコースティックギターとクリーンヴォイスの「静」と、エレキギターとグロウルの「動」がめまぐるしく変化する。7分弱と長めだがあっという間。個人的にはこのアルバムで1番おすすめ。MVも製作されており、こちらは演奏している姿プラスLyric Videoにもなっており、流行のスタイルとも言える。勿論カッコ良い。 Mld.Spd.Key.Cla.

6-Ghosts Of Our Past(ゴースツ・オブ・アワ・パスト)

前曲に続きアコースティックギターが目立ち、ヴァイオリンとの美しいイントロで幕を開ける。前曲はそこからテンポアップする展開だったが、こちらはスローテンポのバラード。ヴォーカルはクリーンヴォイスのみ。 Key.

7-Unreligion(アンレリジョン)

一転して激しいギタープレイで始まるアグレッシヴなスピードメタルナンバー。途中で雰囲気が変わる部分はあるが、全体としては激しい印象。部分的にはフォークメタルを思わせる所も。 Spd.Key.

8-Shadows And Dust(シャドウズ・アンド・ダスト)

イントロからギターが非常にカッコ良いスピードチューン。キラキラとしたキーボードサウンドが奥で聴こえる部分はCHILDREN OF BODOMの3rdアルバムあたりを彷彿とさせる。キーボードの活躍度は高く、シンセサイザーのような電子音に音色を変えている。エンディングは唐突に終わる。 Spd.Key.

9-Succubus Kiss(サキュバス・キッス)

スピード感あるメロデスナンバー。グロウルの部分が多い。アグレッシヴなギタープレイが目立つ。キーボードは控えめながら奥行きを演出しつつ、良い味を出している。3分12秒というのはアルバムで1番コンパクト。 Spd.Key.

10-Last Goodbyes(ラスト・グッバイズ)

アルバム本編を締め括るスローテンポのメタルナンバー。タイトルはバラードっぽいが、そういうわけでもない。おとなしめな雰囲気。アコースティックギターの部分もあり、冷たいキーボードサウンドもその雰囲気を演出している。7分を超えてアルバム最長。 Mld.Key.

11-Empire Falls(エンパイア・フォールズ)

日本盤ボーナストラック。ギターが前面に出たメタルナンバー。変化はあるものの全体としてはスピード感がある。サビのバックで流れるメロディは明るめな印象も受ける。1コーラス後のピアノがカッコ良い。 Spd.Key.

12-Windwalker(ウインドウォーカー)

日本盤ボーナストラック。風や水のSEとアコースティックギターがメインのメロディを奏でるインストゥルメンタル。メロディは悲しげで寂しげで、そしてあまりに美しい。オーケストラを使ったような壮大な雰囲気を感じる部分もある。ボーナストラックとはいえ、これはこれでエンディングとして◎。逆に思い切ってプロローグとしても面白いかも。 Mld.Key.Cla.Drk.

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Nemesis (ネメシス) (3rd/2022)

Nemesisジャケット画像

3年振りとなる通算3枚目のアルバム。前作の流れを踏襲しながら、スピードナンバーが多い印象。それでも泣きのスローバラードや、メジャーコードの明るいメタルナンバー有りと多彩でもある。一人でクリーンボイスとグロウルを使い分ける。前作同様変化が多くプログレの要素も感じる。全体を通して曲が良い。前作はクレジット上不在だったベーシストにヴィレ・ヴェサが正式に加入したようで6人組バンドとなっている。前作は短髪だったメンバーが長髪にしており、見た目はメタラーっぽくなった。短髪も悪くなかったが。

1-Carnival Of The Hunter (カーニヴァル・オブ・ザ・ハンター)

オープニングからスピードナンバーを持ってくるのは前作との違いの一つ。サビではグロウルも使っているが、クリーンボイスが多い。歌メロが良い。ピアノやキーボードの活躍度も大きい。転調があり忙しい。 Mld.Spd.Key.

2-Chiara's Blessing (キアラズ・ブレッシング)

キラキラのキーボードサウンドから始まるのは初期のCHILDREN OF BODOMを思い出させる。ギターとキーボードのバトルのようなユニゾンも彼らを彷彿させる。こちらもスピード感あふれるメタルチューン。変化が多いのも特徴。クリーンボイスの比率が高い。 Mld.Spd.Key.

3-Stone Of Storms (ストーン・オブ・ストームズ)

畳みかけるように、こちらもスピードメタルナンバー。曲が良く、歌メロも良い。サビのメロディはクリーンボイスで歌うからか、歌メロの良さが光る。 Mld.Spd.Key.

4-Nemesis (ネメシス)

アルバムタイトルトラックで今作では最長の約6分半の長尺。ピアノのイントロが美しく、そこからアグレッシブな激しいサウンドが展開されるのは非常にしびれる。途中で転調し、クワイアが壮大な雰囲気を作り出しており、非常に気持ちが良い。重い雰囲気の部分もあり、変化の多い印象。グロウル多め。 Mld.Spd.Key.

5-Saraste (サラステ)

アコースティックギターとピアノが印象的な美しいスローチューン。涙が出そうなくらい美しい旋律。落ち着いた雰囲気で聞き入ってしまう。すごい曲だ。クリーンボイスのみ。 Mld.Key.Ter.Cla.

6-Solitude's Bane (ソリチュードズ・ベイン)

前曲から一転して再び疾走感あふれるメタルチューン。転調がカッコイイ。クリーンボイスで歌うサビのメロディが良い。CHILDREN OF BODOMを思い出させるキーボードサウンドがまた良い。全編クリーンボイス。 Mld.Spd.Key.

7-Revelations (レヴェレイションズ)

テンポ変化があるもののスピード感のあるナンバー。イントロからカッコイイ。 Mld.Spd.Key.

8-Tapestry Of Creation (タペストリー・オブ・クリエイション)

暗く落ち着いた雰囲気のスローナンバー。ピアノサウンドが特徴的。中盤に変化がありヘヴィな部分も。 Mld.Key.Drk.

9-Broken (ブロークン)

サウンドはヘヴィで、ややスピードは抑え気味で入るが途中から変化して速い部分も。途中のツインギターとキーボードが非常にカッコ良い。 Spd.Key.

10-Gloria Eternal (グローリア・エターナル)

イントロからギターとキーボードがカッコ良すぎのスピードメタルナンバー。ギターとキーボードバトルはCHILDREN OF BODOMのようでもあり、メカニカルなキーボードサウンドはAMARANTHを思い出させる。かなりおすすめの1曲。 Mld.Spd.Key.

11-Where Mountains Mourn (ホエア・マウンテンズ・モーン)

本編のエピローグは静かな雰囲気で物悲しさを感じる。非常に良い曲。アコーステックの弦楽器や管楽器の音色も美しい6分超の大作。クリーンボイスのみ。 Mld.Key.Cla.

12-Enter The Dreamworld (エンター・ザ・ドリームワールド)

日本盤ボーナストラック。メジャーコードの明るい印象。前曲から連続して聴くとがらっと雰囲気が変わる。新機軸とも言えるスピードメタルナンバー。サビの前の囁くように歌う部分もなかなか良い。キーボードもキラキラ系で、全編通して変化は少なく、とにかく明るい印象。こういう曲も良い。本編に含まれてもメリハリとなって面白いかも。ボーナストラック扱いは勿体無い。 Mld.Spd.Key.Bri.

13-Tapestry Of Creation (orchestral version) (タペストリー・オブ・クリエイション〜オーケストラバージョン)

日本盤8曲目のオーケストラバージョンで、インストゥルメンタル。曲の良さが改めて分かる。オーケストラバージョンならではの壮大で荘厳な雰囲気も非常に良い。 Mld.Key.Cla.Drk.

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