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HARMONY(ハーモニー)
スウェーデン出身4人組。ジャンルはネオクラシカル様式美HMやメロディックパワーメタル。バンドの中心はマーカス・シグフリードソン(G)とトビアス・エンベルト(Ds)の2人。結成時のメンバーは他にヘンリック・バス(Vo)、マグナス・ホルムベリ(Key)、アンドレアス・オルソン(B)という5人。
Mld ★☆☆
Spd ★★☆
Key ★★☆
Cla ★★☆
Voc ★☆☆
アルバムリスト
chapter 2 aftermath
theatre of redemption
CHAPTER II ; AFTERMATH (チャプター2 アフターマス) (2nd/2008)

日本ではデビューアルバムとなる2nd。ギターサウンドはヘヴィなリフが多いが、キーボードサウンドとのコントラストが心地良い。 速い曲が多いというのも嬉しい。だからといって歌メロが疎かになっているわけではない。ヘンリック・バスのハイトーンボイスは非常にマッチしていて、安定感もある。他のメンバーの技術も非常に高く、安心して聴ける。スピード感あるネオクラシカルHMが好きなら2、7曲目だけでも買いだろう。作曲はほぼ全てマーカス・シグフリードソンが担当しているが、7曲目のみドラマーのトビアス・エンベルトが作曲した。1stアルバム発売後にベーシストのアンドレアス・オルソンが脱退し、元PAIN OF SALVATIONのクリストファー・ギルデンロウがゲスト参加している。また、元LOST HORIZONのダニエル・ハイメンも1曲でゲスト参加した。
1-Prevail (プリヴェイル)
ピアノの冷たい旋律とギターのコントラストが心地良いイントロのスピードメタルナンバー。 間奏部のギターのリフもカッコ良い。キーボードソロもあり。MVも制作された。 Mld.Spd.Key.
2-Aftermath (アフターマス)
キーボードのメロディから始まるスピードメタルチューン。サビもフックあって◎。 所々で荘厳なムードも漂う。ソロがテクニカルでメロディラインも非常に素晴らしい。 個人的にはたまらなく好きな曲。 Mld.Spd.Key.Cla.
3-Rain (レイン)
こちらもスピード感のある様式美メタルチューン。キーボード・ギターソロもテクニカル。 途中変調しながら展開する。 Mld.Spd.Key.Cla.
4-Don't Turn Away (ドント・ターン・アウェイ)
アコースティックギターの音色が流れる静かなイントロからヘヴィなリフへと繋がる。 ミドル〜アップテンポのメタルチューン。キーボードのサウンドもクラシカルな雰囲気を演出している。 サビはキャッチーなコーラス。 Mld.Key.Cla.
5-Kingdom (キングダム)
ネオクラ好きには期待高まるキーボードサウンドのイントロ。 ミドル〜アップテンポの曲。荘厳なキーボードの音世界が◎。 Mld.Key.Cla.
6-Silently We Fade (サイレントリー・ウィ・フェイド)
悲しげな旋律から始まるスローチューン。ピアノとバイオリン等の弦楽器のメロディも美しい。 Mld.Key.
7-Inner Peace (インナー・ピース)
スピーディーなドラムと合唱のコーラスで始まる疾走曲。サビはフックがあって歌メロも良い。 歌っているのは元LOST HORIZONのダニエル・ハイメン。 正式なボーカリストがいるのに、全てをゲストに歌わせるのは疑問も残るが、 素晴らしい曲を素晴らしいボーカリストが歌うというのは単純に嬉しいことだ。 Mld.Spd.Key.Cla.
8-Weak (ウィーク)
ピアノのメロディから始まるミドルテンポのメタルチューン。 Mld.Key.Cla.
9-I Run (アイ・ラン)
荘厳なムードも多少感じるイントロで始まるスローチューン。歌メロはなかなか良い。 Key.Cla.
10-Hollow Faces (ホロウ・フェイセズ)
期待高まるキーボードメロディで始まるスピードメタルナンバー。曲はしっかり作り込まれており、 なかなか良い歌メロが聴ける。 Mld.Spd.Key.Cla.
11-End Of My Road (エンド・オブ・マイ・ロード)
キラキラのキーボードサウンドのイントロから始まるミドルテンポのヘヴィなナンバー。 サビは耳に残るキャッチーさがある。 Mld.Key.Cla.
12-Alone (アローン)
日本盤ボーナストラック。荘厳な雰囲気のイントロから始まるミドルテンポのナンバー。 Mld.Key.Cla.
13-End Of My Road (acoustic version) (エンド・オブ・マイ・ロード アコースティック・ヴァージョン)
日本盤ボーナストラック。11曲目のアコースティックバージョン。とても良い曲だということが分かる。
THEATRE OF REDEMPTION (シアター・オブ・リデンプション) (3rd/2014)

約5年振りとなる3rdアルバム。前作からの大きな変化は、結成時からヴォーカルを務めていたヘンリック・バスに代わり、メインヴォーカリストにダニエル・ハイメンを迎えたこと。前作では1曲のみゲストでリードヴォーカルを担当したが、今作は全編を担当。ただし、歌詞カードには「Guest Lead Vocal」と表記されており、正式な新ヴォーカリストと言えるのか微妙ではある。全編通して聴くと、素晴らしい歌唱力だと改めて実感する。難しそうなメロディラインも難なく歌い上げているように聞こえるのが凄い。前作ではギタリストのマーカス・シグフリードソンがほとんどの楽曲を担当していたが、今作は6曲。前作は1曲のみ作曲していたドラマーのトビアス・エンベルトが日本盤ボーナストラックを含め5曲。11曲目のみが共作(詞はトビアス・エンベルト)。ドラマーながら多くの作曲をするというのは珍しい。しかも、どの曲もはずれなし。非常に曲が良い。全体的にはシンプルなスピードナンバーが少ないのは少し残念ではあるが、スロー、ミドルテンポの曲もメロディラインがしっかりと練られていて、聴いていられる。また、シンプルに速い曲は少ないが、アップテンポ程度のスピード感がある曲はあり、途中で変化する曲も多いので、ちゃんと聴けばそこまで速い曲が少ないわけでもない。個人的な感想だが、歌詞を見ながら聴くとより楽しめた。また、歌詞カードには1曲ごとに1ページ使われており、それぞれに歌の内容に関連していると思われるグラフィックが描かれていて、なかなか面白い。ヴォーカリストの交代と同時に、キーボードプレーヤーもマグナス・ホルムベリからジョン・スヴェンソンに代わっており、前作はゲストを迎える形だったベーシストのポジションにはラファエル・ダグラスが正式に加入している。こういったメンバーチェンジもあり、5年という長いブランクがあったようだ。因みに現メンバー、元メンバーを含めてDARKWATER、7DAYS、EMPIRE 21といったサイドプロジェクトにおいて似たようなメンバーで活動しているようだ。
1-The Window Of My Soul (ザ・ウィンドウ・オブ・マイ・ソウル)
ミドル〜アップテンポのオープニングナンバー。初めて(なんとなく)聴いたときは地味な印象だったが、じっくり聴くと変化が多く、サビではテンポアップし、何よりキーボードサウンドが前面に出ていてカッコ良い。テクニカルなソロも◎。作詞作曲Markus Sigfridsson(以下MS)。 Mld.Spd.Key.
2-Inhale (インヘイル)
スローテンポのナンバーだが、曲が非常に良い。作詞作曲はTobias Enbert(以下TE)。 Mld.
3-Crown Me King (クラウン・ミー・キング)
数少ないスピードナンバー。イントロは話し声と奏でられる鉄琴のようなSEからサイレンが響き、徐々に激しいリズムのギターがフェードインしてくるという展開。バックで聴こえるキーボードが非常にカッコ良い。サビのメロディには高揚感も感じる。エンディングはコーラスとキーボードで静かにフェードアウトする。作詞作曲MS。 Mld.Spd.Key.
4-Son Of The Morning (サン・オブ・ザ・モーニング)
怪しげなメロディが特長のミドルテンポナンバー。ベースサウンドが目立っている。こちらも曲が良い。作詞作曲MS。 Mld.
5-What If (ホワット・イフ)
イントロからしばらくはシンセサイザーの音色はあるものの、ダニエル・ハイメンの独唱のようなパートが続くミドルテンポナンバー。彼の歌の上手さを堪能でき、その高い歌唱力あっての1曲とも言える。サビは雰囲気が変わりキャッチーなメロディが耳に残る。展開は独特というかユニーク。作詞作曲TE。 Mld.Key.
6-Theatre Of Redemption (シアター・オブ・リデンプション)
ヴァイオリンのような弦楽器の音色で静かに幕開けするスローテンポナンバー。アルバムのタイトルトラックとしては地味な印象かもしれないが、非常に良い曲。作詞作曲MS。 Mld.Key.
7-Bloodbound (ブラッドバウンド)
ミドル〜アップテンポのメタルナンバー。基本はテンポが抑えめだが、テンポ変化があり、ソロは特に速くてカッコ良い。キーボードソロが特に◎。作詞作曲MS。 Mld.Spd.Key.
8-You Are (ユー・アー)
ピアノの奏でるメロディが何とも悲しげなのスローバラード。良い曲。作詞作曲TE。 Mld.Key.Ter.
9-Hands Of Time (ハンズ・オブ・タイム)
ミドルテンポ〜スピーディーなメタルナンバー。曲調の変化で速い部分もある。貴重なスピードチューン。ソロの後にわずかな時間ではあるが大きく曲の雰囲気が変わる部分がある。作詞作曲MS。 Spd.
10-In Search Of (イン・サーチ・オブ)
キーボードが前面に出ているアップテンポナンバー。サビのメロディはフックがあり、バンド名である「Harmony」のフレーズが何度も登場することもあり耳によく残る。作詞作曲TE。 Mld.Spd.Key.
11-Eternity (エターニティー)
日本盤ボーナストラック。本編ではあまり聴けなかったシンプルなスピードメタルナンバーで、イントロからギターが良い。間奏部分のヴァイオリン(おそらく)がまた非常にカッコ良い。曲は共作で、作詞はTE。1stアルバムのセルフカヴァーでダニエル・ハイメンが歌いなおしたヴァージョン。オリジナルよりサウンド面でもよりまとまりがあって聴き易い。 Mld.Spd.Key.
12-In His Heart (イン・ヒズ・ハート)
日本盤ボーナストラック。サビのコーラスが印象的なミドルテンポチューン。序盤からキーボードの活躍度が高い。作詞作曲TE。 Mld.Key.