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秦基博(はた・もとひろ)
1980年、宮崎生まれ、横浜育ちのシンガーソングライター。山崎まさよし、杏子、スガシカオ、スキマスイッチ等がいるオフィスオーガスタ所属。デビュー時「鋼と硝子でできた声」と称された歌声が非常に魅力的。伸びやかで、なんとも憂いのある声は多くの人を魅了する。また、個人的な見方だが(北海道ローカルではあるが・・・)、チームナックスの音尾琢真(ミニアルバム「僕らをつなぐもの」の写真は特に)や、北海道日本ハムファイターズの捕手、大野奨太や、オリックスバファローズのT-岡田にも似てる。
コントラスト (1st/2007)
フルレンスとしては1枚目のアルバム。シングル3曲を収録している。悲しげなバラード曲や、明るめのポップチューン、暗いムードの曲など多彩な内容。通常盤と初回限定盤が発売され、限定盤にはDVDが付いており、シングル曲と9曲目のビデオクリップや、デビュー前からのライヴ映像、レコーディング風景、ジャケット写真撮影など、ファン必見の映像が収録されている。
1-色彩
アップテンポのナンバー。アコースティック、エレキギターの音が心地良い。
2-シンクロ
デビューシングル。全国各地のFM局で流れまくった曲。自分もラジオで聴いて好きになった曲。
サビの歌メロがとても良い。詞がまた良く、元気が出る曲。歌うとけっこう難しい。
TBS系「CDTV」2006年11月オープニング曲。
3-鱗(うろこ)
2ndシングルで、非常に人気の高い1曲。個人的にも1番好き。歌詞が人によっては(自分も)、
感情移入しやすく何ともセンチメンタルな気持ちになるが、励まされる気持ちにもなる。
曲はピアノとチェロが効いていて、清涼感があり穏やかなメロディの秀曲。
日本テレビ系「夏ドキュ! テージセー〜1461日の記憶〜」イメージソング 。
4-君とはもう出会えない
スローでとても静かな雰囲気で、物悲しい歌。
5-トレモロ降る夜
アップテンポの明るい曲調のポップチューン。
6-Lily
静かで落ち着いたムードのスローチューン。
7-青い蝶
3rdシングル曲。明るい雰囲気で、サビがとてもキャッチーな1曲。
8-つたえたいコトバ
ポップでファンキーなナンバー。ハーモニカのサウンドが良い。
9-僕らをつなぐもの(Contrast Ver.)
スローテンポのバラードナンバー。悲しい雰囲気のラブソング。このアルバムより前に発売された
ミニアルバムのタイトルトラック。オリジナルバージョンは
10-赤が沈む
暗く奇妙なムードのロックナンバー。異色の曲。
11-トブタメニ
重いサウンドのギターが印象的な1曲。サビは前向きな雰囲気もある。
12-風景
心温まる1曲。バイオリンが静かにバックで流れているのがまた良い。オススメの1曲。
ALRIGHT (2nd/2008)
シングル3曲を収録した2ndアルバム。前作と同様、様々なタイプの曲が収録されている。ピアノやオルガン等のサウンドは前作よりも多い印象。1stアルバムに続き通常盤と初回限定盤の2種類が発売された。初回限定盤にはボーナストラックとして13,14,15曲目が収録。また特典DVDも付いており、アルバムに収録された3曲のシングル曲のビデオクリップや、全編撮り下ろしの弾き語り映像などが収録されている。
1-夕暮れのたもと
穏やかなメロディのスローナンバー。アコースティックギターが寂しげな雰囲気を出している。
2-キミ、メグル、ボク
4thシングル。明るい雰囲気のアップテンポのポップチューン。キーボードのサウンドも楽しげな空気を演出している。
サビもキャッチーで高揚感がある。TVアニメ「イタズラなkiss」のオープニング曲。
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3-バイバイじゃあね
アップテンポの爽やかな1曲。バイオリンのサウンドが涼しげ。
4-ファソラシドレミ
スローテンポのほのぼのとしたポップナンバー。
5-Honey Trap
穏やかで心温まるスローチューン。キーボードサウンドが良い。
6-花咲きポプラ
キーボードが前面に出ていて、手拍子の音も印象的な明るいアップテンポのポップチューン。
バイオリンの音色も爽やかで◎。
7-虹が消えた日
5thシングル。ピアノと弦楽器のサウンドで「鱗(うろこ)」と似た雰囲気を持つミドルテンポの曲。
寂しげではあるが、希望も持たせてくれる、そんな雰囲気。映画「築地魚河岸三代目」主題歌。
8-最悪の日々
タイトル通り、最悪な出来事を、明るくほのぼのとした雰囲気で歌うロックナンバー。
9-夜が明ける
奇妙で怪しげな雰囲気の曲。
10-休日
静かな雰囲気の悲しげなバラードナンバー。
11-フォーエバーソング
6thシングル。ピアノのメロディが特徴のミドルテンポの曲。サビは高揚感があって盛り上がる。
日本テレビ系「スッキリ!!」2008年10月のエンディング曲。
12-新しい歌
静かなイントロで始まるスローテンポの曲。弦楽器が悲しげなメロディを奏でる。
TBS系「世界・ふしぎ発見!」エンディング曲。
13-僕の今いる夜は with 槇原敬之
初回限定盤のみのボーナストラック。槇原敬之の曲を歌ったもの。コーラスで槇原敬之自身が参加。
ピアノのサウンドが特徴の穏やかな曲。
14-空中ブランコ with 一青窈
初回限定盤のみのボーナストラック。一青窈への提供曲をセルフカバーした曲。コーラスというより
ツインボーカルで一青窈も参加。
落ち着いた雰囲気のミドルテンポのナンバー。
15-夏はこれからだ! with 福耳
初回限定盤のみのボーナストラック。オフィスオーガスタのスペシャルユニットの曲を歌ったもの。
これもコーラスで福耳のメンバーが参加。明るい雰囲気のポップナンバー。2008年ABC夏の高校野球テーマ曲。
Documentary (3rd/2010)

5曲のシングルヒット(1曲はアルバムバージョン)を含む3枚目のスタジオアルバム。初回限定版は2パターンあり、CD+DVDとCD2枚組。DVDは「GREEN MIND 2010」のファイナル公演である、5月22日の河口湖ステラシアターでのライヴの様子を収めたもの。(DVDは入手していないのでレビューはありません。)CD2枚組に付いているボーナスCDは全曲がカヴァーソング。個人的には正直、原曲を知っていたのは9曲目と10曲目くらい。このジャンルの邦楽に疎いのだろうか。秦基博ファンの方々はほとんど知っていて当たり前なのだろうか。選曲自体良いのかどうかすら分からない。「この曲は是非とも原曲を聴いてみたい!」という曲がイマイチ見当たらない。ボーナスCDのレビューのコメントが少ないのは正直、原曲が耳に馴染んでいないこともあるが、あまりにも単調な内容で、ほとんどがアコースティックギターのみの演奏で、しかも静かな曲が多いため、眠くなってくる内容だから。原曲を知っていて、しかもこういうのが好きな人は良いのかもしれないが、正直、このディスク目当てにCD2枚組を買い求めるのはおすすめしない。2〜3曲くらいは良いのだが、前のアルバムの初回限定盤のボーナストラックとカブっているものもあり、そちらを持っているのであれば充分かと。本編の内容自体は充分聴くに値する。シングル曲はもちろん、3,12曲目あたりは一聴の価値がある。ただ、前作もそうだがシングル曲とアルバム曲との曲・メロディの質が、若干差があるように感じる。聴き込めば好きになってくる曲も増えそうだが、初めて聴いて、ものすごく良いという新曲が少ない。これは邦楽アーティストに共通すると言っても過言ではない。基本的にはシングルメインで、それをまとめて、アルバム用の曲を作り、もしくは今まで作った曲の中でシングルにするほどではない(ボツになったものを含め)曲を足して10曲前後にまとめたのが邦楽アーティストでは多いのではないだろうか。海外ではアルバムがメインで、そこから数曲シングルカットされるケースが多い。もちろん全てがそれに当てはまるわけではないし、洋楽邦楽問わず曲の質にばらつきが多い作品は数え切れないほど多い。
1-ドキュメンタリー
「虹が消えた日」を彷彿させるイントロで始まるスローテンポのポップチューン。
サビは歌自体は盛り上がるが、伴奏が静かになるという不思議なもの。アルバム1曲目としてはもう一つという印象も…
2-アイ
9thシングル。スローテンポのバラードナンバー。穏やかで優しい雰囲気。オルガンの柔らかなサウンドも効いている。
3-SEA
ミドルテンポの爽やかなポップナンバー。サビのコーラスが心地良く、メロディもキャッチーで耳に残る。
躍動感のあるリズミカルなピアノも良い。
4-oppo
トイピアノのサウンドがポップな印象を感じるが、曲全体が底抜けに明るいわけでもない。
歌詞やそのトイピアノのメロディを含め、不思議な雰囲気のある1曲。
5-猿みたいにキスをする
後半の語りの部分は個人的には好きではない。最近の流行りなのか、ああいう歌い方…いや歌ってはいないか、語りを メインでやる人がいるようだが、はっきり言って良さが分からない。こういうものに手を出しては欲しくなかった。 語り自体は別の人がやっているようだが…。曲としては静かで落ち着いた雰囲気のスローチューン。 語り以外はなかなか良い雰囲気で好きだが、語りは全く要らなかった。まさに蛇足。タイトルもどうだろう…。
6-Halation
8thシングル曲。ヴァイオリンのサウンドが良いミドルテンポのナンバー。
サビは高揚感があり非常に盛り上がる。
7-透明だった世界
10thシングル。爽快なアップテンポのポップナンバー。個人的にはとても好きな1曲。
8-今日もきっと
ミドルテンポのポップチューン。…良い曲だが、これといって特筆することもない良い曲。 あくまでアルバムの中の1曲というところ。
9-パレードパレード
アルバムに1曲は入るのんびりとした雰囲気のミドルテンポのポップナンバー。ただ、全編通してではなく、 サビ以降はけっこう盛り上がりがある。
10-朝が来る前に
7thシングル曲。しっとりとしたムードのスローバラード。寂しさ溢れる歌で、バイオリンとピアノが良い味を出している。
詞も良い。秦基博の真骨頂と言える秀曲。泣ける。歴代の曲の中でも五指に入る。
11-Selva
民族音楽風のパーカッションが特徴の怪しげな雰囲気のナンバー。不思議な魅力がある。
12-アゼリアと放課後
穏やかな雰囲気のミドルテンポのポップナンバー。曲はなかなか良い。
13-メトロ・フィルム(album ver.)
11thシングル曲のアルバムバージョン。オリジナルと違いはよーく聴かないと分からない…のではないだろうか。
正直言うと自分ではその違いが分からなかった。
曲はヴァイオリンとピアノのサウンドが心地良い、しっとりとした雰囲気のナンバー。
BONUS DISC
1-ミルクティー
原曲は1998年に発売されたUA(ウーア)のシングル曲のライヴヴァージョン。 スローテンポで非常に静かな曲。 ボリュームをかなり上げないと聴こえないほどに…。
2-夜をぶっとばせ
原曲は1995年に発売されたオリジナル・ラヴのシングル曲。
ミドルテンポで明るい雰囲気のポップチューン。
3-晩夏(ひとりの季節)
原曲は1976年発売の松任谷由実(荒井由実)の4thアルバム「14番目の月」に収録された曲。 とても良い曲で、雰囲気もある。他の曲とのバランスが良ければ、もっと目立つのでは…。
4-そろそろいかなくちゃ
原曲は2000年発売のスガシカオの4thアルバム「4 FLUSHER」。静かな落ち着いた雰囲気の曲。
5-ラーメン'95
福耳のアルバムに収録されている大橋卓弥との共演曲で、2分少々と非常に短い曲。 そして静か。
6-僕の今いる夜は
原曲は槇原敬之の通算16枚目のアルバム「Personal Soundtracks」の収録曲で、このバージョンでも一緒に歌っている。
いかにも槇原敬之らしい曲。湿り気のあるメロディが琴線に触れるポップナンバー。
前作の初回限定盤のボーナストラックに収録されたものと全く同じヴァージョン。
7-眠りの森
原曲は冨田ラボで自身も演奏で参加している。スロー〜ミドルテンポのジャズっぽい雰囲気のあるナンバー。
8-エイリアンズ
原曲はキリンジの6thシングル曲。ライヴヴァージョン。静かなアコースティックナンバー。
9-なごり雪
原曲はイルカ。おそらく多くの人が耳に馴染んだ曲だろう。
他の曲は知らなくても、この曲は…という人が多いのでは。
奇抜なアレンジはなく、原曲の雰囲気そのままに歌い上げたもの。
10-空中ブランコ
原曲は一青窈だが、作曲自体が秦基博なのでセルフカヴァーにあたる。
前作の初回限定盤ボーナストラックに入っていたヴァージョンは一青窈とのデュエットヴァージョンだったが、
これは秦基博が一人で歌ったアコースティックライヴヴァージョン。
GREEN MIND vol.1の神奈川県民ホールでのもの。後ろで響くチェロのサウンドが良い。
11-スローバラード
原曲はRCサクセション(忌野清志郎)のシングル曲。「美ぎ島MUSIC CONVENTION IN MIYAKO ISLAND 2009」 でのライヴヴァージョンで、ハーモニカ演奏は山崎まさよし。 若干ものまねも入ったような、忌野清志郎を意識した歌い方をしている。 演奏はアコースティックギターとハーモニカのみのタイトル通りスローバラード。