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SAVATAGE(サヴァタージ)
アメリカ出身の4〜6人組。ジャンルはドラマティックHM、プログレッシヴHMあたりが妥当。アメリカのバンドとは思えないほど、緻密で繊細でドラマティックなHMをやっており、主にヨーロッパが主戦場となり、人気も日本や米国とは比較できないほど高い。ジョン(Key,Vo)と、クリス(G)のオリヴァ兄弟が中心となり結成。端正なマスクに、技術的にはもちろん、情感溢れるギタープレイで人気だったクリスが93年に交通事故死するというショッキングな出来事を乗り越え、その後も活動を継続し、名盤を残してきた。
GUTTER BALLET (ガター・バレエ) (5th/1989)
日本デビューとなった5thアルバム。ピアノを前面に出すという新たなスタイルを確立した。プログレッシヴ色が強くなり、ドラマティックになった内容は大きく評価を上げた。この作品を最高傑作に揚げるファンも少なくない。メンバーはオリヴァ兄弟の他に、クリス・キャファリー(G)、ジョニー・リー・ミドルトン(B)、スティーヴ・ワコルズ(Dr)という5人。
Gutter Ballet (ガター・バレエ)
ピアノのみからギターが入ってくるイントロ。ピアノとギターを融合したサウンドが緊迫感もあり、非常にカッコ良い。名曲。
Temptation Revelation (テンプテイション・レヴェレイション)
エレキギターの哀愁のメロディが印象的なインストゥルメンタル。壮大な雰囲気。
When The Crowds Are Gone (ホエン・ザ・クラウズ・アー・ゴーン)
ピアノの伴奏にのせて歌うイントロで始まるスローテンポのナンバー。哀愁を感じる歌メロが◎。後半のピアノは悲しい。
Silk And Steel (シルク・アンド・スティール)
アコースティックギターがメインのインストゥルメンタル。
Hounds (ハウンズ)
静かなイントロからギターのリフが入ってきて、ヘヴィな曲になる展開が良い。ソロはテクニカルでリフもカッコ良い。後半に曲調が変化し、疾走感のあるメタルチューンに。
The Unholy (ジ・アンホーリー)
メロディアスなフレーズのギターが特徴のスピード感あるHRナンバー。
Summer's Rain (サマーズ・レイン)
スローテンポの落ち着いた曲。ソロではテクニカルな速弾きも聴ける。
STREETS A ROCK OPERA (ストリーツ・ア・ロック・オペラ) (6th/1991)

6thアルバム。ニューヨークを舞台にしたコンセプトアルバム。クリス・オリヴァ最後のアルバム。また、クリス・キャファリー(G)が脱退しており4人編成となっている。
1-Streets (ストリーツ)
暗く怪しげなクワイアとメロディで始まるスローテンポの彼ららしいドラマティックなナンバー。
2-Jesus Saves (ジーザス・セイヴズ)
長いセリフのSEから始まるスローテンポのロックチューン。キャッチーなギターサウンドが特徴。
3-Tonight He Grins Again / Strange Reality (トゥナイト・ヒー・グラインズ・アゲイン/ストレンジ・リアリティ)
ピアノの寂しげなメロディが特徴の前半。タイトルにあるように2部に分かれた曲。後半は明るめのギターサウンドのロックナンバー。テクニカルなギタープレイも聴ける。
4-A Little Too Far (ア・リトル・トゥー・ファー)
ピアノ伴奏の静かな曲調で始まるスローテンポのナンバー。サビはキャッチーで寂しげなメロディ。
5-You're Alive / Sammy And Tex (ユア・アライヴ/サミー・アンド・テックス)
3曲目と同様に2部に分かれた曲。前半は明るめでポップな曲調。後半は一転し、ヘヴィで疾走感のあるアグレッシヴなロックナンバー。
6-St. Patrick's (セント・パトリックス)
スローテンポの落ち着いたムードのロックチューン。後半になると壮大な雰囲気に変わり、再び静かになり終わる。
7-Can You Hear Me Now (キャン・ユー・ヒア・ミー・ナウ)
ヘヴィなスローテンポのロックナンバー。曲調が変化する場面が多く、静かな部分も。
8-New York City Don't Mean Nothing (ニューヨーク・シティ・ドント・ミーン・ナッシング)
ミドルテンポでキャッチーなギターメロディのロックチューン。イントロとアウトロは静かな曲調。
9-Ghost In The Ruins (ゴースト・イン・ザ・ルーインズ)
スローテンポのヘヴィなナンバー。サビのコーラスはキャッチー。
10-If I Go Away (イフ・アイ・ゴー・アウェイ)
悲しげなピアノのメロディから始まるスローテンポのロックナンバー。サビには明るい兆しのようなものを感じる。
11-Agony And Ecstasy / Heal My Soul (アゴニー・アンド・エクスタシー/ヒール・マイ・ソウル)
キャッチーなギターのリフで幕を開けるアップテンポのロック調の前半。ギターソロがなかなかカッコ良い。後半は一転して非常に静かで悲しいバラード。
12-Somewhere In Time / Believe (サム・ホエア・イン・タイム/ビリーヴ)
2部に分かれた曲。前半はピアノ伴奏で始まり、途中から盛り上がり明るく、希望のあるムードになるスローテンポのナンバー。後半は静かなピアノのメロディから始まり、サビでは悲しげではあるが、明るさも感じるバラード。
DEAD WINTER DEAD (デッド・ウィンター・デッド) (9th/1995)

サラエボ内戦について歌ったコンセプト作品。メンバーはジョン・オリヴァ(Key,Vo)、ザッカリー・スティーヴンス(Vo)、クリス・キャファリー(G)、アル・ピトレリ(G)、ジョニー・リー・ミドルトン(B)、ジェフ・プレイト(Dr)という6人。専任のヴォーカリストを迎えており、ジョンの歌い方が苦手という人には聴きやすいかも。あの歌声あってのサヴァタージ、というファンには多少物足りないかもしれないが、曲作りという面では中心となっており、今までのような曲が聴けるので、さほど大きな問題はないかと。アルバム全体に漂う暗く重い雰囲気のなか、劇的な楽曲が並ぶ。これも名盤。
1-Sarajevo (サラエボ)
最初から緊迫感のある激しいサウンドで始まる、ドラマティックな曲。その後のメロディはかなりカッコ良い。
途中で曲調ががらっと変わり、静かに歌が始まる。
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2-This Is The Time (1990) (ディス・イズ・ザ・タイム)
前の曲から間を置かずに繋がっているスローテンポのロックチューン。サビの歌メロはなかなか良い。
3-I Am (アイ・アム)
スローテンポでヘヴィなサウンドのナンバー。曲自体はけっこうメロディアス。
4-Starlight (スターライト)
怪しげで暗いメロディのイントロで始まるスローテンポでヘヴィなメタルチューン。アウトロのソロではスピードが上がりテクニカルなギタープレイが聴ける。
5-Doesn't Matter Anyway (ダズント・マター・エニウェイ)
グルーヴィなギターサウンドも聴けるミドルテンポのヘヴィなナンバー。
6-This Isn't What We Meant (ディス・イズント・ホワット・ウィ・メント)
ピアノのメロディで始まるスローテンポのメタルナンバー。メロディアスギタープレイが良い。ピアノは寂しげなムード。後半にドラマティックな曲調に変わる部分もある。
7-Mozart And Madness (モーツァルト・アンド・マッドネス)
ピアノとバイオリンの悲しげなイントロから、メロディアスなギターメロディへと繋がるインストゥルメンタル。ピアノとギターサウンドの融合が彼ららしい。タイトルにあるようにモーツァルトの曲の一節も。
8-Dead Winter Dead (デッド・ウィンター・デッド)
アルバムタイトルトラック。ベートーベンの第九のメロディを奏でるギターから、ヘヴィなリフへと繋がるスローテンポのメタルチューン。
9-One Child (ワン・チャイルド)
静かな雰囲気のなかピアノのサウンドが淡々とリズムを刻むスローテンポの落ち着いた1曲。途中から曲調が変化し、テンポが上がり緊迫感が漂い、珍しくコーラスも入る。
10-Christmas Eve (Sarajevo 12/24) (クリスマス・イヴ)
バイオリンとフルートの悲しげなメロディで幕を開けるインストゥルメンタル。メロディアスでキャッチーなギターメロディが印象的。
11-Not What You See (ノット・ホワット・ユー・シー)
静かな歌声とピアノで始まるスローテンポながら盛り上がりのあるメタルナンバー。壮大なムードも感じるサビのコーラスはなかなか良い。
12-D.T.Jesus (ディー・ティー・ジーザス)
日本盤ボーナストラック。スローテンポのヘヴィではあるが、明るめの曲調のメタルナンバー。リードヴォーカルはジョン。