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ENSIFERUM(エンシフェルム)

1995年に結成されたフィンランド出身の5人組。ジャンルはデビュー当時はヴァイキングメタルとも分類されたが、現在は同郷のコルピクラーニの登場で主流となったフォークメタル(コルピよりもエンシフェルムのほうが先)、もしくはグロウル(いわゆるデスヴォイス)で歌っていることからメロディックデスメタルなどに分類するのが適当か。バンドの中心はマーカス・トイヴォネン(G)で、メンバーの入れ替えが多く、初期メンバーで今も残っているのは彼一人。なお、現ボーカリストは元ノーサー〜現ウォーメンでもあるペトリ・リンドロスで、歌い方はグロウル。

Mld ★☆☆
Spd ★★☆
Key ★☆☆
Ori ★☆☆

関連アーティスト

korpiklaani

IRON(アイアン)(2nd/2004)

IRONジャケット画像

バンドとしては5枚目で、日本デビューアルバム。声質や歌い方からは、チルドレン・オブ・ボドムを彷彿とさせるが、民族音楽をベースとした哀愁のあるメロディはそれとは異なる。また良い意味でチルボドと同じようにソフトなグロウルなので、聴きやすい。非常にバラエティに富んだ楽曲が並んでおり、メロスピ、メロデス、フォークメタル好きという人に受けるのではないだろうか。またメタリカをカヴァーしているということもあり、スラッシュメタルの要素も感じるため、そちらのジャンルのファンも聴けるのでは。ジャケットに掲載されている発売時のメンバーはヤリ・マーエンパー(Vo)、マーカス・トイヴォネン(G)、オリヴァー・フォキン(D)、ユッカ・ペッカ・ミエティネン(B)、メイユ・エンホ(Key)という5人。作詞作曲はマーカス・トイヴォネンとヤリ・マーエンパーが担当。日本語解説にもあるが、掲載されているメンバーの写真は失笑してしまうかも。顔には黒いペイントを目の下(一昔前プロ野球選手が陽射しの眩しさを抑えるためにペイントしていたものに似てる)や、中には顔全体に縦に線を描いていたり、衣装はファンタジーゲームの登場人物のようで、中には手に武器を持っていたり、と。ただその後にチュリサスやトワイライト・フォースなど、衣装から世界観を表現バンドが続々登場しているため、ある程度免疫というか見慣れたところがあるので、今見て失笑する人は当時と比較すると少ないのでは。ただし、似合っているか、安っぽいかという点では若干笑ってしまうかも。

1-Ferrum Aeternum (フェラム・アーテナム)

哀愁漂うフルートのような管楽器の音色がメインのケルト音楽のような民族音楽風のインストゥルメンタル。この雰囲気がベースとなって、作品全体のイメージを表現していると言って過言ではない。オープニングで約3分半というのは長めだが、聴ける。 Mld.Key.Cla.Ter.Ori.

2-Iron (アイアン)

前曲のインストから繋がる形で始まるスピード感あふれるメタルナンバー。中盤に雰囲気が変わり、1曲目のインストのような雰囲気に。そういった変化も聴きどころ。 Mld.Spd.Key.Cla.Ori.

3-Sword Chant (ソード・チャント)

立て続けに疾走感あるスピードメタルナンバー。グロウルとクリーンヴォイスの中間くらい(?)の歌い方で歌っている部分もある。スピード感とそういった歌い方からスラッシュメタルのようでもあるが、奥行きがあり重厚な音造りがそれとは大きく異なる。 Spd.

4-Mourning Heart - Interlude(モウニング・ハート インタールード)

タイトルのインタールード(合間・間奏曲)とあるように、短いインストゥルメンタル。悲しげな雰囲気のメロディが印象的。 Mld.Key.Cla.

5-Tale Of Revenge (テイル・オブ・リヴェンジ)

前の曲から繋がるスロー〜ミドルテンポで始まるナンバー。途中でテンポ変化があり、かなり速くなる。クリーンヴォイスで歌う部分があって、これがなかなか良い。曲も非常に良い。個人的にかなりおすすめ。シングルカットされたのも納得。 Mld.Spd.Key.Ori.

6-Lost In Despair (ロスト・イン・ディスピア)

こちらは全編を通してスローテンポのメタルナンバー。ここでもクリーンヴォイスとグロウルを効果的に使い分けている。曲も悪くない。 Mld.Key.

7-Slayer Of Light (スレイヤー・オブ・ライト)

前の曲から間を置かずに始まるスラッシュメタルのような一曲。時間も歌入りの曲としてはアルバムで一番短く、3分少々。ただやはりスラッシュメタルと一線を画すのは、バックで聴こえる奥行きのあるサウンドと、ギターのメロディとキーボードサウンドのアクセント。こういう言い方をするとスラッシュメタル批判に聴こえるかもしれないが、あくまで個人的な好みと意見なので。 Spd.

8-Into Battle (イントゥ・バトル)

静かに始まるが、徐々に盛り上がり、スピードアップするメタルナンバーで、ツインギターのユニゾンがとにかくカッコ良い。テクニカルなソロも含めてカッコ良いギターが聴きたいという人は一聴の価値あり。クリーンヴォイスの部分がまたカッコ良いんだ。これもオススメ。 Mld.Spd.

9-Lai Lai Hei (ライ・ライ・ヘイ)

アルバムで一番の長尺で7分強あり、変化の多いメタルチューン。キーボードが良い味を出している。タイトルと歌詞の一部はフィンランド語と思われる。このように英語以外の母国語の歌詞は新鮮で、個人的には積極的に取り入れてほしい。明るい印象のコーラスはコルピクラーニっぽさを感じる…という言い方はむしろ逆で、彼らのほうがこういった曲から影響を受けているように感じる。 Mld.Spd.Key.Bri.Ori.

10-Tears (ティアーズ)

アルバムのエンディングと言える静かなバラードナンバー。女性ゲストヴォーカルのカイサ・サーリが美しい歌声を披露している。メロディは非常に哀愁がある。 Mld.Key.Cla.

11-Battery (バッテリー)

日本盤ボーナストラックで、言わずと知れたメタリカの代表曲のカヴァー。オリジナルから大きなアレンジは無い。ドラムの音が安っぽい印象を受けるが、これは狙いなのか?曲は5分程度で終わるが、そのあと無音が5分ほど続き、最後にちょっとだけ歌うというシークレット要素付き。 Spd.

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