MAJESTICA(マジェスティカ)ライブレポート
2020年1月12日(日) SYMPHONIC METALLIZATION day-1
- 会場(キャパシティ)・・・渋谷ストリームホール(700人)
- お客の入り(推測)・・・8割
- チケット代・・・6,500円(+ドリンク代500円)
本当に待ちに待ったMAJESTICAの初来日公演。REINXEEDでは実現せず、2013年の「A NEW WORLD」まで年に1枚のハイペースでアルバムをリリースしていたにも関わらず、それ以降活動がぴたりと止まり、2016年にトミー・ヨハンソンがSABATONの正式ギタリストとして加入してやっと表立った活動が見られたものの、自身のバンド活動の情報は無かった。ところが、2019年に一気にMAJESTICAとバンド名を一新して活動を始め、アルバムリリース、そして今回の初来日公演。待っていた期間が長かっただけに、2019年からの活動は目を見張るもので、SABATONの活動がまた本格化すると、次回作はまた期間が空いてしまうことも考えると、本当に待望・切望の初来日公演。今回は日本のヴァイオリニストAyasaとのコラボ・カップリング企画「SYMPHONIC METALLIZATION」という形であるため、単独公演ほどの長尺は期待できないものの、しつこく言わせてもらうが、REINXEEDからのファンからすると本当に待ちに待った初来日公演だった。彼らの情報はSNSや伊藤政則のロックTVなどでも知ることができて、ロックTVでは繰り返し宣伝してくれていた。にも関わらず、当日の開場前の人の少なさにはがっかりしてしまった。ただ、最終的にはオールスタンディングの会場の7割〜8割以上は埋まったように見えた。良かった。700人という規模はやや寂しいものはあるが。
定刻の17時をやや過ぎた頃、暗転して壮大なBGMが流れ、一人がドラムセットに向かってふらふらっと歩いていったが、まだ準備中なのかと思ったら、彼がサポートドラマーだったのは、ややツッコミを入れたくなった。「お前が叩くんかい!」と。正式なバンドメンバーが登場し、MAJESTICAのデビューアルバムから「Above The Sky」「Rising Tide」と立て続けに披露した後、MCでREINXEEDの曲もやるよ、ということを話し、個人的に大好きな「Welcome To The Theater」を選曲したのには興奮した。詳細なセットリストは下記にも記載したが、最終的には「ABOVE THE SKY」から6曲、REINXEEDの「WELCOME TO THE THEATER」から3曲、「1912」から1曲、「HIGHER」から1曲、カヴァー1曲という選曲だった。カヴァーはライブ後も調べたが誰の曲か分からず、後日彼らのINSTAGRAMでセットリストが記載された紙から曲名が分かり、そこでやっと分かった。カヴァー曲だったこともその時に分かったが、日本で発売された彼らのアルバム作品には未収録と思われる。「SWEDISH HITZ GOES METAL」にすら収録されていないので、どうしてこの曲を選んだのかは謎。YouTubeにはトミー・ヨハンソンがその曲を歌っている音源もあるが、ライブで披露したいほど大好きな曲だったのか。選曲に関しては、いかんせんライブ本編の時間が短かかったので難しい部分はあるが、未選出の「A NEW WORLD」の「Guita Hero」や「The Star」、同じく未選出の「MAJESTIC」から個人的に超お気に入りの「Second Chance」は選んでほしかった。バンド名の由来でもある「MAJESTIC」からゼロというのは何より意外だった。さらに言うと「1912」からも1曲のみでは足りない。ボーナストラックではあるものの「Reinxeed Alliance」は是非とも聴きたかった。「WELCOME TO THE THEATER」のオープニングナンバーである「Life Will Find A Way」も入れてほしかった。最新作からも「Future Land」は選んでほしかった。それでもスピードナンバーである「The Rat Pack」「Way To Redemption」を選んだのは良かったし、ライブの締めを飾る「Alliance Forever」は良かった。だからこそ、その前に「Reinxeed Alliance」を入れると最高だと思うんだけど、前のバンド名が入っている曲というのは何か問題があったりするのだろうか。
彼らの音楽をライブでもしっかりと再現するためにはこのメンバー構成では厳しいものがあったと思う。キーボードやストリングスの音源を用意したものを使用するのは近年のROYAL HUNTですら使用している(年齢的な理由もあったと思う)が、できるだけ生の演奏で再現してほしいし、その音源を再生するのはドラマーが担当しているようで、その操作がスムーズでないと変な間ができてしまうのはカッコ悪い。ライブ特有のアレンジ、ソロを長くしたり、観客との掛け合いなどにも対応できなくなるというデメリットも大きい。また、彼らの場合はギタリストがトミー・ヨハンソン以外にもう一人いるものの、テクニカルなフレーズやソロの大部分はトミー・ヨハンソン自身が担当しているようで、ギタープレイに集中しすぎてか、歌い出しの部分から歌えない場面も見られた。MAJESTICAの壮大な音楽をライブで高い完成度で再現するためにはもう一人ギタリストを迎えて、トミー・ヨハンソンには歌うことに集中してほしい。せめてソロの部分のみを弾くという具合に負担を減らしたほうが良いと思う。またキーボード奏者も配置し、できるだけライブ(生=なま)で演奏してほしい。そうすると、よりライブにおける作品の再現度は上がると思うし、盛り上がりも増すと思う。
MAJESTICAの公演が終わり、パラパラと会場を後にする客も見られた。十数人程度だっただろうか。20分ほどのセットチェンジを挟んでAyasaが登場。序盤は若井望はおらず、曲も個人的にいまひとつという印象で正直しんどかった。3〜4曲ほど演奏した後、若井望が登場。ここからはメタルの要素が強くなり、曲もなかなか良く、盛り上がりもあったように思う。予想はしていたが、DESTINIAの「Metal Souls」は最高に盛り上がっていたし、非常に良かった。序盤のMCでAyasaの口から、後でトミー様も登場しますという予告があり、個人的な予想としては、この曲をトミー・ヨハンソンのヴォーカルで演奏することもあるのかと思ったが、はずれた。それも観たかったが。実際に最後にトミー・ヨハンソンが呼びこまれ、Gary Mooreのカヴァーをコラボで演奏して、素晴らしい締め括りとなった。この選曲はGary Mooreを尊敬するトミー・ヨハンソンの提案だと予想される。私は聴いたことが無い曲だったが、良い曲だと思い、ライブ後にオリジナルを聴いたら、非常に気に入った。ケルティックな部分が特に良かった。後発だが、TENの「Return To Evermore」も大好きだったので、こういうのはたまらない。因みに、Ayasaのバンドのほうが、演奏はタイトでまとまりがあって完成度は高かった。Majesticaのほうが荒削りな印象だった。
Majesticaは約75分、Ayasaが約65分(最後の1曲を含めると約70分)で、後半に登場するほうが時間が短めという不思議な構成ではあった。今回の名目というか企画はMAJESTICA "VS" Ayasaということで、ダブルヘッドライナーという形ではあったが、ネームバリューという点では(おそらく)MAJESTICAのほうが上だし、海外から来てもらっているということもあって、時間配分から見ても実質MAJESTICAがメインに近かったと思う。それだけに初日のこの登場順はやや疑問ではあったが、最後の締めのコラボは良かったし、以下にも記載しているが、2日目は登場順を逆にしたようで、一応VSという形を2日かけてそれらしくしたのかな、と。セットチェンジの時間も含めると合計で約3時間でこのチケット代はお得だったし、良い企画だったと思う。何よりREINXEED時代にも実現しなかった来日公演を、単独ではないにしても実現させてくれたことは非常に嬉しかった。選曲や完成度等やや不満もあったが、次回の来日公演のときにはより成長した姿を期待したい。
以下のセットリストに関してはMAJESTICAのみとなるが、彼らのINSTAGRAMにアップされた写真から。2日目は行ってないので予測になるが、最後のEagle Fly FreeはMAJESTICAのメンバーにAyasaと若井望が加わって演奏されたものだろう。こちらもMAJESTICAのSNSにアップされた写真からの予測だが、1日目とは逆の登場順にして、全体のセットリストも多少変えていると考えられる。
SET LIST (day-1)
- intro
- Above The Sky
- Rising Tide
- Welcome To The Theater
- Way To Redemption
- No Fate
- Temple Of The Crystal Skulls
- bass solo
- The Rat Pack
- Magic Still Remains
- She Is Gone (STEELHEART cover)
- guitar solo
- Night Call Girl
- We Must Go Faster(encore)
- Alliance Forever(encore)
- Over The Hills And Far Away (GARY MOORE cover)(with Ayasa's Band)
SET LIST (day-2)
- intro
- Above The Sky
- Rising Tide
- Welcome To The Theater
- Way To Redemption
- Motley True
- The Voyage
- bass solo
- The Rat Pack
- Magic Still Remains
- guitar solo
- Night Call Girl
- We Must Go Faster(encore)
- Alliance Forever(encore)
- Eagle Fly Free (HELLOWEEN cover)(with Ayasa & Nozomu Wakai)