ROYAL HUNT(ロイヤル・ハント)ライブレポート
2011年4月23日(土) ROYAL HUNT featuring D.C.Cooper 東京公演
- 会場(キャパシティ)・・・品川プリンス ステラボール(1,900人)
- お客の入り(推測)・・・7〜8割
- チケット代・・・6,500円
D.C.クーパーの電撃復帰(4月限定ではあるが…)のニュースから待ちに待ったライヴだった。 3月11日の東日本大震災の影響で延期や中止になったイベントは数知れず、海外では間違った情報に踊らされ、 笑ってしまうような作り話もあった。 彼らがそういったことを真に受けるような人間ではないと分かっていたが、不安はあっただろう。 それでも来日してくれたことは素直に嬉しいことだ。 彼らは日本で一時期大きな人気を博し、阪神大震災の際にも、それに捧げる名曲「Faraway」を 歌っていた。
当日、開場の1時間前にグッズ販売があった。グッズと言っても、Tシャツ1種類とアクセサリー、 「PARADOX」のアナログ盤くらいだったが…。 開場時間が近付いたが、イマイチどこに並ぶのかしばらく分からなかった。 初めての会場で、他の娯楽施設とも併設されているので、分かりにくい気がした。
何はともあれ、無事会場に入ったが、手摺りがやけに少ないのが残念だった。 お客の入りを7〜8割としたが、実際はもっと少なかったかもしれない。 それでも最終的にはまずまずの密度で安心した。 グッズ販売の列に並んでいるとき、「チケットが全然売れてなくてガラガラじゃないか? ●●(レコード会社)に知り合いがいて…前に○○のライヴなんて…」、 なんてエラソーに話している奴がいて気分が悪かったが、 実際そこまで酷い状況ではなかった。
ほぼ定刻にライヴが始まり、荘厳なイントロダクションが響き、 しばらくしてメンバーが現れ、DCは頭まで覆い隠す衣装で登場。 写真や映像で多少は最近の彼の姿を見ているが、生でDCを見るのは初めてで、 ロイヤルハントにいたときからは随分と年数が経っており、大分老けているかと予想していたが、 さほど年齢は感じず、素直にカッコ良い印象を受けた(メイクと照明の技術もあるかもしれないが…)。 DCとアンドレ・アンダーセンが同じステージに立ち、ロイヤルハントの曲を歌っている姿は 感慨深いものがあった。彼が在籍していた全盛期はまだこういったジャンルの音楽は聴いておらず、 彼らを知ってから、まさかこの共演が実現するとは思ってもいなかった(諦めていた)ので、 本当に嬉しかった。
ライヴ本編の前半は、あの「PARADOX」の完全再現をした1997年のライヴをさらに「再現」したものだった。 その第1部が終わり、第2部は1st〜3rdアルバムからの選曲したもので、 1997年の第2部のセットリストは不明だが、流れはあのライヴをそのまま再現したものだった。
さすがDCというパフォーマンスなど、メンバーの演奏は良かったと思うが、 サウンド面ではギターの音が聴き取りづらいときがあったり、 途中ノイズがしばらく続いてしまうなど、完璧とは程遠いものだったのは残念だ。 また、自分も含めてではあるが、観客との掛け合いでいまいちスムーズに行かずに、 盛り上がりにかけたところがあった。若干どうしてほしいのか分かりにくい部分があったことも事実だが…。 また、「あれ?ここもテープなんだ」と、かなりの部分でSE(テープでの効果音)に頼っていたように感じ、 もっとアンドレが自分で弾くものじゃないのかなと疑問に感じた。 50歳近い年齢を考えて、体力的に大部分を演奏するのは難しいのだろうか。
このステージでの注目と言えば、アンドレとDCの関係性だが、 ライヴ終盤にはDCからアンドレに寄って行き、抱擁するシーンは見ていて嬉しい場面だった。 しかし、ライヴ全体を通して、アンドレはDCのパフォーマンスに微笑むことがあったが、 DCのほうは、キーボードソロの場面でもアンドレに近付くことはなく、 視線もあまり向けていないように見えた。 そのため、終盤に慌てて良好な関係にあることをパフォーマンスとして見せているようにも感じた。 公演名からしても、あくまでDCが特別出演した、限定的なライヴであるというのを はっきりと感じてしまい、寂しさがあった。
それでも、古くからのファンには非常に嬉しいライヴだった。 何よりどんな形であれ、DCがロイヤルハントの曲を歌うライヴが再び行われただけでも、 非常に価値のあるものだった。 また、個人的にはアンコールで「Martialarts」、そして珍しく1stアルバムから「Freeway Jam」という 2曲のインストゥルメンタルを演奏してくれたのは嬉しかった。 個人的に「Time」で終わるという流れが大好きなので、アンコール前とは言え、その流れが見られたことも 嬉しかった。ただ、この曲が終わって、ステージで並んで挨拶をしたときはアンコールがないのかと不安になった。 「Last Goodbye」「1348」といったところもおさえたセットリストはなかなか良いものだった。
ライヴ終了後にはサイン会もあり、それに大勢のファンが並んでいたので安心した。 ただ、誘導の係員に態度の悪い者がおり非常に評判が悪かった。 また、DCの態度にも若干不満を感じた。あまり顔を上げずに、サインをしてほしいものを差し出そうとしても、 (頼まれているものなのか)ひたすら積まれたリーフレットにサインをしており、無愛想に感じた。 これは「芸能人を街中で見かけて声を掛けたのに冷たい態度を取られてテレビと違う印象を受けてがっかり」 という自分勝手な考えに似たものかもしれないが、 他のメンバーは皆非常に感じ良く「Hello」と一言声を掛けてくれて、向こうから握手を積極的にしてくれたり… という対応と比べてしまうと、少し残念ではあった。
なお、来日メンバーは以下の通り。
D.C.Cooper(Vo)
Andre Andersen(Key)
Andreas Passmark(Ba)
Allan Sorensen(Dr)
Jonas Larsen(G)
Maria McTurk(Backing Vo.)
Alexandra Popova(Backing Vo.)
SET LIST
- Ava Maria Guarani
- The Awakening
- River Of Pain
- Tearing Down The World
- Message To God
- Long Way Home
- Time Will Tell
- Silent Scream
- It's Over
- Ava Maria Guarani
- Last Goodbye
- 1348
- Faraway
- Stranded
- Time
- Freeway Jam(encore)
- Martialarts(encore)
- Epilogue(encore)
普段着られないことはないが、こういうシャツはただでさえ吸水性が悪いことが多く、
背中にもプリントがされており、汗をかく場面では使えない。
ただ、それでもこれがライヴTシャツとしてはオーソドックス。
裏のサインは、ライヴ後のサイン会でのもの。中心のがDCのサイン、
中心部の一番下がマリア・マクタークで、その左がアンドレ、1番左上はヨナス・ラルセン。あとは難しい。
うーん…おそらくマリアの上がアンドレアス・パスマーク、その右がアラン・ソーレンセン、アンドレの左がアレクサンドラ・ポポヴァ
…のような気がする。イニシャルが「A」から始まる人が多く、しかも「A.P.」が二人!。前回の単独来日公演時のものと比べても、
同じメンバーはアンドレとマリアだけ。前回はポスターで、メンバーが写っている近くにサインしてくれたので、
分かりやすく、その二人は確実で、ヨナスも省略の程度が低くほぼ確実。余談だが、確か全員が左手でサインしていた!
欧米人は左利きが多いのかもしれないが、全員って…。
2012年5月16日(土) ROYAL HUNT 東京公演
- 会場(キャパシティ)・・・Shibuya O-EAST(1,300人)
- お客の入り(推測)・・・8〜9割
- チケット代・・・7,000円(+ドリンク代500円)
D.C.クーパーが正式復帰し発表された通算11枚目のスタジオアルバム「SHOW ME HOW TO LIVE」に伴うと共に、 バンド結成20周年記念ツアーとなる来日公演。その記念すべき日本ツアーが東京・大阪の2公演というのは 少し寂しい気はする。
東京公演の会場は4年前の「COLLISION COURSE」に伴うツアー(ヴォーカリストはマーク・ボールズ)での会場と同じ Shibuya O-EAST。昨年の来日公演に比べると会場規模はやや小さく、素晴らしい(あくまで個人的感想だが・・・) 最新アルバム、さらには20周年記念のライヴということもあり、満員になることが期待されたが、 そこまでは入らなかったようだ。昨年は週末で、今年は平日ということを考慮してもやや残念な観客の入りとなった。 ただ、開場と同時に入って開演を待っている間のフロアのスカスカ具合を見ていると、 本当にヤバイのではと心配したが、開演間近になるとフロアもほぼ埋まり充分形にはなり、安心した。
来日が近くなり、ネット上で発表されていたバンド側のコメントにあった通り、 セットリストは20周年を記念した非常に興味深いものとなった。 初期のアルバムから意外な曲、さらにはDCが脱退してからのアルバムからの曲、 そしてもちろん最新アルバムからもたっぷり選曲された、20周年にしてなんとも新鮮な内容となった。
下記のセットリストも参考にしていただきたいが、やはり興味深いのはDCが脱退した後のジョン・ウェスト、 マーク・ボールズがヴォーカリストを務めた時期の曲だろう。 第1期の曲は2期目のヴォーカリストであるDCが当時のライヴでやっていたので、やはり3・4期からの選曲が注目された。 その中でも特に人気の高い「Lies」、ミシェル・ライツィンの歌声が印象的な「Tears Of The Sun」は 非常に嬉しい選曲だった。ジョン・ウェスト、マーク・ボールズ時代のライヴで定番の曲ともまた違った選曲は驚きだった。 もちろん、あの曲やこの曲もやってほしかったということ言い始めると キリがないので、やめておこう。
また、アコースティックセッションでの選曲が特に意外なもので、 その最初を飾る「Restless」はコアなファンでないと知らない曲だろう。 (自分自身もサビになるまで判断がつかなかった・・・。) この曲はライヴCD「1996」(VHSでは途中まで聴ける)に収録されたもので、 スタジオアルバムを全てチェックしているというだけでは知らないという曲で、実際ライヴでも反応は鈍く、 さらに続く「Bodyguard」の単に(おそらく)そこまで人気が高い曲ではないという反応の鈍さとは違っていた。 そして、これもライヴではほとんどやったことがないのでは? という1stアルバムからの「One By One」で締めるというサプライズだらけのアコースティックセッションとなった。
セットリストを振り返ると、アンコールの締めは「Message To God」で、 定番の「Epilogue」は通常セットの締めに持ってきたこと、 今までライヴで定番の「Time」「Last Goodbye」、ジョン・ウェスト〜マーク・ボールズ時代の定番「Never Give Up」 をやらなかった等、賛否両論ありそうだが、個人的にはこの”新鮮な”セットリストを大いに評価したい。 20周年記念を重視し過ぎて、あれだけ素晴らしい最新アルバムからの選曲が少なくなることを懸念したが、 その心配は無用であり、やるべき曲はしっかり選曲しており、その点でもバランスのとれた選曲だろう。
公演終了後には予告されていた通りサイン会が開かれた。昨年とは会場自体違うこともあり、和やかな空気のなか 良い雰囲気で進行していた。CDの歌詞カードに書いてもらう人が1番多かったようだが、 会場で売られていたTシャツに書いてもらう人もいれば、 予め色紙を用意している人もおり、自分も見習いたいと感じた。 自分ではTシャツに書いてもらうのは、書きにくそうという理由と、着づらくなることが嫌だったために、 リーフレットに書いてもらった。(これは少数派)
来日メンバーはミシェル・ライツィンが追加された他は昨年と同様。
D.C.Cooper(Vo)
Andre Andersen(Key)
Andreas Passmark(Ba)
Allan Sorensen(Dr)
Jonas Larsen(G)
Maria McTurk(Backing Vo.)
Alexandra Popova(Backing Vo.)
Michelle Raitzin(Backing Vo.)
SET LIST
- One More Day
- The Mission
- Flight
- Hard Rain's Coming
- Lies
- Step By Step
- Tears Of The Sun
- Intro - Wasted Time
- Age Gone Wild
- Half Past Loneliness
- Kingdom Dark
- Angel's Gone
- Faraway
- Restless(acoustic)
- Bodyguard(acoustic)
- One By One(acoustic)
- Epilogue
- Martialarts(encore)
- Message To God(encore)
典型的なライヴTシャツ。CDジャケットのデザインそのまま。裏にはワールドツアーの日程が入っている。
2016年4月12日(水) ROYAL HUNT 東京公演
- 会場(キャパシティ)・・・LIQUIDROOM(1,000人)
- お客の入り(推測)・・・8割
- チケット代・・・7,000円(+ドリンク代500円)
DCクーパー復帰後3作目となる最新作「DEVIL'S DOZEN」の発売は2015年8月で、同年10月にさいたまスーパーアリーナで開催された「LOUD PARK 15」以来の来日公演となった。単独公演としては(私自身は不参加だったが・・・)、前作「A LIFE TO DIE FOR」の来日公演以来。
最新作は素晴らしい完成度だったが、単独公演としては最新作発売後初とは言え、実質的には2度目の来日ということもあり、発売から半年以上経過しており、さらには平日夜の公演ということもあり、少々残念な入りとなった。開場後しばらくは約1,000人というキャパの会場でありながら、フロアの真ん中から後方がガラ空きで、本当に心配になった。開演直前になり大分隙間は埋まったものの、おそらく7割から8割程度の入りだったのでは。
今回の公演で何よりも驚いたというか、残念だったのはロイヤルハントのアイデンティティ・・・とは大袈裟かもしれないが、トレードマークとも言える女声バッキングヴォーカルがいなかったこと。ただ、改めて最新作の初回盤に付属されていたDVDに収録されていた前作発売後のライブ映像を見ると、その時もいなかったことに気付いてさらに驚いてしまった。もうその構成はやめてしまったのだろうか。それはあまりにも寂し過ぎる。(と言いつつDVDを観た時は気付かなかったのだが・・・)是非ともまた女声バッキングヴォーカルを復活させてほしい。先述した通りだが、それは彼らの大きな特長でもあり、華でもあったのだから。
以下のセットリストも参考にしてもらいたいが、「DEVIL'S DOZEN」発売から時間が経ったからか、最新作をメインに据えた印象は薄い。勿論最新作から選曲されてはいるが、バンド初期の時代の曲も多く、ちょっと意外なセットリストと言える。何より1曲目が最新作からでなく、1stアルバム収録の代表的なインスト「Martialarts」というところから驚きの展開。この曲を含め1stアルバムから3曲も選曲しており、2ndアルバムからも1曲と、DC在籍以前の曲からこれだけ入るというのは意外というか、古くからのファンからすると「もういいんじゃないか・・・」とすら思ってしまう。(特に「Flight」あたりは・・・。)意外な選曲と言えばもう一つ、マーク・ボールズ在籍時の「Army Of Slaves」。この曲が収録されたアルバム「]」発売時には来日公演も実現せず、この曲がライブで演奏されたのは初めて聴いた。良い曲ではあるので、これは少し嬉しい驚きだった。最新作からは3曲入り、素晴らしいスピードチューン「May You Never(Walk Alone)」が聴けただけでも遠くから観に行った甲斐があったのだが、もう1曲あった疾走曲「A Tear In The Rain」も是非やってほしかった。前作からは2曲で、唯一と言えるスピードナンバー「One Minute Left To Live」は思っていた以上に非常にウケが良く、少し驚いた。タイトルトラックだった「A Life To Die For」がライブを締め括る曲としているのは正直微妙なところだ。個人的には1996年当時のライブビデオで感動した「Time」でのエンディングが忘れられず、あれを超える終わり方はないと未だに思っている。「Epilogue」での終わり方も良いのだが、使い古され過ぎて今後は見られないような気がする。個人的な好みとしては、初期の代表曲は1〜2曲にして、DC復帰作の「SHOW ME HOW TO LIVE」から「One More Day」「Hard Rain's Coming」「Angel's Gone」等もやってほしかった。ふと思うと「Last Goodbye」や「Time」といった3rdアルバムの代表曲が全く入らなくなってしまったんだなぁ。1st、2ndの曲を計4曲もやるならそういった曲もやってほしかった。ただ、考え方によっては女声バッキングヴォーカルがいないから出来なかったという風にも考えられる。3rdアルバムは特に女声コーラスが大活躍していた印象が強く、現在のメンバー構成では難しいのではないか。しかも2時間弱という公演時間はロイヤルハントにしては少し短い。今までならもう2〜3曲やっていたはずだ。彼らも年齢には勝てないのか。(それにしてもアンドレとDCは50歳を超えているとは見えない!ミュージシャンの見た目の若々しさは恐ろしい)・・・と、長々と希望のセットリストを語ってしまった。完璧なセットリストはないと分かっているのだが、どうしてもロイヤルハントに関しては思い入れが強過ぎて、言わずにはいられなかったので、好きなだけ書かせていただきました。
今回もライブ後にはグッズ購入者から抽選で、という形式ではあったもののサイン会、握手会があったようだ。ファンを大切にする気持ちが嬉しい。私は不参加だったのでどんな様子だったかは分からない。タオルマフラーというのか、それらしきグッズは購入したが、珍しいグッズが売っていた。見た目では何か分からなかったが、聞いたところクッションだった。4,000円。公演後はグッズ販売はしないと言っていたが、公演前には買いづらい・・・。かさばるし、高いし・・・。
来日メンバーは以下の通り。寂しい・・・。
D.C.Cooper(Vo)
Andre Andersen(Key)
Per Schelander(Ba)
Andreas Johansson(Dr)
Jonas Larsen(G)
SET LIST
※曲名の後のカッコ内の数字は収録されているのが何枚目のアルバムか
- Martialarts(1)
- River Of Pain(4)
- One Minute Left To Live(12)
- Army Of Slaves(10)
- Lies(5)
- Wasted Time(2)
- Heart On A Platter(13)
- Flight(1)
- May You Never(Walk Alone)(13)
- Until The Day(13)
- Half Past Lonliness(11)
- Message To God(4)
- Stranded(encore)(1)
- A Life To Die For(encore)(12)