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ROYAL HUNT(ロイヤル・ハント)
デンマーク出身の5人組。ジャンルはメロディアスハードロック、様式美ハードロック、またはネオクラシカルメタル。バンドの中心でありブレインなのがアンドレ・アンダーセン(Key)。悪い言い方をすれば彼のワンマンバンド。ただ絶対的な存在であるが故に、音楽性が大きくぶれることはない。あらかじめ断っておくが、私が一番好きなバンドはロイヤル・ハントであり、唯一全スタジオアルバムを聴いているので、その全てをレビューしている。個人的な嗜好、偏見が大いに入ってしまうことはご了承願いたい。結成時のメンバーはヘンリック・ブロックマン(Vo)、スティーン・モルゲンセン(B)、ケネス・オールセン(Ds)、アンダーセンという4人。パーマネントのギタリストはいなかった。彼らの経歴・音楽性魅力をを短い文章でまとめることは困難なため、アルバムごとのコメントを参考にしてほしい。2011年4月にD.C.クーパーが期間限定復帰し、ロシア、日本でライヴを行った。しかし、そのツアーが大成功に終わり、DCはそのままバンドへ正式に復帰。12月にファン待望の新作「SHOW ME HOW TO LIVE」が発売され、翌年5月には20周年記念ツアーで来日し、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
Mld ★★☆
Spd ★☆☆
Key ★★★
Cla ★★☆
Ter ★☆☆
Ori ★☆☆
Voc ★★★
作品リスト
land of broken hearts
the maxi single
clown in the mirror
far away
moving target
1996 live in japan(live vhs)
message to god
paradox
1993-1997(vhs)
paradox closing the chapter(live vhs)
fear
intervension
the mission
the watchers
eyewitness
paper blood
2006(live dvd)
collision course
X
show me how to live
a life to die for
devil's dozen
2016(live dvd)
cast in stone
dystopia
dystopia part2
関連アーティスト
evil masquerade
rainbow
silent force
yngwie malmsteen
LAND OF BROKEN HEARTS (ランド・オブ・ブロークン・ハーツ) (1st/1993)

輸入盤のときから話題になったデビューアルバム。キーボード満載でネオクラシカル度は最高。こういった音を安っぽいと感じる人もいるらしいが、それは好みの問題。個人的にはたまらなく大好きで、この音世界が私をこの世界に引きづり込んだ原因か…。ジャケットにギタリストの写真はなく、ヘンリック・ヨハンセンとヤコブ・キエールが参加している。一時的にヨハンソンが正式メンバーとなったらしいが結局は脱退した。なお、プラス・アルファ盤(THE MAXI SINGLEの2,3曲目追加)、紙ジャケ盤(オリジナルと同じ)、リマスター盤(THE MAXI SINGLEの3,4,6曲目追加)で再発されている。
1-Running Wild (イージー・ライダー)
ポップな雰囲気の1曲。アルバムの最初としては若干弱いかもしれないが、この当時の音楽性がよく出ている。キーボード満載。 Mld.Key.Cla.Bri.
2-Easy Rider (イージー・ライダー)
こちらもポップな曲。イントロのキーボードがなかなか良い。ライヴで演奏されることもなく、アルバムでも地味な印象だが、実はけっこうメロディが良い。 Mld.Key.
3-Flight (フライト)
初期の代表曲といえばこの曲。今でもライブで演奏されることもしばしば。イントロのSE、ドラムでこの曲だと一発で分かる。疾走感のあるハードロックナンバー。 Spd.Key.
4-Age Gone Wild (エイジ・ゴーン・ワイルド)
しっとりとしたバラード。ヘンリックのボーカルは抜群の歌唱力というわけではないが、声質はこういう曲にマッチしている。ギターが良い活躍をしている。泣きのギター炸裂。 Mld.
5-Martialarts (マーシャルアーツ)
あまりにも有名なインストゥルメンタル。なぜ有名かというと、新日本プロレスの蝶野正洋氏の入場テーマ曲だから。入場曲としては「Crash(クラッシュ)」というタイトルが付いているが曲自体は同じ。ここに収録のオリジナルは2分弱と短いが、入場曲としては短すぎるため途中で繰り返しているという点が一番大きな違いと思われる。初めはギターの練習用の曲として作ったというが、素人からすればギターもキーボードも十分テクニカル。オフィシャルの映像を見ると簡単そうに弾いているが。 Mld.Spd.Key.Cla.
6-One By One (ワン・バイ・ワン)
スロー〜ミドルテンポのロックナンバー。イントロのサウンドが心地良い。2曲目と同様、地味な印象は拭えないが、非常に良い曲。キーボードが随所で良い味を出している。 Mld.Key.Cla.
7-Heart Of The City (ハート・オブ・ザ・シティ)
スピード感のあるハードロックナンバー。イントロのエレキギターとキーボードからシビレる。サビでテンポダウンするからか、正直サビは地味。ソロはキーボード〜ギター〜キーボードと弾きまくり。イントロとソロの激しいバトルは必聴。 Mld.Spd.Key.
8-Land Of Broken Hearts (ランド・オブ・ブロークン・ハーツ)
戦争を題材にしたスローテンポのナンバー。オルガンをはじめとするキーボードサウンドやSE等、多くの音が重ねられており、重厚な印象。MVも制作され、当時一応正式メンバーだったヘンリック(G)の姿が見られる。 Mld.Cla.
9-Freeway Jam (フリーウェイ・ジャム)
ノリのいいグルーヴィーなインスト。それでもキーボードの音色はこのアルバムの特色ともいうべき音。 Cla.Bri.
10-Kingdom Dark (キングダム・ダーク)
キーボードが前面に出ているミドルテンポのポップなロックナンバー。リズミカルで高揚感もあり、明るい印象を受ける。個人的にかなり好きな曲。 Mld.Key.Cla.Bri.
11-Stranded (ストランデッド)
高揚感のある1曲。メロディが非常にキャッチーで、サビのコーラスも耳に残る。リズミカルでノリやすい。DCクーパー加入後のライヴでもよく歌われ、復活ライヴでも選曲されていた。DCお気に入りなのかも。 Mld.Key.Bri.
12-Day In Day Out (デイ・イン・デイ・アウト)
日本盤ボーナストラック。ってカッコ良すぎ。ボーナストラックなのにMVがある。それがまた、もう、カッコ良すぎ。全ての中で1番好きな曲でロイヤルハントにハマったきっかけ。 Mld.Spd.Key.Cla.
THE MAXI-SINGLE (ザ・マキシ・シングル) (Mini/1994)
2ndアルバムに向けての先行シングル。2,5曲目は新曲。なお、ここに収録されている曲は1stアルバムと2ndアルバムの再発盤(紙ジャケ除く)に再収録された。
1-Clown In The Mirror (クラウン・イン・ザ・ミラー)
後に2ndアルバムにも収録される、アルバムのタイトルトラック(同じヴァージョン)。しっとりとしたスローバラード曲でメロディが素晴らしい。ヘンリック・ブロックマンのボーカルが非常にマッチしている。 Mld.Key.Ter.
2-Stranded (acoustic version) (ストランデッド アコースティック・ヴァージョン)
1stアルバム収録曲のアコースティックバージョン。演奏はアコースティックギターのみ。オリジナルとは多少印象は違うものの、これはこれでなかなか良い。サビのコーラスの心地良さは変わっていない。 Mld.
3-Land Of Broken Hearts (acoustic version) (ランド・オブ・ブロークン・ハーツ アコースティック・ヴァージョン)
1stアルバム収録曲のアコースティックバージョン。演奏はピアノとヴァイオリンがメイン。オリジナルと比べて重厚さはないが、個人的にはオリジナルよりこっちの雰囲気のほうが好きかも。 Mld.Key.
4-Age Gone Wild (acoustic version) (エイジ・ゴーン・ワイルド アコースティック・ヴァージョン)
1stアルバム収録曲のアコースティックバージョン。バラード曲なのでオリジナルから印象はそれほど変わらない。泣きのギターを含めた重厚さと、アコースティックギターのしっとりとした空気と、好みは分かれそう。 Mld.
5-Kingdom Dark (acoustic version) (キングダム・ダーク アコースティック・ヴァージョン)
1stアルバム収録曲のアコースティックバージョン。ピアノの演奏が非常に良い。伴奏は基本ピアノのみだが、間奏ではフルートが活躍。これがまた良い。キーボードが主役のオリジナルもオススメだが、こっちのバージョンもかなり良い。 Mld.Key.
6-Bad Luck (バッド・ラック)
ヘヴィな印象が強いロックナンバー。一定のテンポを刻むというより、変化が多く、スローとアップテンポの部分がある。キーボードソロは聴きどころの一つ。3分少々とコンパクト。フルレンスアルバムの通常盤には未収録。 Key.
CLOWN IN THE MIRROR (クラウン・イン・ザ・ミラー) (2nd/1994)

ギタリストにヤコブ・キエールが正式加入した2ndアルバム。アメリカでレコーディングしたが、音楽性は良い意味で変わらなかった。BURRN!誌で編集長が非常に良い点を付けていた。そこまででは…という気もするが、非常に良い曲も多い。ジャケットアートワークはちょっと面白い。アルバムタイトルトラックの歌詞の内容に合わせている(clown=ピエロ)。なお、プラス・アルファ盤(THE MAXI SINGLEの4〜6曲目追加)、紙ジャケ盤(オリジナルと同じ)、リマスター盤(THE MAXI SINGLEの2,5曲目追加)で再発されている。
1-Intro - Wasted Time (イントロダクション ウェイステッド・タイム)
キラキラのキーボードが印象的なイントロから始まるアップテンポのロックナンバー。フックのあるメロディで人気度も高い。このアルバムのリーダートラックで、ライヴで演奏されることも多い。 Mld.Spd.Key.Cla.
2-Ten To Life (テン・トゥ・ライフ)
ウェスタンな雰囲気も感じるスローテンポの曲。アコースティックギターが特徴。オルガンやシンセサイザー等、様々なサウンドが聴けてユニークな曲。 Key.
3-On The Run (オン・ザ・ラン)
スピード感のある爽快なハードロックチューン。サビへと盛り上がっていく流れが期待を高める。サビのコーラスもカッコ良い。キラキラのキーボードも◎。キーボード弾きまくりのソロも必聴。エンディングへの流れも良い。 Spd.Key.
4-Clown In The Mirror (クラウン・イン・ザ・ミラー)
先行発売のTHE MAXI-SINGLEにも収録された(同じヴァージョン)、アルバムタイトルトラック。しっとりとしたスローバラード曲でメロディが素晴らしい。ヘンリック・ブロックマンのボーカルが非常にマッチしている。 Mld.Key.Ter.
5-Third Stage (サード・ステージ)
ミドルテンポのインストゥルメンタル。個人的にはあまり印象深い曲ではなかったが、意外とアンドレは気に入っているのか、ライブで選曲されることが多い。 Key.Cla.
6-Body Guard (ボディガード)
ポップでノリの良いミドルテンポの曲。ロイヤルハントとしては異色とも言える1曲。 Key.
7-Legion Of The Damned (リージョン・オブ・ザ・ダムド)
イントロのアコースティックギターが印象的な1曲。ヤコブの泣きのギターも聴きどころ。ライブではアコースティックバージョンで歌われる。 Mld.Key.Cla.
8-Here Today, Gone Tomorrow (ヒア・トゥデイ・ゴーン・トゥモロウ)
ミドル〜ハイテンポと変化のあるハードロックナンバー。サビのコーラスが耳に残るが、「ヘイ!ホー!ヘイ!ホー!」がやたらと印象に残る。エンディングの「イェー・・・」はちょっと面白い。 Spd.
9-Bad Blood (バッド・ブラッド)
怪しげなメロディのスロー〜ミドルテンポのロックナンバー。サビのコーラスはなかなか良いが、正直地味な1曲。
10-Epilogue (エピローグ)
初期の名曲。ライブのエンディングとして定番のアップテンポのロックナンバー。エンディングへと繋がるピアノは涙もの。泣きのギターも欠かせない聴きどころ。 Mld.Spd.Key.Cla.
FAR AWAY (ファーラウェイ) (Mini/1994)
精神的な疲れやプレッシャーからボーカリストのヘンリック・ブロックマンが脱退し、新ボーカリストにD.C.クーパーを迎えたミニアルバム。端正なマスクで憂いのある歌声でも人気のあったフロントマンが辞めてしまったことは、バンドにとって大きな痛手ではあったが、後任のDCはその後バンド歴代最高のボーカリストとなる。このミニアルバムは3rdアルバムの先行シングルにあたる。新曲に加え、DCを加えてからの日本公演のライブ音源も収録されている。なお、ここに収録された曲は3rdアルバムのプラス・ファーラウェイ盤で全曲、3rdアルバムのリマスター盤で2〜4曲目、4thアルバムのリマスター盤で5,6曲目が再収録された。
1-Far Away (ファーラウェイ)
3ndアルバム収録曲。阪神大震災の被災者に向けて作られた非常に感動的なスローバラード。 Mld.Ter.
2-Double Conversion (ダブル・コンヴァージョン)
フルレンスアルバム未収録でここでしか聴けないインスト。ミドルテンポでキーボードの音色が荘厳なムードを出している。 Mld.Key.
3-Intro - Wasted Time (live version) (イントロダクション ウェイステッド・タイム ライヴ・ヴァージョン)
2ndアルバム収録曲のライブバージョン。どういうライヴだったかは定かではないが、ロイヤルハントを紹介する声が聞こえる。なかなか珍しい。期待高まるイントロから大きな歓声が聞こえる。オリジナルはヘンリック・ブロックマンが歌っているが、DCバージョンも違和感なく聴ける。 Mld.Spd.Key.Cla.
4-Flight (live version) (フライト ライヴ・ヴァージョン)
1stアルバム収録曲のライブバージョン。初期の名曲。ドラムのリフともいうべき、あのリズムがしばらく続いてからの流れは何度聴いてもカッコ良い。DCが若干歌いづらそうな音程があるのか声が聴こえない部分がある。曲が終わってからDCのMCが入り、次の曲へと繋がる。 Spd.Key.
5-Stranded (live version) (ストランデッド ライヴ・ヴァージョン)
1stアルバム収録曲のライブバージョン。DCのお気に入りなのか、DC復帰後のライヴでも選曲されている。 Mld.Key.Bri.
6-Epilogue (live version) (エピローグ ライヴ・ヴァージョン)
2ndアルバム収録曲のライブバージョン。こちらも初期の名曲で、どのヴォーカリストのときでもライヴでは定番で、最後に演奏されることが多い。 Mld.Spd.Key.Cla.
MOVING TARGET (ムーヴィング・ターゲット) (3rd/1995)

ヘンリック・ブロックマンが脱退し、D.C.クーパー加入後初のフルレンスアルバム。前任のヘンリックはルックスも良かったし、非常に良いボーカリストだった。ボーカリスト交代は大きなマイナスになるかと思われたが、DCはあまりにも凄かった。抜群の歌唱力はもちろん、優れたライブパフォーマンス能力も相まってバンドを一気に人気バンドへ押し上げた。ビッグインジャパンと皮肉られようが関係ない。日本人は非常に優れた聴く耳を持っている。そもそも日本で成功するというのは簡単なことではない。彼らの明るい未来は明らかにこのアルバムから拓かれた。なお、プラス・ファーラウェイ盤(FARAWAYの全曲追加)、紙ジャケ盤(オリジナルと同じ)、リマスター盤(FARAWAYの2〜4曲目とMESSAGE TO GODの3曲目追加)で再発されている。
1-Last Goodbye (ラスト・グッバイ)
この曲を最高傑作と評価する人も多い。スピード感もあり、コーラスも美麗。バイオリンも良い。ドラックに溺れる者を歌った歌詞に合わせたMVも制作された。 Mld.Spd.Key.Cla.
2-1348
黒死病を題材にした曲。女声コーラスから入るイントロから聴き入ってしまう、落ち着いた雰囲気の。秀曲。個人的にもかなりお気に入りの1曲。余談だが、後に発売されるDVDのタイトル「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」はこの曲のイントロの歌詞にある。 Mld.
3-Makin' A Mess (メイキン・ア・メス)
スピード感のある曲。キーボードの活躍度も相変わらず高い。荘厳なムードもあって、これもお気に入りの曲。。 Mld.Spd.Key.Cla.
4-Far Away (ファーラウェイ)
阪神大震災のときに贈られた1曲。涙もののバラード。 Mld.Ter.
5-Step By Step (ステップ・バイ・ステップ)
ヘヴィなイントロから入るミドルテンポの曲。サビのコーラスはこのアルバムの特徴といって良い。 Key.
6-Autograph (オウトグラフ)
ロイヤル・ハントらしいクラシカルでテクニカルなインスト。 Mld.Key.Cla.
7-Stay Down (ステイ・ダウン)
ヤコブの泣きのギターが印象的。オフショット映像を組み合わせたMVも制作されたが、このときの夕焼けが非常にマッチしていてカッコ良い。 Mld.
8-Give It Out (ギヴ・イット・アップ)
壮大なムードのイントロから始まるミドルテンポの曲。やはりDCは上手い。サビのコーラスも健在。 Key.Cla.
9-Time (タイム)
このアルバム発売後のツアーではこの曲がライブの最後を飾った。ライブでは一人ずつ順番に演奏を終えていく、という流れが素晴らしい。非常に静かなイントロから打って変わって、スピード感のある曲。個人的に大好きな曲。バンドの歴代の曲のなかでも5本の指に入るほど。 Mld.Spd.Key.Cla.
1996 Live in Japan(ライブ・イン・ジャパン)(1st VHS/1996)

1996年5月、東京で行われたライブを収録。3rdアルバム発売後に行われたジャパンツアー。D.C.クーパーの優れたライブパフォーマンスが何よりの見どころ。この笑顔でのライブパフォーマンスというのもDCの人気を決定付けた。Timeで終わる流れは最高に素晴らしい。また、ハードロックのライブとしては異質の女性バッキングコーラスも欠かせない。これこそがロイヤルハントの価値を高め、華やかさとともにバリエーションも豊かにしている。ライブ本編以外では、Last GoodbyeやStay DownのMVや、フルレンスアルバム未収録のTriumphのMVも収録されている。また、この曲は当時新日本プロレスの武藤敬司の入場曲として提供されたため、若き日(!)の武藤敬司のコメントと蝶野正洋のコメントも収録されている。ツアーのオフショットも入っており充実過ぎる内容。このVHSは廃盤となっているが、2012年に「PARADOX CLOSING THE CHAPTER」のVHSの内容を含んだ「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」というタイトルでDVD化された。しかし、映像デジタルリマスターされたものではなく、VHSの中身のままのようだ。あくまでVHSが廃盤になったために媒体を変えて再発されたという扱いだ。それでも再発売されたこと自体が嬉しい。
1.Flight
2.1348
3.Wasted Time
4.Stay Down
5.On The Run
6.Stranded
7.keyboard solo
8.Martialarts
9.Far Away
10.Last Goodbye
11.Land Of Broken Hearts
12.Makin' A Mess
13.Clown In The Mirror
14.guiter solo
15.Step By Step
16.drum and bass solo
17.Running Wild
18.Epilogue
19.Age Gone Wild
20.Ten To Life
21.Legion Of The Damned
22.Kingdom Dark
23.Time
MESSAGE TO GOD (メッセージ・トゥ・ゴッド) (Maxi Single/1997)

4thアルバムの先行シングルにあたる。1,2曲目が新曲。2曲目はここでしか聴けない。3曲目のヴァージョンは4thアルバムのリマスター盤に再収録された。
1-Message To God (radio edit) (メッセージ・トゥ・ゴッド ラジオ・エディット)
4thアルバム収録曲のシングルヴァージョン(ラジオエディット)。アルバムヴァージョンよりもイントロが短くなっている。この曲はMVが制作されており、こちらのヴァージョンが使用されている。 Mld.Spd.Key.Cla.Drk.
2-The Final Lullaby (ザ・ファイナル・ララバイ)
フルレンスアルバム未収録曲で、ここでしか聴けない。D.C.クーパー時代が好きなファンは聴いておくべきバラード。寂しげなアコースティックギターが印象的で雰囲気は暗い。 Mld.Key.drk.
3-Far Away (acoustic version) (ファーラウェイ アコースティック・ヴァージョン)
3rdアルバム収録のアコースティックバージョン。 Mld.Ter.
PARADOX (パラドックス) (4th/1997)

おそらく多くのファン(よりもライター?)が最高傑作にあげるであろうコンセプトアルバム。何度も聴くと分かってくるが、なんでこんな曲を書けるんだと、毎回驚かされる。アンドレの才能が爆発した一作。DCの歌唱力・表現力もあって完璧な作品となった。 BURRN!のレビューでとんでもない得点が付いたのも納得。彼らに速い曲を求める人は物足りないかもしれない。また、ドラマーのケネス・オールセンが耳に問題を抱え脱退している。なお、紙ジャケ盤(オリジナルと同じ)、リマスター盤(FARAWAYの5,6曲目と96年のライヴ盤で初収録されたRestlessが追加)で再発された。
1-The Awakening (ジ・アウェイクニング)
期待が高まるイントロ。シリアスな雰囲気を出している。曲は5曲目(Long Way Home)の一部を使っている。 Mld.Cla.
2-River Of Pain (リヴァー・オブ・ペイン)
ミドルテンポのダークな雰囲気の漂う1曲。キーボードソロではアンドレが弾きまくっている。 Key.Cla.drk.
3-Tearing Down The World (ティアリング・ダウン・ザ・ワールド)
アップテンポでキーボードの重要度が高い曲。 期待高まるイントロから耳を引く。サビのコーラスも良い。 Mld.Key.Cla.
4-Message To God (メッセージ・トゥ・ゴッド)
ミドルテンポのナンバーで、ベースのリフが印象的。ラジオエディットではそのベースリフから始まる。このフルバージョンではピアノから入るイントロ部分が大きく異なる。ラジオエディットとして短めに編集されたバージョンでシングルカットされ、MVも制作された。これが非常にカッコ良い。アルバムの1曲としては印象が弱かったのだが、MVを見て印象が変わるほど良い出来。 Mld.Key.Cla.
5-Long Way Home (ロング・ウェイ・ホーム)
前の曲から風の効果音で繋がっている。しっとりと歌い上げる。DCの歌が堪能できる。泣きのギターも炸裂。 Mld.Cla.
6-Time Will Tell (タイム・ウィル・テル)
こちらは前の曲から風と雨の音で繋がっている。期待の高まるイントロから途中変化して、テンポも変わる。9分半という長さを感じないほど、中身の濃い1曲。緊張感漂う。なんでこんな展開の曲が書けるんだと、ただただ感服するばかり。 Mld.Key.Cla.Ori.
7-Silent Scream (サイレント・スクリーム)
アップテンポでメロディアスな曲。イントロのキーボードがカッコ良い。次の曲につながる終わり方も良い。 Mld.Key.Cla.
8-It's Over (イッツ・オーヴァー)
コンセプトアルバムの最後にふさわしい1曲。緊張感漂う展開のなかで、タイトル通り全て終わったという、爽快感というか充足感がある。泣きのギターも聴きどころ。 Mld.Key.Cla.
1993-1997(2nd VHS/1997)

MV、ライブとインタビューを収録した日本独占発売の企画ビデオ。クリップは8曲だが、ライブの映像などを繋ぎ合わせたものを除くと、純粋なクリップは4曲。中でもDay In Day OutとMessage To Godはここでしか見られず、出来も素晴らしい。ファンは必見。ライブは95年のアコースティックセットと、97年の赤坂ブリッツのライブから2曲ずつ収録。当時プロレス界を席巻していた「nWo」と共演している姿は今となっては懐かしくもあり、貴重な映像なのでは。他の2本のVHSはDVDで再発売されたが、このビデオは廃盤となっており、DVD化もされていない。(私と同じ)熱心なファンは何とかVHSでコレクションするしかない。
1.Land Of Broken Hearts(video clip)
2.Day In Day Out(video clip)
3.Clown In The Mirror(acoustic set)
4.Far Away(acoustic set)
5.Last Goodbye(video clip)
6.Stay Down(video clip)
7.River Of Pain(video clip)
8.Tearing Down The World(video clip)
9.Martialarts(video clip)
10.Third Stage(live)
11.Wasted Time(live)
12.interview
13.Message To God(video clip)
PARADOX CLOSING THE CHAPTER (パラドックス・クロージング・ザ・チャプター)(3rd VHS/1998)

97年10月東京で行われたライブを収録。最高傑作と名高いコンセプトアルバム「PARADOX」の完全再現となった。実際のライブではこれが第1部で、第2部ではそれ以前のアルバムから数曲演奏したが、それは未収録。ほとんど完璧にアルバムを再現した模様はファン必見。多少アルバムよりテンポが遅いと感じる曲もあるが、批判にあたるようなものではない。特典映像としてオフショット映像も収録。ライブアルバムと同時発売で、ビデオとセットでも限定発売された。こちらもVHSは廃盤だが、先述した通り「1996 Live in Japan」のVHS映像を含んだ形でDVD化されている。画質はVHSと変わらないため、あくまでも廃盤の映像をDVD化しただけと考えよう。
1.The Awakening
2.River Of Pain
3.Tearing Down The World
4.Message To God
5.Long Way Home
6.Time Will Tell
7.Silent Scream
8.It's Over
FEAR (フィア) (5th/1998)

前任のD.C.クーパーが脱退し、新ボーカリストとしてARTENSIONで活躍していたジョン・ウェストが加入。コンセプトアルバムではないが、全体を通して暗いムードが漂う作品。長い曲が多いこともあり、何かと批判の的となる作品だが、良い曲も多い。ただ、やはりD.C.クーパーが脱退したことは大きなダメージで、人気もここから明らかに下降線をたどる。ドラマーには、前作にも参加していたアラン・ソーレンセンが正式加入した。なお、脱退したDCはその後SILENT FORCEを結成している。また、リマスター盤ではINTERVENSIONの1,5曲目が追加収録された。
1-Fear (フィア)
アルバムのイントロダクションという意味合いが強い曲。スローテンポで暗い雰囲気が漂う。9分はちょっと長いかな、と思ったら意外とそこまでの長さは感じない。 Mld.Key.drk.
2-Faces Of War (フェイシズ・オブ・ウォー)
ミドル〜アップテンポの曲。おそらくアルバムのリーダートラックか。 Key.Cla.
3-Cold City Lights (コールド・シティ・ライツ)
イントロからキーボード全開のミドルテンポの曲。今でもライブでよく演奏される。タイトルにあるように冷たい音世界が良い。 Mld.Key.
4-Lies (ライズ)
イントロのギターリフが耳に残るアップテンポな曲。それでもキーボードの存在感も大きい。ライブでもよく演奏される人気曲。アルバムの代表曲と言って良い存在。ただ、9分はちょっと長いかも・・・。 Mld.Spd.Key.
5-Follow Me (フォロー・ミー)
ジョン・ウェストの歌を堪能できるバラード曲。 Mld.Key.Ter.
6-Voices (ヴォイシズ)
壮大なイントロが印象的。非常に良い曲で、スピード感もあり、キーボードも良い味を出している。個人的にかなりお勧め。 Mld.Spd.Key.Cla.
7-Sea Of Time (シー・オブ・タイム)
スロー〜ミドルテンポの曲。ギターの存在感が高まってきたとはいえ、間奏の部分ではキーボードは相変わらず存在感が大きい。 Mld.Key.
INTERVENTION (インターヴェンション) (Mini/2000)

次のフルレンスアルバムに向けてリリースされたミニアルバムであり、この後発売される2作と合わせて3部作と捉えられる。発売当時は次作へ期待を高める先行シングルという扱いで価値があったのだが、今となってはコレクター向けの作品。ここでしか聴けないのは4〜5曲目(1曲目はフルヴァージョンを後に発売されるアルバムで聴ける)で、そのためだけに買うまでもないかな。
1-Intervention (Part 1) (インターヴェンション パート1)
ギターリフがキャッチーで耳に残る。フェードアウトする終わり方が続きを予感させる。この曲のフルバージョンは次のフルレンスではなく、3部作の完結盤「The Watchers」で聴ける。パート1とあるが、パート2があるわけではなく、フルヴァージョンの前半部分。エディット、もしくはハーフヴァージョンとでも言えば分かりやすい。 Mld.Key. /p>
2-Lies (live version) (ライズ ライヴ)
5thアルバム収録曲のライブバージョン。 Mld.Spd.Key.
3-Flight (live version) (フライト ライヴ)
1stアルバム収録曲のジョン・ウェストのライブバージョン。 Mld.Key.
4-Follow Me (acoustic version) (フォロー・ミー アコースティックヴァージョン)
5thアルバム収録曲のアコースティックバージョン。バラード曲なのでアコースティックでも相応しいはずだが、この曲はオリジナルのほうが良いかも。 Mld.Ter.
5-U-Turn (ユー・ターン)
フルレンスアルバム未収録。ピアノのイントロから入るスローテンポの曲。ちょっと地味か・・・。この曲を聴くために買うというほどのものではないかと。
THE MISSION (ザ・ミッション) (6th/2001)

レイ・ブラッドベリーの「The Martian Chronicles」という小説を題材とした作品。コンセプトアルバムと言っても間違いではない。4thアルバム「PARADOX」と同じように、全ての曲は繋がっており、奇数番の曲はほとんどインスト。前後の曲との繋ぎの意味合いが大きい。ジョン・ウェスト加入後2作目だが、作曲の面ではこのアルバムこそ1作目と言ってもいい。なぜなら、前作の曲が作られた段階では前任のDCが歌うことが前提とされていたためだ。今作を聴くと、ジョン・ウェストにマッチした曲が多いことがわかる。因みにドラマーのアラン・ソーレンセンが脱退している。
1-Take Off (テーク・オフ)
2曲目につながるイントロダクション。ヘヴィメタルではよくあるパターン。
2-The Mission (ザ・ミッション)
アルバムのタイトルトラック。それにしてはちょっと地味かも・・・。この曲を含めて全体のイントロダクションと捉えると丁度いいかも。ライブで演奏されることが多い。 Mld.
3-Exit Gravity (エグジット・フラヴィティー)
次の曲へと繋がる。期待が高まる。 Key.
4-Surrender (サレンダー)
スピード感も感じられる1曲。こちらのほうがキャッチーでメインとすべき曲に感じる。ジョン・ウェストが曲作りに参加。 Spd.Key.
5-Clean Sweep (クリーン・スウィープ)
前の曲から繋がるヘヴィなギターリフで入る曲だが、後半は透明感が感じられるキーボードの音色が良い。 繋ぎの意味合いが強いが、歌入り。 Mld.Key.
6-Judgement Day (ジャッジメント・デイ)
ミドルテンポのヘヴィな曲。流れの中ではこういう曲もあるべきだとは思うが、若干地味な印象も・・・。メロディもちょっと弱いかも。
7-Metamorphosis (メタモルフォシス)
ピアノの独奏。非常に綺麗な曲。そこから次の曲に繋がる流れは最高。 Mld.Key.
8-World Wide War (ワールド・ワイド・ウォー)
4曲目と並び、このアルバムのメイン曲といってもいい疾走感のある1曲。イントロの後ろで聞こえる声もクール。よく聴いてないと聞こえない。4曲目と同じくジョン・ウェストが曲作りに参加。 Spd.Key.
9-Dreamline (ドリーム・ライン)
独特の雰囲気を持つギターインスト。次の曲のイントロも兼ねている。ギタリストのヤコブ・キエールが曲作りに参加。 Mld.Key.
10-Out Of Reach (アウト・オブ・リーチ)
スロー〜ミドルテンポの曲。
11-Fourth Dimension (フォース・ディメンション)
1stアルバムのMartialartsのようなスピード感のあるインスト。流石アンドレ。 Mld.Spd.Key.
12-Days Of No Trust (デイズ・オブ・ノー・トラスト)
この曲こそまさにジョン・ウエストのために作られた曲。しっとりとしたイントロから、あまりにも期待通りの歌声は鳥肌物。次の曲につながる終わり方も盛り上がって良い。 Mld.Key.Ter.
13-Total Recall (トータル・リコール)
アルバムの最後を飾るのはスピード感のあるこの曲。あれ?このギターリフはどこかで…実は先行ミニアルバムのInterventionのリフ。ここでリンクさせている。 Spd.Key.
THE WATCHERS (ザ・ウォッチャーズ) (Compilation/2001)

位置づけが難しいが、ミニアルバム「INTERVENTION」から続く3部作の最後の作品。曲数が多いのでミニアルバムというよりコンピレーションアルバムが正しいか。既発曲のライブバージョンやニューバージョンがほとんど。
1-Intervention (full version) (インターヴェンション フルヴァージョン)
ミニアルバムに収録されていたパート1は最後フェードアウトしたが、その続きを含めたフルバージョン。14分という長尺の曲。 Mld.Key.
2-Lies (live version) (ライズ ライヴ)
5thアルバム収録曲のライブバージョン。ミニアルバムに収録されていたものと全く同じ。 Mld.Spd.Key.
3-Flight (live version) (フライト ライヴ)
1stアルバム収録のライブバージョン。同上。 Spd.Key.
4-Message To God (live version) (メッセージ・トゥ・ゴッド ライヴ)
4thアルバム収録曲のジョン・ウェストが歌うライブバージョン。 Mld.Cla.
5-Epilogue (live version) (エピローグ ライヴ)
2ndアルバム収録曲のジョン・ウェストが歌うライブバージョン。 Mld.Spd.Key.Cla.
6-One By One (new version) (ワン・バイ・ワン ニューヴァージョン)
1stアルバム収録曲のニューバージョン。意外な選曲で驚いた1曲。改めて聴くとこんなに良い曲だったかと思う。ギターがより前面に出ている点が一番のポイントか。 Mld.Key.Cla.
7-Clown In The Mirror (new version) (クラウン・イン・ザ・ミラー ニューヴァージョン)
2ndアルバム収録曲のニューバージョン。だが、オリジナルと大きな違いはない。ジョンが歌うという点が新しい。この曲はオリジナルのヘンリック・ブロックマンが歌ったバージョンが1番良い。 Mld.Ter.
8-Day In Day Out (new version) (デイ・イン・デイ・アウト ニューヴァージョン)
1stアルバム収録曲のニューバージョン。ボーナストラックであった曲がこのような形で改めて収録されるのは嬉しい驚き。個人的に大好きな曲でもあるので、あらためてスポットが当たったようで嬉しい。ただ、オリジナルのほうが断然良い。こじんまりとまとまり過ぎていて、テンポも若干遅い気がする。 Mld.Spd.Key.Cla.
9-Legion Of The Damned (new version) (リージョン・オブ・ザ・ダムド ニューヴァージョン)
2ndアルバム収録曲のニューバージョン。こちらも大きな変化はないが、ソロが少し変わったのを含めエレキギターの存在感が大きくなったか。 Mld.Key.Cla.
10-Intervention (radio edit) (インターヴェンション ラジオエディット)
1曲目のラジオエディット。短めにまとめられている。パート1のように途中で終わるわけではなく、編集されてまとめられたもの。 Key.
EYEWITNESS (アイウィットネス) (7th/2003)

アンドレ・アンダーセン本人も言っていたが、同一のボーカリストで初の3枚目のフルレンスアルバム。今までは2枚ずつでボーカルは交代していた。コンセプトアルバムのような形式の作品が続いていたが、久々に1曲ずつ独立したオーソドックスな構成。発売前にアンドレは「今までとは違う作品になる」と語っていたため、どういったものになるのか不安にかられたが、良い意味でそこまで大きな変化はなかった。ただ全体を通して曲が弱いのは事実でパンチに欠ける。
1-Hunted (ハンテッド)
リーダートラックとしても相応しい、疾走感のある曲。1曲目にこういった曲をもってくるのは久々。この曲に象徴されるように、この頃は特にギターの重要度が増していた。 Spd.Key.
2-Can't Let Go (キャント・レット・ゴー)
ヘヴィなスローテンポの曲。ライブでもよく演奏されるが若干地味・・・。
3-The Prayer (ザ・プレーヤー)
「今までとは違う」タイプの曲。オルガンがバックで流れコーラスも綺麗。讃美歌(?)のような雰囲気。 Key.Cla.
4-Edge Of The World (エッジ・オブ・ザ・ワールド)
とにかくヘヴィなギターのロックチューン。これは少し悪い意味で彼ららしくない「新しい」曲。
5-Burning The Sun (バーニング・ザ・サン)
スピード感があり、リーダートラックと言ってもいい曲。期待感高まるイントロが良い。 Spd.Key.
6-Wicked Lounge (ウィックド・ラウンジ)
ジャズっぽい雰囲気。「新しいタイプ」の曲。
7-5th Element (フィフス・エレメント)
Martialartsタイプのキーボード満載のインスト。このタイプの曲が1曲入ると安心する。 Spd.Key.
8-Help Us God (ヘルプ・アス・ゴッド)
スローテンポの1曲。 Key.
9-Game Of Fear (ゲーム・オブ・フィアー)
ヘヴィなリフが印象的なアップテンポの曲。 Spd.Key.
10-Eye Witness (アイ・ウィットネス)
静かに始まるが後半は転調しアップテンポの部分もあるアルバムタイトルトラック。ただし「アイ」の後にスペースが入るという微妙な違いがある。これは狙いか?
11-Day Is Dawning (デイ・イズ・ドウニング)
日本盤ボーナストラック。スローテンポでジョン・ウェストがしっとりと歌い上げる。 Mld.
PAPER BLOOD (ペイパー・ブラッド) (8th/2005)

結成当初からのメンバーであったスティーン・モルゲンセン(B)とヤコブ・キエール(G)が揃って脱退し、さらには、ボーカリストのジョン・ウェストが喉の手術を受けるなど、バンド存続が危ぶまれた。なにより、ボーカリストとドラマーは何度もメンバー交代があるなかで、共にバンドを作ってきたスティーンとヤコブが抜けたことでバンドがなくなる可能性もあった。しかし、(傍目から見る限り)意外にもあっさりと新メンバーを見つけ、活動を再開した。もちろんボーカリストは代わらず、新ギタリストにマーカス・イデルを加え、さらにファンにとって嬉しいことに結成時のドラマーだったケネス・オールセンが復帰し(ただし、アルバム制作には関わっていない)このアルバムを完成させた。個人的な評価になってしまうが、このアルバムは隠れた名作だ。正直この前の3作ほどは、そこまで傑作というほどではなかったかもしれない。しかし、このアルバムは自信をもって勧められる。聴きやすく、ロイヤルハントらしい疾走曲も多い。バラードもあり、超絶技巧のインストもある。キーボードの存在感が非常に大きいのも彼らしくて良い。「ジョンのような素晴らしいボーカリストがいるのに3曲もインストなんて…」という評価を下す人もいるが、ロイヤルハントはこれで良いと思う。「復活」というと大袈裟だが、久々の会心の出来だ。
1-Break Your Chains (ブレイク・ユア・チェインズ)
1曲目に相応しいスピード感のある曲。キーボード弾きまくりも良い。 Mld.Spd.Key.
2-Not My Kind (ノット・マイ・カインド)
ヘヴィなミドル〜アップテンポの1曲。クッション的な曲と捉えてもいい。それでもキーボードの存在感が大きい。 Key.
3-Memory Lane (メモリー・レーン)
全体的にはスローテンポだが、アップテンポの部分もあるインスト。 Key.
4-Never Give Up (ネヴァー・ギヴ・アップ)
ライブでは定番となった疾走曲。非常にライブ映えする曲。大音量で聴くとよりカッコ良く聴こえるタイプか。 Spd.Key.
5-Seven Days (セヴン・デイズ)
スロー〜ミドルテンポの曲。正直地味な印象。アルバム全体の流れを作る意味では必要な1曲か。 Key.
6-SK 983
テクニカルなインスト。Martialartsを彷彿とさせる。タイトルは飛行機の便名だったか。 Mld.Spd.Key.
7-Kiss Of Faith (キッス・オブ・フェイス)
アコースティックギターのメロディで静かに始まるスロー〜ミドルテンポのナンバー。曲は悪くない。 Mld.Key.
8-Paper Blood (ペイパー・ブラッド)
アルバムタイトルトラック。ヘヴィなイントロで、スピード感もある。キーボードの活躍度も高い。 Spd.Key.
9-Season's Change (シーズンズ・チェンジ)
しっとりとしたスローバラード。曲が良い。 Mld..
10-Twice Around The World (トゥワイス・アラウンド・ザ・ワールド)
長めのインストゥルメンタル。ミドルテンポ。 Key.
11-Long Way Home (acoustic version) (ロング・ウェイ・ホーム アコースティックバージョン)
日本盤ボーナストラック。4thアルバム収録曲をジョン・ウェストが歌うアコースティックバージョン。日本語で歌っている部分があり、ファンとしては嬉しいが、残念ながら聞き取れない部分が多い。 Mld.Cla.
2006(1st DVD/2006)

タイトルは「2006」だが2005年11月、ロシアのサンクト・ペテルブルクで行われたライブを収録。DVDとしては初めてであり、ジョン・ウェスト加入後としても初。8thアルバム発売後加入した新ベーシストのペア・シェランダーの姿も見ることができる(結構イケメン)。復帰したケネス・オールセンの姿もあるが、ちょっとお腹が気になる…。バッキングコーラスのマリアも健在。バンド初期の曲からも選曲されたセットリストは新鮮。特典としてインタビューやバックステージ映像も収録されている。
1.Paper Blood
2.Time
3.The Mission
4.Never Give Up
5.Can't Let Go
6.Last Goodbye
7.Follow Me
8.Cold City Lights
9.Martialarts
10.Surrender
11.Running Wild
12.Far Away
13.Lies
14.Wasted Time
15.Message To God
16.SK 983
17.Epilogue
COLLISION COURSE (コリジョン・コース〜パラドックスU) (9th/2008)

最高傑作と名高い「PARADOX」の続編ともいうべき作品。ただアルバムタイトルにその名は入れず、ジャケット画像に「PARADOXU」とあるだけ(アートワークもカッコ良い)。アンドレのこだわりか。また、長年バンドを支えたと言っても過言ではない、3代目ボーカリストのジョン・ウェストが脱退し、新たにマーク・ボールズが迎えられた。マーク・ボールズといえば、イングヴェイのバンドにいたことでも知られ、RING OF FIREでも活躍していた実力派ハイトーンシンガー。この作品を作るにあたり、D.C.クーパー復帰の噂もあったが、破談したらしい。それでも、彼の力をもってすればこの作品でも全く問題なし。それどころか、期待を裏切らない素晴らしい出来となった。「PARADOX」と同様にコンセプト作らしくほぼ全曲が繋がっており、全編を通して緊張感のある荘厳な雰囲気が漂っている。発売後には久々の来日公演も実現した(私も行きました!ライヴレポートは準備中)。また、ドラマーは以前も在籍していたアラン・ソーレンセンに交代した。
1-Principles Of Paradox (プリンシパルズ・オブ・パラドックス)
まさに続編というのを感じる1曲目。雨のSEからLong Way Homeのメロディへと繋がる流れは「PARADOX」と同じ。期待が高まる。プロローグの曲としては長め。 Mld.Key.Cla.
2-The First Rock (ザ・ファースト・ロック)
非常にキャッチーで耳に残るメロディラインで、心地よい疾走感のある曲。歌メロが本当に良い。キーボード弾きまくりもファンには堪らない。高揚感もある。 Mld.Spd.Key.
3-Exit Wound (イグジット・ウーンド)
キーボードが荘厳なムードを作っているミドルテンポの曲。速い曲の後には必ずと言っていいほどこのタイプの曲がある。流れを大切にしているからか。 Key.Cla.
4-Divide And Reign (ディヴァイド・アンド・レイン)
女声コーラスをバックに男らしい掛け声の入るイントロから良い。サビなど随所にバスドラムの響くメタルナンバー。 Mld.Spd.Key.
5-High Noon At The Battlefield (ハイ・ヌーン・アット・ザ・バトルフィールド)
アルバムの中盤で一息つく穏やかな雰囲気がある曲。また、曲調が変化する所から多数のゲストの歌声を楽しめる。初代ボーカリストのヘンリック・ブロックマンや、RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOWやCORNER STONE(元ロイヤルハントのスティーン・モルゲンセンのバンド)やイングヴェイのバンドなどで知られるドゥギー・ホワイトや、イアン・パリーなど。次の曲につながる流れも良い。 Mld.
6-The Clan (ザ・クラン)
前の曲の終わりから繋がるピアノからストリングスのメロディが期待を高める。歌メロが素晴らしく、耳に残るアップテンポのナンバー。ギター・キーボードソロも◎。個人的に大のお気に入り。 Mld.Spd.Key.
7-Blood In Blood Out (ブラッド・イン・ブラッド・アウト)
神秘的なイントロから入る、ミドルテンポのヘヴィな曲 Key.
8-Tears Of The Sun (ティアーズ・オブ・ザ・サン)
美しい女声ボーカルから始まる。歌っているのはプロデューサーの娘のミシェル・ライツィン。コネだけではなく実力十分。この後、ツアーにも帯同し、バッキングコーラスとして活躍している。ルックスも◎。心地良いアップテンポで、曲はもちろん、サビもキャッチーな歌メロで耳に残る。 Mld.Key.
9-Hostile Breed (ホスタイル・ブリード)
怪しげなムードの1曲。変化が多くて忙しい。聴いているほうは飽きなくて良い。女声コーラスと男声の掛け声が良い。 Key.
10-Chaos A.C. (ケイオス A.C)
アルバムの最後を飾る曲。ヘヴィなリフから始まる。「PARADOX」のRiver Of Painのメロディも流れる。フィナーレはLong Way Homeのフレーズで終わる。5曲目と同様、多数のゲストボーカルが参加。 Mld.Key.
] (10th/2010)

タイトルはエックスではなくテン。通算10枚目のフルレンスアルバム。コンセプトアルバムというほどではないが、全体を通して一貫した雰囲気が漂う。最初聴いたときは若干地味な印象だが、聴けば聴くほどロイヤルハントらしい作品だと気付く。ジャケットのアートワークがカッコ良すぎ。また、ベーシストが交代し新たにアンドレアス・パスマークが加入した。
1-Episode ](Arrival) (エピソード] アライヴァル)
アルバム全体のイントロダクション。次の曲にもつながる。綺麗なピアノが印象的。 Mld.Key.
2-End Of The Line (エンド・オブ・ザ・ライン)
ヘヴィなギターリフのイントロから入るというのは最近非常に多いパターン。アップテンポでサビのコーラスも良い。 Mld.Key.
3-King For A Day (キング・フォー・ア・デイ)
キーボードから入るスローテンポの曲。ヘヴィな部分もあるが、キーボードが良いアクセントとなっている。秀曲。 Mld.Key.
4-The Well (ザ・ウェル)
イントロからキーボードの音色が荘厳な雰囲気を醸し出している。基本はアップテンポだが、変化の多い曲。前作から続いているが、サビのメロディラインが素晴らしい。ソロはアンドレが弾きまくっていたりと、キーボードの存在感が大きい。 Mld.Spd.Key.Cla.
5-Army Of Slaves (アーミー・オブ・スレイヴス)
アルバムのリーダートラックと言える曲。ヘヴィなギターリフが印象に残る。こちらもメロディが良い。 Mld.Key.
6-Shadowman (シャドウマン)
スローテンポだが、変化が多くアップテンポにもなる。後半には女性バックボーカルのミシェルがソロで歌う部分も。 Key.
7-Back To Square One (バック・トゥ・スクエア・ワン)
ヘヴィでスローテンポな曲。ギターの存在感が大きい曲。余談だが、LOUD PARK'09に出演した際に新曲として披露していた。 Key.
8-Blood Red Stars (ブラッド・レッド・スターズ)
長めのイントロはコーラスから入る。こちらもヘヴィなリフが多い。 Key.
9-The Last Leaf (ザ・ラスト・リーフ)
ピアノが綺麗なスローバラード。歌詞も良い。悲しげな曲。 Mld.Key.Ter.
10-Falling Down (フォーリング・ダウン)
ヘヴィなギターから入る。途中変化もあり、メロディラインも良い。お勧めの1曲。ヘイ!ヘイ! Mld.Spd.Key.
11-Episode ](Departure) (エピソード] ディパーチャー)
1曲目と同じメロディで終わる。エピローグ的な存在。 Mld.Key.
SHOW ME HOW TO LIVE (ショウ・ミー・ハウ・トゥ・リヴ) (11th/2011)

4代目ボーカリストのマーク・ボールズもジョン・ウェスト以外のケースと同じく、2作品で脱退となってしまった。新たなボーカリストは・・・この喜びをどう表現すればいいのか・・・。1998年の衝撃の解雇から、13年の時を経てD.C.クーパーが復帰した11作目。長かった。いや、自分は5作目の「FEAR」の頃にロイヤルハントを知ったので、DC在籍時からのファンの方は、もっと長い間待ち望んだであろう。幾度となく復帰の噂はあり、実際にそういう動き、交渉はあったようだが、実現しなかった。歴代のヴォーカリストはいずれも素晴らしいシンガーだった。誰一人として「この人はイマイチだったな」という人はいなかった。しかし、やはりDCが歌うロイヤルハントは別格だ。それを改めて知らしめる傑作となった。アンドレが創造する美旋律の音世界に、DCの表現力豊かな歌声が絡み合うと、そこには間違いなくケミストリー(化学反応)が発生する。本当に待ちに待った復帰作。この時を待っていたファンの期待を裏切ることは有り得ない。これでもかと言わんばかりのロイヤルハント節が連続する原点回帰作。アルバムを通して聴いた後の聴後感(造語です)が素晴らしい。曲数は7曲で、10分という大作が1曲あるものの、他は5分少々のトータル約42分というと、中身が薄いと思われるかもしれないが、とんでもない。これだけ濃密な42分の作品を作れる彼らのチカラには脱帽する。全てがキラーチューン、全てが彼らの代表曲に成り得るといっても過言ではない。仮にもし10曲入っていても、インスト3曲が入っていたりすると、「DC復帰作でどうして・・・」と批判するファンもいるだろう。そう考えると全てヴォーカル入りの7曲のほうが良いだろう。もちろん、これだけの曲を揃えられるのだからこそ、もっと聴きたいというのはファンなら当然なのだが。なお、初回限定版にはDVDが付いており、4月に行われたロシアと日本での期間限定復帰ツアーのドキュメンタリー映像が約35分という充実のヴォリュームで収録されている。途中ライヴ映像も一部あるが、あくまで同行スタッフがハンディで撮影したもので、ライヴDVDとしては観ないように。記録映像としては非常に価値ある内容となっている。スタジオでのリハーサルや、ラフなセッション、ライヴ会場でのリハーサル、移動時など様々な場面のオフショット等、ファン必見のものばかり。来日公演に行った人はもちろん、行けなかった人、最近のアンドレやDCらメンバーの動画を見てない人は絶対にこの限定版を買うべきだ。3・11の東日本大震災の直後に来日してくれたときの映像も含まれており、これを見ると改めて彼らに感謝の気持ちでいっぱいになる。ファーラウェイをBGMに震災関連の写真がスライドショーで流れるシーンは涙なくして観られない。因みにこのDVDの編集をメインで行ったのはドラマーのアラン・ソーレンセン。センスのある編集だ。また、メンバーは来日公演時のメンバーと変化はない。その時のライヴリポートはこちら。(長文で申し訳ないです。)
1-One More Day (ワン・モア・デイ)
発売前から公式サイトで公開されていた映像を見ていた人には、既に耳馴染みの荘厳なイントロダクション。これでもかとばかりに期待を高めて始まるKey.全開の展開はメロディックHM/HRファン必聴。疾走感溢れるナンバーで、メロディラインも非常にフックがあり、耳によく残る。オープニングナンバーに相応しすぎる1曲。歴代最強ナンバーかも・・・ Mld.Spd.Key.Cla.
2-Another Man Down (アナザー・マン・ダウン)
電話のベルと女性の話声というSEから始まるストーリー性のあるミドルテンポナンバー。悲しげなピアノも印象的。Key.よりギターの比重が大きい。サビの歌メロが良い・・・というのは、改めて言うことではなく、全曲に言える。これも非常にロイヤルハントらしい1曲。途中女性ヴォーカルメインの部分を歌っているのは、最近のファンにはお馴染みのミシェル・ライツィン。 Mld.Key.
3-An Empty Shell (アン・エンプティ・シェル)
クラシカルで壮大な雰囲気ながら、激しいサウンドが特徴のスピードチューン。全体を通して弾きまくるキーボードだが、さり気ない箇所でもテクニカルなフレーズを挟んでいる。アンドレらしいKey.ソロもあるが、ヨナスのギターソロもかなりテクニカル。途中、3rdアルバムの名曲「Last Goodbye」を思い出すフレーズはアンドレの遊び心か。 Spd.Key.Cla.
4-Hard Rain's Coming (ハード・レインズ・カミング)
配信で先行シングルとして発売されたナンバー。キーボード(ハープシコード)が印象的なイントロ。幾重にも重ねられるキーボードサウンドは一人の生演奏では絶対に不可能なほど。非常に耳に残るサビのメロディ、そして素晴らしいコーラス。後半変化のある展開もたまらない。シングルカットされたのも納得のミドルテンポチューン。 Mld.Key.Cla.
5-Half Past Loneliness (ハーフ・パスト・ロンリネス)
ベースで始まるイントロが特徴的なアップテンポのナンバー。メインのメロディラインの素晴らしさは、アルバムの中でも随一。アンドレ印のキーボードはもちろん全開。ソロ後のピアノ伴奏のみから徐々に盛り上がるサビの展開もまた良い。サビのコーラスは自然と歌ってしまうほど、キャッチーで覚えやすい。ライヴでも定番となり大合唱となるほどの人気曲。因みに、BURRN!誌では編集者が選ぶ2011年のベストチューン10選で、伊藤政則(Masa Itoh)氏と広瀬編集長が揃って選んでいるのはこの曲。一般論としても同じなのかもしれない。納得。 Mld.Key.
6-Show Me How To Live (ショウ・ミー・ハウ・トゥ・リヴ)
10分余りある大作。雨音のSEからピアノ、そして壮大なスケールへと盛り上がっていく展開。後半に大きく曲調が変わる。そのときのキーボードサウンドはどこかで聴いたことあると思ったら、QUEENの「Show Must Go On」のイントロに似てる・・・というのは狙いか?その後途中からピアノ、ドラムが入ってきて、という流れはイントロに通じる。 Mld.Key.Cla.
7-Angel's Gone (エンジェルズ・ゴーン)
アルバムを締める最後にこんな曲を持ってくるかと驚かされる疾走曲。ネオクラ臭満載でキーボード、ギターがとにかくカッコ良く、ライヴで盛り上がること間違いなし。サビへと繋がる流れがまたシビレる。これでもかとアンドレが弾きまくる。まだこんな曲が書けるのかと改めて驚かされる。 Mld.Spd.Key.Cla.
A LIFE TO DIE FOR (ア・ライフ・トゥ・ダイ・フォー) (12th/2013)

2年振りの通算12作目。珍しく(?)前作からメンバーチェンジはなく、もちろんヴォーカルはDCクーパー。(「もちろん」と言えるのが嬉しい。)全7曲というのが前作と同じでもあり、どうしても前作と比較してしまうが、内容の充実度からすると、正直なところ前作には及ばないように感じる。前作の1,7曲目のような疾走感のある曲がもう少しあっても良かったのでは。とは言え今作も中身の濃い7曲となっている。それだけ前作があまりにも強烈だったということでもあるが。ただキレイ事ばかり言っても仕方ないので、正直なところをいうと中身が濃いとは言え、7曲は少ない。もっと多くの曲を聴きたいというのは、ファンなら当然ではないだろうか。今回も初回限定でDVDが付いている。内容はライヴ映像5曲(韓国公演2曲、ロシア公演2曲、スペインの街中!?での1曲)とツアードキュメンタリー、新作について語るアンドレのインタビューといった構成の約51分。時間もそうだが、なかなか内容が充実しているので通常盤より1000円ほど高いが、買う価値は充分にある。(因みにCD自体もSHM-CDとグレードアップされている。)メンバーの関係性を窺えるツアードキュメンタリーもファン必見だ。ただし、不満なのは前作収録の2曲のライヴヴァージョンがどうして韓国公演のものかということ。盛り上がりがイマイチだ。予め韓国公演を撮影すると決めていたからとしか考えられない。あれなら日本公演を映像化すべきだ。東京公演は観に行ったが、はるかに客のノリも良いし、盛り上がっていた。なぜ韓国公演?客の入りの予測から2回の日本公演より、1回の韓国公演のほうが良さそうということか?音響設備を含めた撮影環境?理由は定かではないが、これは正直非常に不満だ。(韓国が嫌いだからという理由ではない。一応・・・)色々不満もあるが、素晴らしい内容の作品であることは間違いない。発売前から日本公演が決定するなど、現在のご時世を考えると、DCのいるロイヤルハントへの期待の大きさが分かる。
1-Hell Comes Down From Heaven (ヘル・カムズ・ダウン・フロム・ヘヴン)
壮大なスケールを感じるオープニングナンバー。アルバム全体を象徴するスロー〜ミドルテンポのロックナンバー。非常に彼ららしいサウンドで、DCの歌いっぷりも良い。ただ前作の1曲目のようなインパクトはない。どっしりと構えた安定感はある。 Mld.Key.Cla.
2-A Bullet's Tale (ア・ブレッツ・テイル)
今や定番となりつつあるミシェル・ライツィンの独唱から始まるミドル〜アップテンポのナンバー。キーボード全開のサウンドはロイヤルハントサウンドとも言える。終わり方がまたカッコ良い。 Mld.Spd.Key.Cla.
3-Running Out Of Tears (ランニング・アウト・オブ・ティアーズ)
機械的なキーボードサウンドで幕を開けるミドルテンポナンバー。キャッチーなサビは耳に残る。ギターソロは初代から長年ギターを務めたヤコブ・キエールがゲスト参加。さすがに音を聴いただけで分かるというオリジナリティはないが、DC脱退時の彼との軋轢を考えると、ゲスト参加とは言え、古くからのファンからすると嬉しい。 Mld.Key.
4-One Minute Left To Live (ワン・ミニット・レフト・トゥ・リヴ)
疾走感溢れるナンバー。彼らの速い曲にも大いに魅力を感じるファンとしては、アルバム唯一といえるスピードナンバーはやはり必聴。前作で言うと「One More Day」タイプの曲と言える。歌メロも良く、キーボード弾きまくりのサウンドも嬉しい。間奏・ソロも非常にカッコ良い。この作品のキラーチューンの一つ。1曲目に持ってきてもよかったかもしれないが、全体のバランスを考えると妥当か。 Mld.Spd.Key.Cla.
5-Sign Of Yesterday (サイン・オブ・イエスタデイ)
ウェットなメロディが心地いいミドル〜アップテンポのロックナンバー。こちらは前作で言う「Half Past Loneliness」か。こういう曲を狙って作れるのであれば、ただただ感服。アンドレの枯れない創造力は恐ろしいほどだ。 Mld.Key.
6-Won't Trust,Won't Fear,Won't Beg (ウォント・トラスト、ウォント・フィア、ウォント・ベグ)
壮大なイントロで幕を開けるスロー〜ミドルテンポのナンバー。DCのにとって非常に歌いにくそうな微妙なハイトーンがある。 Mld.Key.Cla.
7-A Life To Die For (ア・ライフ・トゥ・ダイ・フォー)
珍しいタイプのギターのリフから始まるアルバムタイトルトラック。ギターの存在感の大きいミドルテンポのロックナンバー。終盤の荘厳さは個人的に好きなのだが、フェードアウトするアウトロは突然終わってしまうので、もう少し余韻を感じさせるくらいの余裕があったほうが良かったのでは。 Mld.Spd.Key.Cla.
ROYAL HUNT WORLD TOUR 2012 (Bonus DVD)
1.Half Past Lonliness (Seoul,Korea)
2.Hard Rains Coming (Seoul,Korea)
3.Age Gone Wild (Moscow,Russia)
4.Far Away (Madrid,Spain)
5.Step By Step (Ekaterinburg,Russia)
6.Interview With Andre Andersen
DEVIL'S DOZEN (デヴィルズ・ダズン) (13th/2015)

今作も約2年振りとなる通算13枚目のフルレンスアルバム。前作に伴うツアーの頃に、バンドの中心であるアンドレ・アンダーセンが「これが最後になるだろう」という発言をしていたため、もう新たな作品は無いかとも思ったが、大幅なメンバーチェンジも無く、新作が完成した。以前にも問題が重なった時期にバンドとして活動が困難になったときに同じような発言をしたことがあったが、そのときも意外とあっさり新作が発表されるということがあったので、そういう性格なだけなのかもしれないが、ファンとしてはやはり嬉しい。何よりDCクーパーも健在で、連続3作目というのは、実は最初に在籍していたときを超えている。
アルバムの内容は、前作と比べると多彩な楽曲が揃っていて、前作ほどの暗さもなく聴きやすい印象。中でも前作はスピードナンバーと呼べるものは1曲しかなかったが、今作は2曲も(?)入っており、それも非常にロイヤルハントらしい疾走曲で、こういう曲も彼らの魅力の一つだと思う。スローバラードやミドルテンポの楽曲も質が高い。作品全体を通してオーケストラを効果的に取り入れており、壮大さを感じる曲が多いのも個人的に嬉しい。
今回も初回盤にはDVDが付いており、基本的に前作に伴うツアーのライブ映像で構成されており(曲目はレビューの下に載せておく)、前回の反省からか今回は全編日本公演のようだ。途中でオフショットの静止画や動画が流れるのだが、ステージ上でカッコ良くキメるDCとコミカルに踊るDCの対比がなんとも面白い。ふと考えると、当たり前のようにロイヤルハントのステージにDCが立ってパフォーマンスをしているが、復帰を待望されていた時期から考えると、非常に嬉しいものだ。彼らの映像作品はジョン・ウエスト在籍時の「2006」以来出ていないので、DCも復帰し、20周年のタイミングは過ぎてしまったものの、そろそろオフィシャルのライブDVDを発売してもらいたい。
なおドラマーのアラン・ソーレンセンが脱退したが、彼は以前にも加入・脱退を繰り返しており、そのうちまた戻るような気もする。バンドにとって、ある意味とても便利な存在に感じる。サウンド面ではドラマーの交代は大きな問題はないのだが、以前から特典DVDの映像編集を担当していたのが彼で、所々で今回は編集がいまいちだと感じた。新ドラマーのアンドレアス・ヨハンソンはベースのアンドレアス・パスマークとNARNIAやDIVINE FIREで一緒だった(DIVINE FIREでは二人とも来日公演のメンバーだった)ということで、以前からバンドと交友があったとのこと。今作ではセッションドラマーということで、歌詞カードや、広告のグループショットにその姿はない。
因みにアルバムタイトルの「DEVIL'S DOZEN(デヴィルズ・ダズン)」とは悪魔のダースと訳され、不吉な数字である「13」を指しており、彼らの通算13作目と掛けている。アルバムジャケットにもローマ数字で]Vとある。
1-So Right So Wrong (ソー・ライト・ソー・ロング)
期待高まる壮大なサウンドで始まり、ロイヤルハントらしいギターサウンドで本編が幕開けする。曲はミドルテンポのナンバーで、歌メロは非常にフックがあり、良く練られている。ボーカルには途中エフェクトがかかる部分もある。7分半近い大作だが、あっという間。 Mld.Key.Cla.
2-May You Never (Walk Alone) (メイ・ユー・ネヴァー ウォーク・アローン)
ピアノ伴奏にのせて静かに歌い出し、バラードかと思いきや、途中から激しいギターサウンドでスピードアップ。この展開はたまらない。DC在籍時の名曲「Time」(3rdアルバム収録)のような流れ。サビでは盛り上がり、歌メロも素晴らしい。ジャンジャンというサウンドも奥行きがあって良い。キーボードの存在感も大きい。テクニカルなギター・キーボードソロもシビれる。間違いなくこのアルバムのキラーチューンであり、リーダートラックと言ってもいい。これも7分半ほどの長尺だが、その長さは全く感じない。 Mld.Spd.Key.Cla.
3-Heart On A Platter (ハート・オン・ア・プラッター)
ジャズっぽいピアノとベースのサウンドで始まるスロー〜ミドルテンポのナンバー。そしてロイヤルハント印の女声コーラスも。ベースの存在感が大きく、「River Of Pain」(4thアルバム収録)を思い出させる。 Key.Cla.
4-A Tear In The Rain (ア・ティアー・イン・ザ・レイン)
イントロからスピーディなキーボードサウンドが前面に出ているスピードチューン。ここで聴けるサウンドも一つ一つが非常にロイヤルハントらしいものばかり。テクニカルなギターソロも聴きどころの一つ。キーボードの存在感が大きいが、ソロはギターにお任せということか。コーラスではお馴染みのケニー・リュプケと女性陣の歌声が堪能できる。これもキラーチューン。 Mld.Spd.Key.Cla.
5-Until The Day (アンティル・ザ・デイ)
奥行きのあるサウンドで壮大な雰囲気のスローバラード。ウェットなメロディが心に染みる。DCが見事に歌い上げた1曲。ピアノの演奏も印象的。 Mld.Key.Cla.
6-Riches To Rags (リッチズ・トゥ・ラグズ)
ケルティックな雰囲気を持ったパーカッションとフルートの演奏で始まるというミドル〜アップテンポのナンバー。民族音楽風のサウンドが非常に印象に残る。ギターソロのあとのメロディもそういう雰囲気で、個人的には大好きなサウンド。アルバムの解説によると、アンドレ・アンダーセンはこの素晴らしい曲をボツにするつもりだったようだが、他のメンバーが気に入ってそれを免れたらしい。あぶないよ、アンドレ。 Mld.Key.Cla.Ori.
7-Way Too Late (ウェイ・トゥー・レイト)
壮大で奥行きのあるサウンドからヘヴィなギターサウンドを挟んで始まるミドル〜アップテンポのナンバー。サビの歌メロはフックがあり耳に残る。少し寂しさも感じるメロディもある。 Mld.Cla.
8-Monochrome (モノクローム)
日本盤ボーナストラック。スローテンポで、じっくり聴かせるタイプのインストゥルメンタル。メインのメロディを奏でるのはエレキギター。スケールの大きなサウンドは本編の曲と同じ。これもまた良い曲。アルバムのエンディングを飾る曲としては、もう少しパンチがほしかったが、良い曲に違いない。 Mld.Key.Cla.
ROYAL HUNT 2014 WORLD TOUR "A LIFE TO DIE FOR" (Bonus DVD)
1.A Life To Die For
2.One Minute Left To Live
3.Third Stage (solo time)
4.Martialarts
5.Hell Comes Down From Heaven
2016(ライヴ2016〜25TH アニヴァーサリー・ツアー)(2nd DVD/2017)

今回はタイトル通り、2016年にモスクワで行われたライヴを収録したライヴDVD(Blu-rayも同時発売)。「2006」からは約10年振りとなるライヴ作品で、前作は3代目ヴォーカリストのジョン・ウェストが在籍していた。今作はDCクーパー復帰後で、今までもボーナスディスク等で小出しに映像は残していたが、ライヴ全編を収録した公式の作品としては復帰後初の映像作品である。直近の最新アルバムである「DEVIL'S DOZEN」に伴うツアーということがあり、そこからの選曲が多めだが、バンドの歴史が長いこともあり、しかも25周年のアニヴァーサリーでもあるためか、初期の頃の曲も多い。・・・といったライヴの内容は日本公演のライヴレポートのページを参考にしていただきたい。セットリストは見事に一致しているし。映像作品となったときに気になったのは、見せ所が見られない点。この曲のこの部分で、なぜそこを映さない!?というのが多々あった。そこのギターソロ、キーボードソロでなんで?と。もっと手元をアップにしてくれよと何度思ったことか・・・。おそらく撮影班は曲を知らない人間がやっている。もしくは素材はあったのに編集した人間が曲を知らない、音楽を知らないのか。見せ所をわかっていない人間が制作するとこうなってしまうという悪い例を見るのにうってつけだ。非常にがっかり。この作品の価値としてはDCが復帰した後の公式のライヴ映像作品であり、素晴らしいアルバム作品に伴うツアーであった点もプラスにはなっている。特典映像は無くライヴ本編のみで、あくまでファンのコレクターアイテム。今までのパターンから考えて次はまた10年後の2026年・・・、まだバンドがあるかどうかも定かではないので、そういう意味では2016年時点の資料映像と考えると価値はありそう。ただし、かゆいところに全く手が届かない、もどかしい映像作品であることは間違いない。あまり期待はしないほうがいいだろう。あえて高いお金を払ってBlu-rayを買うほどの価値はないかな。内容も一緒と思われる。もう一点、ファンとして残念な気持ちになるのは、これだけ素晴らしいバンドが素晴らしい曲をやっているのに、この程度の規模の会場でしかできないのかと。しかも映像作品として収録するのに、だ。もっと大きな会場で満員のなかで公演されて然るべきレベルのバンドであると思っているだけに寂しい気持ちになってしまった。(上記に2ndDVDとしているが、過去VHSで発売された映像作品をまとめたDVDを除いているので、あしからず。)
1.Martialarts
2.River Of Pain
3.One Minute Left To Live
4.Army Of Slaves
5.Lies
6.Wasted Time
7.Heart On A Platter
8.Flight
9.May You Never(Walk Alone)
10.Until The Day
11.Half Past Lonliness
12.Message To God
13.Stranded
14.A Life To Die For
CAST IN STONE (キャスト・イン・ストーン) (14th/2018)

約3年ぶりとなる通算14作目のアルバム。メンバーは前作と変わらず。勿論DCクーパーも健在。珍しい試みがありつつ、スピードチューンが多いのは嬉しい。ただ本編の最初と最後の曲が地味なので、それが勿体無い。2曲目を最初に、7曲目を最後に一つずつずらすだけでも全体の印象は全然違っていたはず。ボーナスDVDはトータルで1時間を超える2016年のツアードキュメント。彼らの自然体を見られるのはファンには嬉しいが、プライベートビデオの映像が多く、本当のファン向けのコレクターアイテムといったところか。パート1をはじめ、バックで流れる曲が気になって調べてみると、「How Do You Know」という曲で前作「DEVIL'S DOZEN」の海外盤のボーナストラックのようだ。これが意外とカッコ良い。ミドルテンポのロックナンバーなのだが、これがなかなか。というか何より驚いたのが、曲を(一部でも)聴かせると検索できるアプリで調べたらちゃんとこの曲が出たこと。こんなマニアック(!)な日本盤にも入っていない曲まで出てくるなんて。
1-Fistful Of Misery (フィストフル・オブ・ミザリー)
スロー〜ミドルテンポのロックナンバー。3作続けて同じ展開で、1曲目にスピーディーなキラーチューンを持ってくるのではなく、じっくり聴かせるタイプの曲を持ってきた。7分半とやや長めで、悪い曲ではないが、パンチはない。
2-The Last Soul Alive (ザ・ラスト・ソウル・アライブ)
オルガンのサウンドで幕を開けるスピードナンバー。安定のロイヤルハント節が光る一曲。いかにも!というソロは聴いていて心地良い。期待を大きく上回ることこそないが、それでもこういう曲があると嬉しい。 Mld.Spd.Key.Cla.
3-Sacrifice (サクリファイス)
アコースティックギターが印象的で穏やかな雰囲気かと思いきや、へヴィなサウンドへ変化するスロー〜ミドルテンポのナンバー。曲は悪くない。
4-The Wishing Well (ザ・ウィッシング・ウェル)
アップテンポのハードロックナンバー。ギターが前面に出てきており、キーボードの活躍度は低め。 Mld.Spd..
5-Cast In Stone (キャスト・イン・ストーン)
アルバムタイトルトラックでありながらインストゥルメンタル、というのはロイヤルハントとしては初。テンポは速めでシンプルにカッコ良い。インストとしてはやや長めの3分半という長さながら、聴いているとあっという間。 Mld.Spd.Key.
6-A Million Ways To Die (ア・ミリオン・ウェイズ・トゥ・ダイ)
スローテンポのナンバー。曲はなかなか良い。イントロのキーボードも特長。 Mld.Key.
7-Rest In Peace (レスト・イン・ピース)
どこかで聴いたことがあるようなイントロかと思えば、2作前の「One Minute Left To Live」を彷彿とさせる期待高まる幕開けスピードナンバー。雰囲気は重め。サビでタイトルを歌うコーラスがまたカッコ良いが、これは3作前の「One More Day」を思い出す。7分弱という長さは感じない。 Mld.Spd.Key.Cla.
8-Save Me U (セイヴ・ミー 2)
グルーヴィーで異質な雰囲気のスローテンポのロックナンバー。中盤の女性ヴォーカルは美しい。ボーナストラックを除けば本編のラストなのだが、正直いまひとつ締まらない。
9-Wasted Time (Official Bootleg) (ウェイステッド・タイム オフィシャル・ブートレッグ)
日本盤ボーナストラック。バンド初期の代表曲のライブヴァージョン。 Mld.Spd.Key.Cla.
TOUR 2016 VIDEO AND PHOTO DOCUMENTARY (Bonus DVD)
DYSTOPIA (ディストピア・パート1) (15th/2020)

前作が2018年の初頭発売で今作は2020年の12月発売なので約3年振りの作品はコンセプト作品で、2部作の前編。大きな一つの作品を基に作られているというよりは、様々な作家や学者からインスピレーションを受けての作品ということのよう。アルバムのクレジットには「DYSTOPIA」としかないが、日本盤には「パート1」と表記されている。実際に2年後には後編となるパート2が発売された。インストゥルメンタルを除いた歌ものは全て6分以上と長尺の曲が多く、8分台の曲も2曲ある。コンセプト作だが、それぞれの曲は独立しており、一貫してやや暗めな印象。速い曲はあるものの、強烈な印象を残すような曲は見当たらず、やや地味な作品に感じる。今作はゲストボーカルを多数起用しており、元メンバーで初代ボーカリストのヘンリック・ブロックマン、同じく元メンバーで4代目のマーク・ボールズ、YNGWIE MALMSTEENやAT VANCEでもボーカルを務めたマッツ・レヴィン、お馴染みのケニー・リュプケ、アンドレの奥様のアレクサンドラ・アンダーセン(発売当時は明らかにされていなかったが、後にアンドレ・アンダーセン本人が明かした)といった方々。インストが3曲あり、ゲスト参加のシンガーが1曲を歌い上げる曲もあり、DCがメインで歌うのは実質5曲と少ない。なお初回限定盤にはDVDが付いており、2019年のロシアでのフェスティバルのツアードキュメントとライブ映像の一部が見られるが、熱心なファンのコレクター向け。ツアーの裏側はメンバーの素顔を垣間見れるが、過去にもそういった映像はあるし、ライブ映像はやや遠目からスタッフが手持ちのカメラで撮ったような映像で、ライブ作品で見られるクオリティの映像ではないので、このために高い金額を出すほどでもないかと。
1-Inception F451 (インセプション 華氏451度)
オープニングを飾るイントロダクションは壮大な雰囲気のインストゥルメンタル。期待高まる流れだが、次の曲に繋がるタイプではない。 Mld.Cla.Bri.
2-Burn (バーン)
オープニングソングは疾走感あるナンバー。前の曲からの繋がりがないのはちょっと残念。速くてカッコ良いが、やや歌メロは弱い印象。ボーカルはシンプルにDCが務める。 Spd.Key.
3-The Art Of Dying (ジ・アート・オブ・ダイイング)
9分近い大作で、タイトルトラックではないが作品のメインともなる1曲。ミドルテンポのハードロックナンバーで、重厚で雰囲気は暗め。メインボーカルを務めたのはマッツ・レヴィン。終盤、終わりかと思わせておいて実はまだ続くというパターン。 Key.Cla.
4-I Used To Walk Alone (アイ・ユーズド・トゥ・ウォーク・アローン)
アレクサンドラ・アンダーセンとマーク・ボールズがメインを務めるスローバラード。 Mld.Spd.Key.Cla.
5-The Eye Of Oblivion (ジ・アイ・オブ・オブリヴィオン)
DCが歌うアップテンポのハードロックナンバー。アンドレらしいキーボードが聴ける。ギターとキーボードソロもカッコ良い。一部フレーズが過去のインスト曲に似ているようにも感じた。 Spd.Key.
6-Hound Of The Damned (ハウンド・オブ・ザ・ダムド)
怪しげな雰囲気漂うスロー〜ミドルテンポのブルージーなロックナンバー。ケニー・リュプケやヘンリック・ブロックマンが参加しているが、DCも歌っており、豪華共演とも言える。個人的にはヘンリック・ブロックマンの声が好きなので、なかなか良い存在感を出している。
7-The Missing Page (Intermission T)(ザ・ミッシング・ページ インターミッション1)
約2分半のインストゥルメンタル。ヴァイオリン等の弦楽器のみの演奏だが、壮大な雰囲気を感じる。 Key.Cla.
8-Black Butterflies (ブラック・バタフライズ)
スロー〜ミドルテンポのロックナンバー。曲はなかなか良い。DCが歌い上げる8分超の大作。 Mld.Key.Cla.
9-Snake Eyes (スネイク・アイズ)
ヘンリック・ブロックマンとマーク・ボールズ、DCがボーカルを務めたスローナンバー。元と現在のボーカリストの共演というのは初期からのファンにはたまらない。 Mld.
10-Midway (Intermission U) (ミッドウェイ インターミッション2)
短いインストで今作のエンディング。アコースティックギターのメロディは名盤PARADOXのLong Way Homeを思い出させる。わずかに異なるが意図的にそうしているのは間違いないだろう。あえて言うまでもないが。(後のインタビューではたまたま似てしまっただけと言っていたようだが、そんなばかな)
DYSTOPIA PART U (ディストピア パート2) (16th/2022)

前作から2年振りとなるアルバムで、予告通り前作から続くコンセプト作品の後編。今作はクレジットにもPART U(2)と表記されている。前作同様のゲストが参加している(前作の紹介文を参照いただきたい)。前作同様長尺な曲が多く、7分台2曲、8分台3曲、最長は7曲目の14分。前作と比較するとメロディの良い曲が多い気がする。全体を通しての雰囲気も前作ほど重い印象は少ない。個人的に今作のほうが前作よりはるかに良い。DVD付きの限定盤も発売されたが、私は通常盤を購入したため未視聴だが、ツアーの裏側の映像や、前作の「Burn」「The Art Of Dying」のリリックビデオが収録されている。
1-Midway (Resumption) (ミッドウェイ リザンプション)
短いインストゥルメンタル。雨音のようなSEと弦楽器の静かな曲で、次の曲への繋がりは前作同様無い。
2-Thorn In My Heart (ソーン・イン・マイ・ハート)
前作と同様繋がりはなく、同じようなオープニングソングはスピード感ある1曲。DCがメインで歌い上げているが、バックボーカルはケニー・リュプケやアレクサンドラ・アンダーセンが務めているようだ。前作のBurnよりもフックがあり、個人的には好きなナンバー。曲もなかなか良い。テクニカルで弾きまくりのソロもカッコ良い。いきなり8分半を超える長尺だが、そこまでの長さは感じない。 Mld.Spd.Key.
3-The Key Of Insanity (ザ・キー・オブ・インサニティ)
前の曲のSEからそのまま突入するミドルテンポのヘヴィなナンバー。マッツ・レヴィンが参加しているが、DCも歌っている。
4-Live Another Day (リヴ・アナザー・デイ)
DCがメインボーカルで歌い上げるミドルテンポのナンバー。途中変化がある。曲はなかなか良い。約9分の長編。 Mld.Cla.
5-The Purge (ザ・パージ)
スピード感のあるインストゥルメンタル。インストとしては長めで4分近くある。なかなかカッコ良い曲。前作のBlack Buttefiesのサビのメロディを使っている点も面白い。前作にはこういうインストは無かったので、ロイヤルハントらしい1曲で、素直に嬉しい。 Mld.Spd.Key.
6-One More Shot (ワン・モア・ショット)
ミドルテンポのロックナンバー。DCのボーカルで始まるが、マーク・ボールズ、ヘンリック・ブロックマンもリードシンガーとして参加しており、交代で聴けるのは嬉しい。 Cla.
7-Scream Of Anger (スクリーム・オブ・アンガー)
14分を超える大作。アルバムのクレジットにはサブタイトルが2つ付いており(Hit And Run、The Thrill Of The Chase)、2部構成のようだ。当然変化も多い。序盤アップテンポで進みいきなりテクニカルでスピード感のあるソロが聴ける。5分過ぎから曲調が変わり歌が入るので、序盤5分をインストと捉えるのが正解かも。メインボーカルはDCが担っているが、ケニー・リュプケも一部リードボーカルを歌う部分もある。非常にカッコ良い曲で、個人的に大好きな曲。速い部分はシンプルにカッコ良いし歌メロも良い。終盤のリズミカルなドラムからのヴァイオリンのような弦楽器の旋律が入ってくる展開が面白い。民族音楽風でもある。 Mld.Spd.Key.Cla.
8-Left In The Wind (レフト・イン・ザ・ウィンド)
前曲から一転して静かなスローテンポの曲で、実質アルバムの最後を飾る歌。メインはDCが歌う。感情豊かに歌い上げており、曲も良い。ヘンリック・ブロックマンやアレクサンドラ・アンダーセンも一部リードボーカルを務めている。 Mld.
9-Resurrection F451 (レザレクション華氏451)
1分半のインストゥルメンタルで、作品の本当のエンディング、エピローグとも言える曲。前作の1曲目、プロローグとも言える曲を短くしたような印象。CDジャケットの裏側の曲名表記にはFの前に〇が無く華氏(?)と読めないのはミスプリントか。 Mld.Cla.Bri.
10-Until The Day (Live) (アンティル・ザ・デイ ライヴ)
日本盤ボーナストラック。DEVIL'S DOZEN収録曲のライブバージョン。DCの歌声が堪能できるスローナンバー。2019年にロシアで行われたフェスの音源。 Mld.