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SILENT FORCE(サイレント・フォース)
ドイツを拠点とする5人組。ジャンルはメロディックパワーメタルが妥当か。中心とメンバーは(当時)元ROYAL HUNTのD.C.クーパー(Vo)と、SINNERで活躍していたアレックス・バイロット(G)。DCがROYAL HUNT在籍時にソロアルバムをリリースしたことなどが原因でバンドを解雇されてしまい、その後結成されたのがこのバンド。その他のメンバーはアンドレ・ヒルジャース(Dr)、トーステン・ルーレ(Key)、フライシュ(B)という5人。2006年の4thアルバム以降目立った活動がなく、中心メンバーであるDCクーパーはROYAL HUNTに正式に復帰と、自然消滅したかと思ったが、2013年に新ヴォーカリストとしてマイケル・ボーマンを加え活動を再開した。
THE EMPIRE OF FUTURE (ジ・エンパイア・オブ・フューチャー) (1st/2000)
デビューアルバム。疾走曲はあるが、全体的に重く、暗い雰囲気の曲が多い。DCの歌声は素晴らしいが、その表現力を活かしきるだけの楽曲がまだない。そんな印象。曲がまだまだ弱い。
1-The Beginning (ザ・ビギニング)
アルバム全体のイントロダクション。オーケストラや語りなど壮大な雰囲気。
2-Live For The Day (リヴ・フォー・ザ・デイ)
スピード感のあるメタルナンバー。歌メロはまずまず。
3-The Empire Of Future (ジ・エンパイア・オブ・フューチャー)
スロー〜ミドルテンポのヘヴィな1曲。クワイアを使いながら、怪しげなムードが漂う。
4-Saints And Sinners (セインツ・アンド・シナーズ)
サビのコーラスがキャッチーなミドルテンポのヘヴィなナンバー。バスドラが響く。
5-Tell Me Why (テル・ミー・ホワイ)
アグレッシヴなギターのリフのスピードメタルチューン。ソロはなかなかテクニカルでカッコ良い。
6-New Experiments (ニュー・エクスペリメンツ)
スローテンポのヘヴィな1曲。
7-Six Past The Hours (シックス・パスト・ジ・アワーズ)
ピアノのイントロからヘヴィなリフへと繋がるスピードチューン。
8-Broken Wings (ブロークン・ウィングス)
怪しげなメロディから始まるスローテンポのヘヴィなナンバー。途中テンポアップする部分も。高揚感あるコーラスが良い。
9-We Must Remain (ウィ・マスト・リメイン)
ヘヴィなリフが特徴のスローテンポのナンバー。キーボードが怪しげな雰囲気を作り出している。
10-I'll Be There (アイル・ビー・ゼア)
ピアノの旋律が悲しげなスローバラード。
11-See Beyond (シー・ビヨンド)
ボーナストラック。ギターメロディはまずまず。怪しげなムード。
WORLDS APART (ワールズ・アパート) (3rd/2004)

彼らの評価がぐっと上がり、売り上げも伸びた3rdアルバム。楽曲の質が上がり、D.C.クーパーの歌唱力、表現力を活かせる曲が揃っている。速めの曲が多いが、DCの歌声を堪能できるバラードもある。歌メロが非常に良くなり、キーボードサウンドも前に出てきており、その手のメロディアスHM/HR好きにも大きくアピールできる音作りになっている。1曲あたりの時間も4分から5分程度と聴きやすいのも良い。ROYAL HUNT時代にはあまり聴けなかった純粋なメロスピナンバーを歌うDCの歌声を聴けるというのもファンには嬉しい。アレックス・バイロット(G)は親日家どころか、奥様が日本人なので、1曲目のような日本を意識した曲があるのも納得だろう。DCがいたときのROYAL HUNTが日本で大人気で、彼自身も非常に人気があったから、という理由もあるかもしれないが。なお、ベーシストは2ndアルバム以降はユルゲン・シュタインメッツが務めている。
1-Ride The Storm (ライド・ザ・ストーム)
「うれしいひなまつり」のメロディから始まる、日本人には嬉しいような恥ずかしいような(?)イントロから始まる疾走曲。歌メロも良く、サビではしっかりと盛り上がりもある。コーラスも良い。
2-No One Lives Forever (ノー・ワン・リヴズ・フォーエヴァー)
キーボードの存在感の大きいアップテンポのメタルナンバー。サビの歌メロが非常にフックがあり、耳に残る。
3-Hold On (ホールド・オン)
スローテンポの怪しげなムードのナンバー。キーボードの音色がサウンドを柔らかくしている印象。
4-Once Again (ワンス・アゲイン)
キラキラのキーボードとキャッチーなギターのリフがマッチしたアップテンポの曲。キャッチーで高揚感のあるサビがまた素晴らしい。ギターソロのメロディも◎。
5-Master Of My Destiny (マスター・オブ・マイ・ディスティニー)
ミドルテンポのメロディアスなロックナンバー。サビのコーラスが耳に残りやすい。
6-Heroes (ヒーロー)
イントロからクールなキーボードのメロディが流れるスピードナンバー。同時多発テロでの勇敢な消防隊員を歌った1曲。
7-Death Comes In Disguise (デス・カムズ・イン・ディスガイズ)
メロディアスなギタープレイから始まる疾走曲。ヴォーカルも声を使い分けながら歌っているのが良い。間奏ではキーボードソロも聴きどころ。ギターソロではベートーベンの第九のメロディも奏でている。
8-Merry Minstrel (メリー・ミンストレル)
奇妙な雰囲気のメロディで始まるミドルテンポの1曲。ギターのメロディが素晴らしい。
9-Spread Your Wings (スプレッド・ユア・ウィングス)
ピアノの伴奏も美しい、スローテンポのバラードナンバー。イントロのかわらしい子どもの声はDCの息子さんの声。
10-Iron Hand (アイアン・ハンド)
キーボードのイントロからカッコ良いメロスピナンバー。歌メロも良く、サビはフックがありとてもインパクトがある秀曲。
11-Heart Attack (ハート・アタック)
ヘヴィでテクニカルなギタープレイから始まるスピードメタルチューン。こちらも非常に歌メロが良くて、サビのメロディもよく耳に残る。ギタープレイもとてもテクニカル。天国と地獄のメロディをギターで奏でる部分も。
12-Worlds Apart (ワールズ・アパート)
アルバムタイトルトラック。テンポが変わるので、ミドルテンポの部分と速い部分がある。キャッチーなメロディラインも◎。
13-Say My Name (セイ・マイ・ネーム)
日本盤ボーナストラック。アップテンポのメロディアスなハードロックナンバー。キーボードの存在感も大きい。サビは高揚感があり、明るい印象。
WALK THE EARTH (ウォーク・ジ・アース) (4th/2007)

前作よりもヘヴィでダークな印象の4thアルバム。キーボードサウンドも前作ほどの存在感はなく、メロディアスな要素が減り、 疾走感のある曲もあまりなく、重厚なパワーメタルソングが多い。個人的には前作のような明るめのメロディックメタルが好きなので残念。全体的に暗く、さらに歌メロがかなり弱くなっているので地味な印象。前作があまりにも良すぎて期待するものが高くなりすぎたのも原因か。エンハンスト仕様となっておりDCのROYAL HUNT在籍時の代表曲「River Of Pain」とJUDAS PRIESTのカヴァー「You've Got Another Thing Comin'」のライヴ映像が見られる。CDジャケットはなかなかカッコ良い。
1-Man And Machine (マン・アンド・マシーン)
スローテンポの怪しげな雰囲気で始まるパワーメタルナンバー。キーボードは控えめでヘヴィなサウンド。
2-Walk The Earth (ウォーク・ジ・アース)
キーボードサウンドが前面に出ているものの、ヘヴィなギターが強い。と思ってたら突然ピアノ伴奏の静かなムードに。全体的にはスロー〜ミドルテンポのメタルチューン。ソロではテクニカルなギタープレイが聴ける。
3-Point Of No Return (ポイント・オブ・ノー・リターン)
疾走感のあるメタルチューン。ヘヴィなギターにキーボードが効果的に絡んでなかなか良い。サビで盛り上がる作りになっており、歌メロもなかなか。
4-In From The Dark (イン・フロム・ザ・ダーク)
イントロからテクニカルなギタープレイを見せつけるアップテンポのメタルナンバー。キーボードソロもなかなかの速弾き。
5-The King Of Fools (ザ・キング・オブ・フールズ)
アコースティックギターのアラビアンな雰囲気で始まり、途中からヘヴィなリフが入ってくるスピード感のある1曲。歌メロはなかなか良く、サビのコーラスはキャッチー。
6-Child Within (チャイルド・ウィズイン)
幻想的なキーボードサウンドがベースになっているスローテンポのナンバー。
7-Goodbye My Ghost (グッバイ・マイ・ゴースト)
キーボードが怪しげな雰囲気を作り出しているスローテンポの1曲。ヘヴィなギターが強い印象。冷たいピアノはなかなか良い味を出してはいる。
8-Save Me From Myself (セイヴ・ミー・フロム・マイセルフ)
アコースティックギターの静かなスローチューン。メロディがちょっと弱いので地味な曲になってしまった。スローで暗めの曲が続く構成に問題がありそう。
9-My Independence Day (マイ・インディペンデンス・デイ)
ヘヴィなギターのリフが特徴のミドルテンポのナンバー。キーボードソロはあるものの全体的な貢献度は低い。
10-The Blind Leading The Blind (ザ・ブラインド・リーディング・ザ・ブラインド)
ヘヴィなベースのリズムが特徴のイントロから始まるミドルテンポのナンバー。歌メロは弱いが、間奏部のメロディは光るものがある。
11-Running Through The Fire (ランニング・スルー・ザ・ファイア)
ここに来てやっと前作のようなメロディアスな疾走曲。キーボードも全編を通じて良い活躍をしている。歌メロは高揚感もありキャッチーで良い。こういう曲があと2,3曲あればアルバム全体の印象が全く違うものになったはず。一番のキラーチューンが11曲目じゃあ・・・。
12-Picture Of A Shadow (ピクチャー・オブ・ア・シャドウ)
パワフルなスピードメタルチューン。曲もなかなか良い。ここに来て続けて疾走曲というのはあまりにももったいない。曲順の構成が明らかに失敗だろう。
13-Saints & Sinners (acoustic version) (セインツ・アンド・シナーズ アコースティック・ヴァージョン)
1stアルバム収録曲のアコースティックヴァージョン。原曲とはまた違った印象。怪しげな雰囲気。