ホーム > 全曲レビュー(索引) > 春畑道哉
春畑道哉(はるはた・みちや)
1966年、東京生まれのロックギタリスト。TUBEのギタリストとして有名。TUBEの作曲はほぼ全て彼が担当している。ギター、ベースだけでなくピアノも弾けるため、ピアノ(キーボード)を効果的に取り入れた楽曲が多い。
BEST WORKS 1987-2008 〜ROUTE86〜 (ベスト・ワークス 1987−2008) (Best/2008)

ソロ作品を集めた2枚組ベストアルバム。Disc1は主にソロアルバムから選曲されており、耳馴染みのある曲が多い(個人的感想)。初CD化の2曲を含んだ16曲で、曲によってはコーラスはあるものの、基本全曲インスト。コアなファンからすると、満足な選曲かどうか分からないのだが、初級編?としては充分な内容なのではないか。Bonus DiscとなっているDisc2は、TUBEの曲をアコースティックアレンジしたセルフカヴァー。もちろん全曲インスト。恥ずかしながらどの曲も聴いたことがなかったため(TUBEの大ファンというわけではないので)、比較は難しい。全編アコースティックのバラード調で非常に静かなのでDISC1とは全く違う物と考えたほうがいい。
1-JAGUAR'08 (ジャガー 08)
意外だが初CD音源化されたうちの1曲。春畑道哉を知らなくとも、野球好きならおそらく一度は聴いたことがあるだろうアップテンポのロックナンバー。フジテレビの野球中継のテーマ曲として使用されている。軽快で聴き心地の良い印象だが、テクニカルなギタープレイもあり、ハードロック系の音楽が好きな人にもウケが良いのではないだろうか。ここに収録されたのは2008年のバージョンとなっており、2013年には新たなバージョンがシングルとして発売されており、現在の野球中継ではそちらが使用されている。主に違うのはイントロ部分か。
2-Wings (ウィングス)
ピアノとキラキラとした爽やかなキーボードサウンドが心地良いポップナンバー。エレキギターが奏でるメロディは気分が高揚し、90年代の懐かしさもある。最近はこういうサウンドはあまりないように感じる。良い時代だったな・・・。1992年発売の「Moon」収録曲。
3-Solid Sky (ソリッド・スカイ)
こちらも非常に爽やかな印象のミドルテンポナンバー。明るく、高揚感もあり、盛り上がる一曲。1990年発売の「GUITAR LAND」収録曲。
4-Straight to My Heart (ストレート・トゥ・マイ・ハート)
スローテンポのバラードナンバー。サックスも印象的で、短いながらも曲調が変化する間奏部分も実に良い雰囲気で、しっとりとした気分になれる。メロディはキャッチーで耳に良く残る。ギターはけっこうテクニカルなプレイが聴ける。1995年発売の「Color of Life」収録曲。
5-Sparkling Heaven (スパークリング・ヘヴン)
キーボードが非常に良い味を出しているアップテンポのロックナンバー。非常にカッコ良い。キーボード好きのHM/HRファンにも好かれるはず。激しい部分もあるが、メロディはフックがあり耳に残る。TV等様々なところでBGMとして使用されていたのではないだろうか。この曲も春畑道哉の曲だと知ってどっぷりハマる決め手となった。1993年発売の「Real Time」収録曲。
6-青いコンバーチブル
イントロはピアノとコーラスで静かに始まるが、曲全体としてはミドルテンポの明るい、爽やかなロックナンバー。2,3曲目と同様90年代前半の印象を受ける。同じビーイング系のZARDやWANDSでもお馴染みの栗林誠一郎、明石昌夫といった面々が参加していることも影響しているだろうか。1989年発売の「Smile On Me」収録曲。
7-Silent Breath (サイレント・ブレス)
ヒップホップでよく使用されるようなサウンドをバックにしたグルーヴ感のあるナンバー。それでもサビといえるメインの部分はやはり明るいイメージ。それでも他の曲とは違った趣がある。1993年発売の「Real Time」収録曲。
8-J'S THEME (Jのテーマ)
言わずと知れた代表曲。・・・と言っても、自分もそうだったが、これが春畑道哉の曲と知らなかった。1993年開幕時のJリーグのテーマ曲でシングルで発売された。開幕試合前のイベントではTUBEの前田が国歌斉唱を担当し、その後の盛大なセレモニーで春畑道哉が生演奏した。2013年にJリーグ20周年を迎え、開幕当時の映像が流れるときに必ずと言っていいほどBGMとして使用された。ゴン中山が出演したJリーグ中継をメインとしたスカパーのCMでも使用された。曲はしっとりとしたメロディが特徴のスローナンバー。泣きのギターとメロディの良さと懐かしさで涙が出そうになる。歌詞はないが、「オーオーオーオー」という合唱(コーラス?)がまた良い。
9-Sunrise (サンライズ)
高揚感のあるミドル〜アップテンポのロックナンバー。サビとも言えるメインのメロディはキャッチーで耳に残る。イントロや間奏終わりに聴けるホーン?のようなサウンドも印象に残る。1991年発売の「Dream Box」収録曲。
10-Mother Ship (マザー・シップ)
泣きのギターが特徴のスローナンバー。全体を通して静かな印象。サウンドではなく、曲そのものに大きなスケール感を感じる。1992年発売の「Moon」収録曲。
11-Silver Unicorn (シルヴァー・ユニコーン)
ウェットなメロディラインがとにかく良く、歌詞を付けてもマッチしそう。ギターによるコーラスのハーモニーがなんとも美しい。2000年発売の「RED BIRD」収録曲。
12-Wave Rush (ウェーヴ・ラッシュ)
イントロが非常に特徴があるアップテンポのロックチューン。爽やかなサックスのメロディも印象的で、こちらも90年代らしい空気を感じる。どこかのBGMとして使用されていたと思う・・・。1993年発売の「Real Time」収録曲。
13-SPEED ST☆R (SPEED STAR) (スピード・スター)
タイトル通りスピード感のあるハードロックナンバー。サビに当たる部分のメロディラインはフックがあり、明るい印象を受ける。テクニカルなギタープレイも聴きどころ。1995年発売の「Color of Life」収録曲。
14-Dream Box (ドリーム・ボックス
オルゴールの音色で静かに始まる、穏やかで、優しい一曲。徐々に盛り上がっていく展開がまた良い。アルバムのタイトルトラックとなった1991年発売の「Dream Box」収録曲。
15-DRIVIN' (ドライヴィン)
タイトルからもイメージ出来るアップテンポの軽快なロックナンバー。途中テンポダウンし静かになる部分があり、そのメリハリも効果的。サックスもカッコ良い。こちらもタイトルトラックとなった1987年発売の「Drivin'」収録曲。
16-Next Season (ネクスト・シーズン)
本作のための新曲で、初CD化されたうちの一曲。ほぼ全てのメロディをエレキギターで演奏したスローナンバー。意外とテクニカルなギタープレイもある。寂しさを感じるメロディは作品のエンディングにぴったり。
BONUS DISC
1-今日からずっと
メロディが悲しげで美しいスローバラード。原曲は歌詞の内容からも結婚式に相応しいと評価されているようだ。アコースティックギターとピアノでの演奏。原曲は1995年発売のアルバム「ゆずれない夏」収録。
2-ナデシコ
哀愁のあるスローナンバー。懐かしさを感じるメロディは、聴いていてとても落ち着く。アコースティックギターのみの演奏。原曲は2007年発売のアルバム「WINTER LETTER」収録。
3-AUGUST MOON (オーガスト・ムーン)
コーラスが美しいミドルテンポナンバー。演奏はアコースティックギター。原曲は1990年発売のアルバム「N・A・T・S・U」収録。
4-十年先のラブストーリー
オルゴールの音色のようなサウンドをベースにしたスローバラード。しんみりとする。原曲は1991年発売のアルバム「湘南」収録。
5-蛍
非常に静かなスローテンポのナンバー。オリジナルよりも若干テンポを抑えているように感じる。演奏はピアノのみ。原曲は2008年発売のシングル曲。
6-プロポーズ
スローバラード。ケニーGがカヴァーするほど素晴らしいメロディ。アコースティックギターでの演奏。TUBE=夏というイメージだが、冬をテーマに作られた一曲。原曲は2004年発売のシングル曲。
7-月の雫
ピアノが美しいスロー〜ミドルテンポのバラード。情感あふれるメロディが印象的。アコースティックだけでなくエレキギターで演奏されている部分もある。原曲は2004年発売のアルバム「夏景色」収録で、これには6曲目のプロポーズ(原曲)も収録されている。
8-a song for love (ア・ソング・フォー・ラヴ)
非常に静かな雰囲気のスローバラード。アコースティックギターのみで演奏。原曲は2005年発売のアルバム「TUBE」収録。