ホーム > 全曲レビュー(索引) > TEN
TEN(テン)
イギリス出身5〜6人組。ボーカルのゲイリー・ヒューズとギターのヴィニー・バーンズを中心に結成。ジャンルとしてはメロディアスハードロックが妥当か。ヴィニー・バーンズは6thアルバム発売後に脱退。ゲイリー・ヒューズが作曲の面でも中心となっており、メンバーが流動的になっている部分を考えると、彼のワンマンバンドに近い。彼はソロアルバム(プロジェクト)での作品も数多く作っている。
TEN (テン) (1st/1996)
ゲイリーとヴィニーに加え、ドラマーにグレッグ・モーガンを正式メンバーとして迎えたデビューアルバム。この時点で正式メンバーはこの3人で、他のパートは数人のセッションプレーヤーを起用している。このアルバムは哀愁のあるメロディアスなナンバーが数多く入っており、すぐに欧州、日本で注目を集めた。
After The Love Has Gone (アフター・ザ・ラヴ・ハズ・ゴーン)
イントロのコーラスの美しさはテンの真骨頂。ミドルテンポでギターがカッコ良い。
Yesterday Lies In The Flames (イエスタデイ・ライズ・イン・ザ・フレイムズ)
静かなイントロから始まるスローテンポの1曲。しっとりとした雰囲気。
The Torch (ザ・トーチ)
サビにはテンらしいコーラス。ミドルテンポでキーボードも良い味。
Stay With Me (ステイ・ウィズ・ミー)
アップテンポで明るいポップ調の曲。高揚感があり、ギターのリフも良い。
Lamb To The Slaughter (ラム・トゥ・ザ・スローター)
ミドルテンポでヘヴィな曲。
Loneliest Place In The World (ロンリエスト・プレイス・イン・ザ・ワールド)
10分を超える長尺の曲。スローバラードで泣きのギターには哀愁がある。
THE NAME OF THE ROSE (ザ・ネーム・オブ・ザ・ローズ) (2nd/1996)
デビューアルバムの発売からわずか5カ月後に発売されたセカンドアルバム。ファーストアルバムと同時に制作されていたことが理由。音楽性は前作を継承しており、ドラマティックなハードロックチューンが数多く収録されている。なお、デビューアルバムに伴うツアーに参加していたギタリストのジョン・ハリウェル、ベーシストのマーティン・シェルトン、キーボードプレーヤーのジェド・ライランズ、が正式メンバーとして加入した。ただし、ベーシストはこのアルバム発売後の日本ツアーでアンドリュー・ウェブに交代している。またバンドは、この年のBURRN!での読者人気投票で最優秀新人賞に選ばれた。
The Name Of The Rose (ザ・ネーム・オブ・ザ・ローズ)
アコースティックなイントロからハードロックナンバーへ変化していくのはやはり良い。彼らの代表曲。
Don't Cry (ドント・クライ)
ミドルテンポの1曲。
Wait For You (ウェイト・フォー・ユー)
アップテンポで聴きやすい曲。
The Rainbow (ザ・レインボー)
ミドルテンポでテンらしいコーラスが堪能できる。
Through The Fire (スルー・ザ・ファイアー)
幻想的なイントロのスローバラード。
Goodnight Saigon (グッドナイト・サイゴン)
ヘヴィなギターリフからアコースティックへの流れは面白い。コーラスが綺麗。
THE ROBE (ザ・ローブ) (3rd/1997)
来日公演を行い、日本での人気を確かなものにした後発売されたサードアルバム。ベーシストはスティーブ・マッケンナに交代している。
The Robe (ザ・ローブ)
語りのSEから始まるミドルテンポの曲。長尺だが、変化するので飽きない。
Bright On The Blade (ブライト・オン・ザ・ブレイド)
アップテンポでギターのリフがカッコ良い。
Virtual Reality (ヴァーチャル・リアリティ)
アコースティックのイントロが良い。スローバラード。
Standing On The Edge Of Time (スタンディング・オン・ジ・エッジ・オブ・タイム)
バックで流れるキーボードが良い雰囲のミドルテンポナンバー。個人的にかなりオススメ。
You're In My Heart (ユー・アー・イン・マイ・ハート)
アコースティックギターのイントロが美しい感動的なバラード。ゲイリーの歌声もマッチしていて、これもテンの得意分野。
Arcadia (アルカディア)
荘厳なイントロから始まるが、ギターのリフはヘヴィ。テンらしいコーラスも。
SPELLBOUND (スペルバウンド) (4th/1998)
恐るべきペースでリリースされた4thアルバム。相変わらず哀愁漂う叙情的なメロディアス・ハードロックナンバーが満載。ゲイリーのウェットな歌声はバラードにもロックナンバーにもマッチしている。疾走曲、ミドルチューン、バラードと構成曲のバランスも良い。ファンタジーなアルバムジャケットも良い。
March Of The Argonauts (マーチ・オブ・ジ・アルゴノーツ)
壮大なイントロダクション。バイオリンのメロディが良い雰囲気を出している。
Fear The Force (フィア・ザ・フォース)
スピード感あるメタルナンバー。サビのコーラスが彼ららしくて良い。リフもクールでカッコ良い。シングルカットされた。
Spellbound (スペルバウンド)
ミドルテンポのヘヴィな1曲。サビのキャッチーなコーラスは彼らのトレードマーク。
We Rule The Night (ウィ・ルール・ザ・ナイト)
穏やかな雰囲気のスローナンバー。バイオリンの音色が◎。個人的にオススメ。
Remembrance For The Brave (リメンブランス・フォー・ザ・ブレイヴ)
次の曲へ繋がるインスト。弦楽器のサウンドが良い雰囲気を作り出している。
Red (レッド)
前の曲から繋がっているアップテンポのハードロックチューン。サビのコーラスも良い。
The Alchemist (ジ・アルケミスト)
疾走感のあるハードロックナンバー。歌メロが良く、サビのコーラスも気持ち良い。ギターのメロディラインも◎。
Wonder Land (ワンダー・ランド)
ピアノの美しいイントロが印象的なスローバラード。とにかく美しい曲。コーラスも美しい。超お気に入り。
The Phantom (ザ・ファントム)
キーボードの貢献度も大きいスピードメタルチューン。サビのコーラスが耳に残りやすい。これも個人的に大好きな曲。
Till The End Of Time (ティル・ジ・エンド・オブ・タイム)
感動的なバラードナンバー。ピアノやアコースティックの伴奏が美しい。ゲイリーの歌声はバラードもハードロックも素晴らしくマッチする。
BABYLON (バビロン) (5th/2000)

初のコンセプトアルバムであり、ファンの間では問題作とされた5th。なぜ問題作かというと、様々な理由があるが、やはりコンセプト作品としての作りだろう。語りのSEが多すぎる。また、ストーリーとジャケットデザインもイマイチ。そして、スピード感のある曲が少ないことを始め、キャッチーで耳に残る曲が少ないなど、ソングライティングの点。自分ではよくわからないが、別に存在する曲によく似ているものが多いらしい。結局収録されなかった曲のなかにDEEP PURPLEのBurnと似た曲があったらしい。ただ、この曲は彼らがその曲に対してリスペクトの意味を込めて作ったらしいが、アルバムの流れにも合わないということで収録されなかったようだ(聴いてみたい…)。ただ、1曲1曲じっくり聴いていくと、随所にTENらしいコーラスあり、メロディありと、実は良い曲が多い。彼ららしいスピードナンバーが少ない点は確かに物足りないが、1,3,6,8,9曲目などは一聴の価値がある。なお、前任のキーボード・プレーヤーは脱退し、今作ではRAINBOW、GARY MOORE、オジー・オズボーンらとも活動したドン・エイリーがゲスト参加している。
1-The Stranger (ストレンジャー)
語りから始まるミドルテンポの1曲。サビはテンらしいコーラス。メロディラインがしっかり作られており聴きやすく、耳残る。
2-Barricade (バリケード)
ヘヴィなギターがメインのスロー〜ミドルテンポ。コーラスは彼ららしい。
3-Give In This Time (ギヴ・イン・ディス・タイム)
穏やかなムードの1曲。サビはキャッチーでポップな印象も。
4-Love Became The Law (ラヴ・ビケイム・ザ・ロー)
スローでダークな印象だが、サビは彼ららしいコーラスでメロディも悪くない。
5-The Heat (ヒート)
スロー〜ミドルテンポで暗い雰囲気が漂う。
6-Silent Rain (サイレント・レイン)
ピアノ伴奏の綺麗なバラード曲。こういった曲もテンの真骨頂。
7-Timeless (タイムレス)
スローでヘヴィなリフが印象的。キーボードソロは独特。
8-Black Hearted Woman (ブラック・ハーテッド・ウーマン)
サビのメロディラインが◎。ミドルテンポの秀曲。
9-Thunder In Heaven (サンダー・イン・ヘヴン)
唯一ともいうべきスピード感あるハードロックナンバー。速い曲というほどでもないが、この作品のなかでは目立つ。若干サビのメロディは弱いか。
10-Valentine (ヴァレンタイン)
アルバムの最後を飾るスローバラード。ピアノが悲しげな雰囲気を演出している。
FAR BEYOND THE WORLD (ファー・ビヨンド・ザ・ワールド) (6th/2001)

原点に戻ったような会心の6thアルバム。良質のメロディアス・ハードポップナンバーが揃っている。明るく前向きな雰囲気も感じる。個人的には前作もそこまで悪くはないと思うが、こういうのを聴くとやはりこれこそがテンという感じがする。また、キーボード・プレーヤーとしてポール・ホドソンが正式メンバーに加わった。
1-Scarlet And The Grey (スカーレット・アンド・ザ・グレイ)
幻想的なギターサウンドからヘヴィなリフへと繋がるミドルテンポのハードロックナンバー。サビのコーラスはとても爽やかな印象。
2-Strange Land (ストレンジ・ランド)
キャッチーなリフが印象的なミドルテンポの1曲。高揚感あるサビはフックがあり耳に残りやすい。
3-What About Me? (ホワット・アバウト・ミー?)
ピアノが良い雰囲気を出しているスローバラード。
4-Glimmer Of Evil (グリマー・オブ・イーヴル)
重く暗いギターサウンドで幕を開けるミドルテンポのナンバー。さり気ないキーボードが良い味を出している。
5-Last Of The Lovers (ラスト・オブ・ザ・ラヴァーズ)
こちらもヘヴィなスローテンポナンバー。ベースサウンドが目立つ。後半のアコースティックギターは意表をつかれるが、なかなか良い。
6-Heart Like A Lion (ハート・ライク・ア・ライオン)
キーボードの活躍度の高いスローチューン。ウェットな良い雰囲気が漂う秀曲。サビはフックがあり意外と盛り上がる。
7-Black Shadows (ブラック・シャドウズ)
アップテンポのハードロックナンバー。キャッチーなサビは非常に彼ららしいメロディ。
8-High Tide (ハイ・タイド)
ヘヴィなリフとオルガンのサウンドが特徴のアップテンポのナンバー。80年代以前のサウンドを彷彿とさせる。
9-Far Beyond The World (ファー・ビヨンド・ザ・ワールド)
感動的なスローバラード。ピアノサウンドが非常に良い雰囲気を醸し出している。
10-Who Do You Want To Love? (フー・ドゥー・ユー・ウォント・トゥ・ラヴ?)
キラキラのキーボードが清涼感溢れる雰囲気を作っているミドルテンポの曲。高揚感があって明るく、サビのコーラスも非常に彼ららしい。キーボードのサウンドはアニメの曲のよう。
11-Outlawed And Notorious (アウトロード・アンド・ノートリアス)
非常にキャッチーなメロディラインのアップテンポのハードロックナンバー。このアルバムでは数少ない速めの曲。
12-The Soldier (ザ・ソルジャー)
オリエンタルなムードの漂う独特のメロディが特徴のスローチューン。
RETURN TO EVERMORE (リターン・トゥ・エヴァーモア) (7th/2004)

前作に伴うツアーの前に、結成時からの中心メンバーだったギタリストのヴィニー・バーンズが脱退し、新たにクリス・フランシスを迎えて制作された7th。ヴィニーの泣きのギタープレイを失ったのはイタイが、ソングライティングの面ではゲイリー・ヒューズが担当していたのでその点で特に不安はない。新ギタリストのギタープレイも問題なし。 私は3曲目のイントロにヤラレてしまい購入を決断したが、買って正解だった。今作も彼ららしい楽曲が揃っており、期待に応えてくれる内容だ。随所に耳に残るメロディがあり、コーラスも健在。
1-Apparition (アパリション)
ミドル〜アップテンポのナンバー。アルバム冒頭に相応しい。ギターは速弾きではないがカッコ良い。8分を超える長めの曲だが、後半テンポが変わるなど飽きさせない作り。
2-Dreamtide (ドリームタイド)
イントロは前の曲から繋がっている。サビは非常にキャッチーで耳に残る。テンポはスロー。
3-Evermore (エヴァーモア)
ケルティックな雰囲気を持つイントロ。好きな人にはたまらない。そこからの流れも良いアップテンポのハードロックチューン。一聴の価値あり。
4-Sail Away (セイル・アウェイ)
ピアノが美しいスローバラード。テンらしい曲。
5-Temple Of Love (テンプル・オブ・ラヴ)
イントロのコーラスが美麗。アコースティックギターも良い味を出しているミドルテンポの曲。
6-Even The Ghosts Cry (イーヴン・ザ・ゴースツ・クライ)
イントロではMR.BIGのあの名曲にも通じる爽やかさを感じる。曲は非常にポップで明るい雰囲気の漂う秀曲。個人的にかなり好き。
7-Strangers In The Night (ストレンジャーズ・イン・ザ・ナイト)
スローで暗めの印象だが、テンらしいコーラスも聴ける。
8-Evil's On Top In The World (イーヴルズ・オン・トップ・イン・ザ・ワールド)
こちらも暗めの雰囲気のスローチューンだが、キーボードがポップで不思議な世界観。
9-The One (ザ・ワン)
ミドルテンポでサビはキャッチーで耳に残る。イントロのキーボードが怪しげな雰囲気を出している。
10-Lost Soul (ロスト・ソウル)
日本盤ボーナストラック。ヘヴィでグルーヴ感のあるミドルテンポナンバー。アコースティックギターも使われた間奏は独特。
11-Stay A While (ステイ・ア・ホワイル)
キーボードが幻想的な雰囲気を演出するミドルテンポの1曲。
12-Tearing My Heart Out (テアリング・マイ・ハート・アウト)
スローでヘヴィなギターが印象的。ここまでヘヴィな曲はテンとしては珍しい。
13-It's You I Adore (イッツ・ユー・アイ・アドア)
ボーカルとストリングスのみで荘厳で幻想的な雰囲気。メロディが素晴らしい。個人的にかなり◎。