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TWILIGHTNING(トワイライトニング)
ジャンルはメロディックメタル。ただ、本人達はマイアミヴァイスメタルという、言葉では想像が付きにくいジャンルを自称していた。当時、DRAGONFORCEとも比較されることが多かった。メロディックスピードメタルの期待の若手であり、デビューの時期が近かったこともあるが、HELLOWEENの日本公演において、DRAGONFORCEとダブルで前座を務めるという、なんとも豪華なキャスティングがあったことが大きな理由だ。若さ爆発でステージ上でもステージ以外でもはしゃぎまくりのDRAGONFORCEに対し、パフォーマンスで非常にプロフェッショナルなプレイを見せたTWILIGHTNINGという、なかなか分かりやすい評価を受けた。確か別のライヴの話だったと思うが、機材のトラブルで曲が始められないという事態に、別の楽器でそのパートを演奏するなどして間を埋めたなど、技術的にはもちろん、ステージ上の表現力、対応力においても非常に高い評価を得ていたのが彼らだった。メンバー全員が若く、フロントマンのヘイキがなかなかイケメンということもあり、人気が爆発する要素は沢山あったように思う。しかし、だんだんと音楽性はヘヴィなサウンドへと変わっていってしまい、日本での人気も下降線をたどり・・・というより人気に火が付く前にしぼんでしまい、人間関係の悪化やモチベーションの低下等から、2009年には解散となった。
DELIRIUM VEIL (デリリウム・ヴェイル) (1st/2003)
デビューアルバム。ミキシングを担当したのが当時STRATOVARIUSのティモ・トルキということもあり話題になった。内容はキーボードサウンドが前面に出たメロディックメタルナンバーが揃っており、その手のリスナーに非常に高い評価を得た。速い曲もある程度あったが、ミドルテンポの曲でもキーボードによって、色鮮やかなサウンドになっており、聴いていてとても気持ちの良い楽曲が揃っている。メンバーはヘイキ・ポイヒア(Vo)、トミー・サーテナン(G)、ウィラ・ウォールニアス(G)、ヨッセ・カイニューライナン(B)、ユハ・レスキーナン(Dr)、ミッコ・ナウカリーナン(Key)という6人。
1-Gone To The Wall (ゴーン・トゥ・ザ・ウォール)
高揚感のあるスピードメタルチューン。イントロからかなりカッコ良い。サビはフックがあり、キャッチーなメロディ。変調も多くテクニカル。
2-At The Forge (アット・ザ・フォージ)
スロー〜ミドルテンポのメロディアスなナンバー。キーボードがとにかく前面に出ており、キーボード好きにはたまらない。メロディはキャッチーで、テクニカルなソロも聴きどころ。
3-Jester Realm (ジェスター・リアルム)
メロディアスなギターからキーボードサウンドへと繋がるイントロから魅力的なアップテンポのナンバー。キーボードの「チャンチャン」というのは個人的に好き。こちらもキーボード満載の1曲で個人的に1番好きな曲。
4-Delirium Veil (デリイルム・ヴェイル)
アルバムタイトルトラック。スピード感溢れるメタルチューン。イントロは静かで幻想的な雰囲気。ソロはとにかくめちゃくちゃカッコ良い。
5-Return To Innocence (リターン・トゥ・イノセンス)
アップテンポのメロディアスなナンバー。キーボードのメロディが良く、貢献度大。
6-Under Somber Skies (アンダー・サンバー・スカイズ)
スローテンポのナンバー。静かなイントロから、全体的に落ち着いた雰囲気。
7-Seventh Dawn (セヴンス・ドーン)
イントロからキーボードが前面に出たメロディアスなアップテンポのナンバー。
8-Enslaved To The Mind (インスレイヴド・トゥ・ザ・マインド)
語りのSEから始まり、途中から始まるドラムのリズムが期待感を高めるメタルナンバー。途中でテンポが変わり速くなる部分も。キーボードの存在感は変わらず大きい。
9-Masked Ball Dalliance (マスクド・ボール・ダリアンス)
キラキラのキーボードから始まるスロー〜ミドルテンポのナンバー。
10-The Escapist (ジ・エスケイピスト)
日本盤ボーナストラック。キーボードが前面に出たイントロから耳を引かれるメロスピナンバー。サビのコーラスがキャッチーで非常に良い。変調もあり、ソロでは曲調が変わりスローテンポの落ち着いた雰囲気に。かなりオススメの1曲。
11-Affection Seeker (アフェクション・シーカー)
日本盤ボーナストラック。静かなイントロで始まる落ち着いた雰囲気のミドル〜アップテンポのナンバー。
PLAGUE-HOUSE PAPPET SHOW (プレイグ・ハウス・パペット・ショー) (2nd/2004)

2ndアルバム。前作に続きプロデュースはアンシ・キッポだが、ティモ・トルキは不参加。というより、STRATOVARIUSに似たものになりすぎないようにと断ったらしい。キーボードの活躍度が下がった印象があるが、それでも随所で彩りを添えている。また、スピード感も前作よりも抑えめ。…というか、本来はこれよりもスピードチューンが少なかったらしい。「日本のファン向けに」ということで4,7,11曲目が追加された分。これがなかったらちょっと1stアルバムと変わりすぎじゃないかと思うが、ただ彼らの魅力はスピードチューンだけでないことは確かだ。このアルバムにもミドルテンポながら魅力あるメロディックなメタルチューンがある。これは個人的な意見というか感想だが、彼らの曲のタイトル、歌詞は、普段見慣れない、聞き慣れない英単語が多い。辞書を引かないと意味が分からないものが多い。良いように言えば独創性がある、悪いように言えばとっつきにくい・覚えにくい。自分が英語が得意ではないと言ってしまえばそこまでだが…。
1-Plague-House Puppet Show (プレイグ・ハウス・パペット・ショー)
イントロはヘヴィだが、曲全体は彼ららしいメロディアスなスピードメタルナンバーになっている。サビは非常に盛り上がるキャッチーなコーラスとなっており、耳によく残る。
2-Into Treason (イントゥ・トゥリーズン)
スローテンポでヘヴィな1曲。所々でキーボードのサウンドが心地良い。
3-The Fiend (ザ・フィーンド)
キーボードの柔らかなサウンドから始まるスローテンポのナンバー。
4-Victim Of Deceit (ヴィクティム・オブ・ディシート)
イントロから疾走感溢れるスピードメタルナンバー。サビの歌メロがキャッチーで盛り上がる。
5-Painting The Blue Eyes (ペインティング・ザ・ブルー・アイズ)
スローテンポのパワーバラード。ちょっと地味か…。もうちょっと歌メロとヴォーカルの表現力があると良い。
6-In The Fervor's Frontier (イン・ザ・ファーヴァーズ・フロンティア)
スロー〜ミドルテンポのナンバー。メロディアスなキーボードが良い味を出している。
7-Fever Pitch (フィーヴァー・ピッチ)
イントロからキーボードのサウンドが活躍するスピードチューン。サビのメロディラインもなかなか良い。前作の流れを継いだ1曲。
8-Diamonds Of Mankind (ダイアモンズ・オブ・マンカインド)
スロー〜ミドルテンポながら、キーボード満載で個人的に大好きな1曲。サビの歌メロ、コーラスが素晴らしい。盛り上がるし、キャッチーで耳に残る。高揚感もあって、聴いていて気持ち良い。こういう曲を書けるのは本当にすごいと思う。めちゃオススメ。
9-Riot Race (ライオット・レース)
イントロからキーボードの活躍度の高いアップテンポのメロディックメタルチューン。サビの歌メロも良い。
10-Lubricious Thoughts (ルブリシャス・ソウツ)
スローテンポのロックナンバー。キーボードの音色が前に出ているが、前作のような華やかさはなく地味。
11-Goddess Of Fortune (ゴッデス・オブ・フォーチュン)
日本盤ボーナストラック。無音状態からギタープレイがフェードインしてくるイントロのアップテンポの1曲。
サビのコーラスがなかなか良い。
12-Wind-Up Toy (ウィンド・アップ・トイ)
日本盤ボーナストラック。アリス・クーパーのカヴァー。スローテンポのロックナンバー。
SWINELORDS (スワインローズ) (3rd/2007)

3枚目のアルバムで、ラストアルバム。1stのイメージで今作を聴くと非常に驚くだろう。2ndで強まったヘヴィロック色を、さらに強めた。1stを出した時のバンドとは別物と考えるべきだろう。キーボードは無いと言っていい。メンバーのラインアップからキーボードプレーヤーの存在自体が消えているのだから当然か。日本盤の解説を読んで、さすがプロというか、よくこんな文章が書けるものだと感じた。各曲のコメントがほんとうに浮かばない。プログレっぽい要素は感じる。非常に聴いていて重い気持ちになってくる作品。正直おすすめできない。1stが良いと思った人には2ndを聴く価値は十分あると思うが、2ndが良いと思った人にさえこれは聴く必要はないと断言できる。聴きこめば良く聴こえてくる曲もあるのだろうか・・・。ただそれに耐えるだけの体力・根気が起きない。
1-Isolation Shell(アイソレーション・シェル)
ミドルテンポのヘヴィなハードロックナンバー。サビの部分は若干テンポアップし、メロディも悪くない。だが、それ以外は非常に地味。オープニングとしては弱いが、確かにこれがアルバム全体のイメージを象徴しているとも言える。非常にきびしい内容の作品にあって、これはまだ良い方。
2-Swinelord (スワインロード)
(ほぼ)アルバムタイトルトラック。ミドル〜アップテンポのロックチューン。いまひとつメロディが弱い。途中でしょぼいドラムの音?(コンコン、いやスコンスコンが近いか)が聴こえるが、個人的には嫌い。
3-Reflection Of The Cuckoo (リフレクション・オブ・ザ・クッコ)
ミドル〜アップテンポのメタルナンバー。序盤は速いリズムで入るのでちょっと期待してしまうが、歌が始まるとテンポが落ち着く。ただ、変化の多い忙しい展開。
4-Vice Jesus (ヴァイス・ジーザス)
ミドルテンポのヘヴィなナンバー。特筆すべき特徴のない1曲・・・。
5-Pimps,Witches,Thieves & Bitches (ピンプス・ウィッチズ・シーヴス&ビッチズ)
こちらもスロー〜ミドルテンポのヘヴィなロックナンバー。多少のテンポアップはあるが、似たような曲が多い。サビの部分でバックに聴こえる高音のコーラスはおそらくヴォーカリスト本人の声だとは思うが、正直合ってないというか、耳障りに感じる。不快というか不気味というか。
6-The Gun (ザ・ガン)
スロー〜ミドルテンポのロックチューン。メロディが掴みどころなく、印象にあまり残らない。
7-Not A Word (ノット・ア・ワード)
スローテンポ。アコースティックギターのみの伴奏。雰囲気はやはり暗い。
8-Consume Gap (コンシューム・ギャップ)
ミドルテンポのロックナンバー。サビはコーラスで多少は耳に残りやすいかも。
9-With The Flow (ウィズ・ザ・フロウ)
イントロは若干テンポが速めで、一瞬「お?(・・・これはまだマシか)」と思ったが、すぐにそれも収束し、あくまでこれまでと同じようなヘヴィなサウンドのロックチューン。終わり方は「え?このまま終わるの?」というタイプ。
10-Wounded & Withdrawn (ウーンデッド&ウィズドローン)
怪しげで重苦しい雰囲気のスローチューン。このアルバムのなかでは悪くないほうかな。不気味な雰囲気ではあるが、味はある。
11-Maggots (マゴッツ)
日本盤ボーナストラック。スロー〜ミドルテンポのロックチューン。イントロのギターはちょっと良い。