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CAIN'S OFFERING(ケインズ・オファリング)
元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネン(G)とSTRATOVARIUSのティモ・コティペルト(Vo)が中心となって結成された5人組。ジャンルはメロディックスピードメタル。メンバーは他にも元SONATA ARCTICAのミッコ・ハルキン(Key)、NOTHERのユッカ・コスキネン(B)、DREAM ASYLUM(ヤニ・リマタイネンのバンド)のヤニ・フルラ(Ds)。2015年には多少のメンバー交代をしつつ、待望の2ndアルバムを発売した。ヤニ・リマタイネンにとっては9年振りとなる来日公演も行ったが、その後このバンドの目立った活動は無い。ヤニ・リマタイネン個人では別のプロジェクトやソロでは活動しており、ソロ作ではソナタ・アークティカのトニー・カッコが参加しているのは非常に興味深いが、復帰という話は聞こえてこない。
Mld ★★☆
Spd ★★☆
Key ★★☆
Voc ★☆☆
Vis ★☆☆
アルバムリスト
関連アーティスト
sonata arctica
stratovarius
yngwie malmsteen
GATHER THE FAITHFUL(ギャザー・ザ・フェイスフル)(1st/2009)

デビューアルバム。スピード感のあるナンバーはもちろん、メロディアスなバラードもあり、充実した内容。キーボードサウンドも前面に出ており、中には(ヴォーカルがティモ・コティペルトということもあり)全盛期(!?)のSTRATOVARIUSの未発表曲だと言われても不思議ではない曲も。メロディ派のメタルファンは必聴の1枚である。本当に。ヤニ・リマタイネン脱退後のSONATA ARCTICAの変貌振りにガッカリしていたファンにもうってつけだ。
1-My Queen Of Winter(マイ・クイーン・オブ・ウィンター)
オープニングに相応しいスピードメタルナンバー。歌メロもフックがあり、爽やかなキーボードサウンドも◎。2コーラスめの変調がまたカッコ良い。テクニカルなソロの後の空耳も、覚えてしまえばそうとしか聞こえない。「カレー、そば・・・」(タモリ倶楽部 空耳アワーより) Mld.Spd.Key.
2-More Than Friends(モア・ザン・フレンズ)
キーボードのメロディが印象に残るミドルテンポのナンバー。ソロが良い雰囲気で耳に残る。 Mld.Key.
3-Oceans Of Regret(オーシャンズ・オブ・リグレット)
ミドル〜アップテンポの変化がカッコ良いメタルナンバー。メロディはフックがある。イントロからキーボードの存在感が大きく、キーボード好きにはおすすめ。 Mld.Spd.Key.
4-Gather The Faithful(ギャザー・ザ・フェイスフル)
アルバムタイトルトラックであり、インストゥルメンタル。と言っても、テクニカルなスピードナンバーではなく、落ち着いた雰囲気のスローテンポナンバー。曲調変化あり。じっくり聴かせるタイプ。 Mld.
5-Into The Blue(イントゥ・ザ・ブルー)
フルートの音色が特徴のしっとりとしたスローバラード。キャッチーなメロディをティモ・コティペルトが見事に歌い上げた印象。 Mld.Key.
6-Dawn Of Solace(ドーン・オブ・ソラス)
ゆったりとした曲が続いて不安な気持ちも抱いていた頃に突然現れた疾走曲。1曲目以来のスピードメタルチューンで、終始速いテンポで駆け抜ける。キーボードが前面に出ているところなんか、良い意味で全盛期のSTRATOVARIUSっぽい。歌メロ良し、ソロも良しと、間違いなくキラーチューン。 Mld.Spd.Key.
7-Thorn In My Side(ソーン・イン・マイ・サイド)
ミステリアスなムードを漂わせるキーボードが特長のアップテンポナンバー。メロディが良い。 Mld.Key.
8-Morpheus In A Masquerade(モルペウス・イン・ア・マスカレード)
ミドル〜アップテンポのナンバー。落ち着いた雰囲気かと思いきや、変化が多く、複雑な展開をしており、様々な表情を見せる一曲。 Key.
9-Stolen Waters(ストールン・ウォーターズ)
疾走感あふれるメタルチューン。キーボードは控えめだが良い味を出している。変調もあり、テクニカルなソロも聴きどころ。 Spd.Key.
10-Tale Untold(テイル・アントールド)
日本盤ボーナストラック。アップテンポ〜スピーディと変化がある。キーボードの活躍度も高く、テクニカルなソロバトルがまたカッコ良い。 Spd.Key.
11-Elegantly Broken(エレガントリー・ブロークン)
しっとりとしたピアノが印象的なスローバラード。ここでもティモ・コティペルトの歌唱が光る。 Mld.Key.
STORMCROW(ストームクロウ)(2nd/2015)

6年振りとなる待望の、本当に待望のセカンドアルバム。本作も前作に引き続き、メロディックメタルファンには必聴の内容となっている。メンバーはベーシストとキーボードプレーヤーが交代している。ベースはヨナス・クールベリ、そしてキーボードはイェンス・ヨハンソン。今さら説明の必要はないかもしれないが、STRATOVARIUSのメンバーで、過去にはYNGWIE MALMSTEENのバンドでも弾いていた、お馴染みのキーボード奏者である。今となってはあまりにも遠い昔の、初期のSONATA ARCTICAが好きだったというHM/HRファンはこれを聴けば安心するだろう。素晴らしい楽曲が次々と聴ける。歌っているのがティモ・コティペルトなので、STRATOVARIUSの新作のようにも聴こえるが…。前作で少し気になった曲順も、今作ではバランス良く配置されており、なおかつ相変わらず疾走ナンバーが多いというのは期待を裏切らない嬉しい内容となっている。メロディの良さも忘れてはならない。キーボード奏者の交代による影響はさほど感じない。ただ、ブックレットの解説にシンフォニックな要素が増えているとあるように、作品全体を通してオーケストラを使用している曲が多く、スケールの大きさを感じる。なお、オーケストラアレンジを担当しているのはTURISASも手掛けているペルトゥ・ヴァンスカ。なお、作詞で一部ティモ・コティペルトが参加しているが、全曲ヤニ・リマタイネンが作詞作曲している。
1-Stormcrow(ストームクロウ)
オープニングナンバーとしてぴったりの疾走曲。多少のスピード変化はあるが、全編を通してスピーディな展開。サビの前のちょっとした変調が良い。キーボードの活躍度も大きく、オーケストラアレンジされたうちの1曲。こういう曲をSONATA ARCTICAでも聴いていたかった。 Mld.Spd.Key.
2-The Best Of Times(ザ・ベスト・オブ・タイムズ)
アップテンポのメロディックメタルナンバー。イントロからキラキラとしたキーボードが目立つ。電子音というのか、日本のアーティストの楽曲でも聴いたことがあるサウンドだ。ソロは短いが、イェンス・ヨハンソンらしいキーボードソロが聴ける。発売後しばらくたって公開された映像ではバンドの演奏が見られるものとなっているのでファンは是非。公式ではおそらく唯一。音源はCDと同じだが映像はどこかでのライブの様子を編集したもののようだ。 Mld.Spd.Key.
3-A Night To Forget(ア・ナイト・トゥ・フォーゲット)
スロー〜ミドルテンポのナンバー。キーボードの音色が奥行きの深さをを演出している。暗いというほどではないが、重い雰囲気。 Mld.Key.
4-I Will Build You A Rome(アイ・ウィル・ビルド・ユー・ア・ローマ)
爽やかな高揚感を感じるスピードメタルナンバー。サビは特に盛り上がる。リーダートラックと言ってもいい。シングルカットするならこの曲、というくらいで、間違いなくメロスピファン必聴の1曲。 Mld.Spd.Key.Bri.
5-Too Tired To Run(トゥ・タイアード・トゥ・ラン)
オーケストラアレンジされたスケールの大きなスローテンポのバラード。しっとりと落ち着いた雰囲気で、曲の良さが良く分かる。 Mld.Key.Cla.
6-Constellation Of Tears(コンステレーション・オブ・ティアーズ)
序盤からテクニカルなキーボードが聴けるメロディックスピードメタルチューン。テクニカルなキーボードプレイが満喫できる。キーボード好きには必聴。 Mld.Spd.Key.
7-Antemortem(アンテモーテム)
ミドルテンポのメロディックメタルナンバー。オーケストラアレンジが光る1曲。キーボードサウンドも非常に効果的。スピードは抑えめだが、非常にクールでカッコ良い。かなりオススメ。 Mld.Key.Cla.
8-My Heart Beats For No One(マイ・ハート・ビーツ・フォー・ノー・ワン)
イントロはハイテンポだが、歌い始めるとミドルテンポへと変化する。何気なくさらっと変化する場面が多い。こちらもキーボードが前面に出ている。 Mld.Spd.Key.
9-I Am Legion(アイ・アム・リージョン)
約6分のインストゥルメンタル。ストリングスだけでなくピアノサウンドも聴ける。オーケストラだけでなくクワイアも入り、壮大な雰囲気。テンポ変化があるが、基本はスロー〜ミドルで静かな場面が多い。 Mld.Key.Cla.
10-Rising Sun(ライジング・サン)
静かに始まるが、スピードアップするという定番のスピードメタルナンバー。速いが歌メロも非常に良い。ギターとキーボードのソロバトルはシビレる。 Mld.Spd.Key.
11-On The Shore(オン・ザ・ショア)
本編のエンディングはスローテンポの落ち着いた雰囲気のナンバー。
Mld.
12-Child Of The Wild(チャイルド・オブ・ザ・ワイルド)
日本盤ボーナストラック。出だしからキーボード全開のメロディックメタルチューン。間奏になると若干落ち着くが、キーボードソロはやはりイェンス・ヨハンソンらしいテクニカルなプレイが楽しめる。ボーナストラックには勿体無いほどのクオリティ。というか日本向けという考えかもしれない。 Mld.Spd.Key.