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IMPELLITTERI(インペリテリ)
アメリカ出身4〜5人組。ジャンルは正統派ヘヴィメタル、またはネオクラシカルメタルか。超絶技巧ギタリストとして知られるクリス・インペリテリ(G)が中心となっている。彼が登場した当初、世界最速のギタリストと呼ばれた(最近は分からないが…)。どうしてもイングヴェイの模倣という見方をされてしまうが、ネオクラシカルな音楽性で速弾きならどうしても比較されてしまうのは仕方ないこと。それだけイングヴェイの功績が偉大だということ。
Mld ★☆☆
Spd ★★☆
Cla ★☆☆
Ter ★☆☆
Voc ★☆☆
アルバムリスト
stand in line
answer to the master
screaming symphony
eye of the hurricane
crunch
system x
wicked maiden
関連アーティスト
alcatrazz
mr.big
rainbow
yngwie malmsteen
STAND IN LINE (スタンド・イン・ライン) (1st/1988)
フルレンスアルバムとしては1stアルバム。デビューEPではロブ・ロックがボーカリストを務めていたが、このアルバムではRAINBOWやALCATRAZZで知られるグラハム・ボネットがボーカルを担当。他のメンバーにはその後MR.BIGで活躍するパット・トーピー(Dr)、その他にチャック・ライト(B)、フィル・ウォルフ(Key)という5人。グラハムのボーカルは非常に個性があり、時に強すぎる場合があるが、このアルバムではバランスが良いように感じる。曲が彼のボーカルに合っているためだと思われる。ジャケットのデザインは個人的に◎。
Stand In Line (スタンド・イン・ライン)
鐘の音のSEから始まるミドルテンポのナンバー。キーボードを効果的に使い、広がりのある音になっている。 グラハムのボーカルとのバランスも良い秀曲。メロディラインも良く、テクニカルなソロもカッコ良い。 Mld.Key.Cla.
Since You've Been Gone (シンス・ユーヴ・ビーン・ゴーン)
原曲はラス・バラード。因みにオリジナルのタイトルは「Since You Been Gone」だったがQUEENのブライアン・メイがカバーした際に英文法で正しいと思われるタイトルに変更。グラハムがRAINBOW時代にカバーした曲のインペリテリバージョン。ポップで明るいナンバーだが、歌詞の内容は失恋を歌ったらしい。前向きな歌詞ではある。 Mld.Bri.
Secret Lover (シークレット・ラヴァー)
テクニカルなイントロから始まる。まずまずスピード感あるメタルナンバー。 ソロは速弾きだがメロディも悪くない。 Mld.Spd.Key.
Somewhere Over The Rainbow (サムホエア・オーヴァー・ザ・レインボー)
おそらく誰もが一度は聴いたことのある曲のカバー。ギターインスト。 インペリテリらしいテクニカルなプレイも織り込んでいるが、しつこ過ぎなく◎。 Mld.
Tonight I Fly (トゥナイト・アイ・フライ)
キーボードの音色が壮大な雰囲気を作り出している。スロー〜ミドルテンポのヘヴィな曲。 Mld.Key.Cla.
White And Perfect (ホワイト・アンド・パーフェクト)
アコースティックなイントロから始まる。途中スピードが変わりアップテンポに。 キーボードも良い味を出している。 Key.
Goodnight And Goodbye (グッドナイト・アンド・グッドバイ)
ギターが非常にカッコ良いスピーディーなメタルナンバー。全体を通しては活躍度が低いがイントロのキーボードはとても良い。 Mld.Spd.Key.
Playing With Fire (プレイング・ウィズ・ファイア)
2分半少々のスピード感あるインストゥルメンタル。テクニカルなのは言うまでも無いが、曲もなかなか良い。 Mld.Spd.Key.
ANSWER TO THE MASTER (アンサー・トゥ・ザ・マスター) (3rd/1994)
2ndアルバムと、93年リリースのEP「VICTIM OF THE SYSTEM」を経て発売された3rd。内容は2ndアルバム「GRIN & BEAR IT」のモダンなロックから軌道修正させた前作のEPの音楽性を継承している。このアルバムでのメンバーはクリスの他に、ロブ・ロック(Vo)、ジェームス・アメリオ・プーリ(B)、ケン・マリー(Dr)、マイク・スミス(Key)という5人。
The Future Is Black (ザ・フューチャー・イズ・ブラック)
インペリテリらしいヘヴィなリフが印象的なアップテンポのナンバー。イントロのドラムがなかなかカッコ良い。彼ららしいサビのコーラスも良い。 Spd.
Fly Away (フライ・アウェイ)
ミドルテンポのヘヴィなナンバー。サビはトレードマークと言えるコーラスが聴ける。
Warrior (ウォーリアー)
スロー〜ミドルテンポのメタルチューン。タイトルのフレーズを歌うサビは耳に残る。ソロは勿論テクニカルなプレイが聴ける。
Answer To The Master (アンサー・トゥ・ザ・マスター)
以後もお馴染みとなるギターのリフのイントロで始まるアップテンポのメタルナンバー。ギターは相変わらずテクニカル。 Spd.
Hungry Days (ハングリー・デイズ)
テクニカルなイントロで始まるスピードメタルナンバー。全体を通してギターが非常にカッコ良い。サビはキャッチー。 Spd.
SCREAMING SYMPHONY (スクリーミング・シンフォニー) (4th/1996)
4thアルバム。内容は前作を継承している。ただ、若干似ている曲が多い気もする。1曲目と3曲目はいくらなんでも…。6曲目のインストは聴きごたえ十分。キーボードプレーヤーはエドワード・ハリス・ロスに交代している。ジャケットデザインがカッコ良い。
1-Father Forgive Them (ファザー・フォーギヴ・ゼム)
キャッチーでインペリテリらしいリフから始まるアップテンポなメタルチューン。3曲目とはイントロが酷似しているので、その違いを楽しむという聴き方もアリ。間奏は非常にカッコ良く一聴の価値あり。 Mld.Spd.
2-I'll Be With You (アイル・ビー・ウィズ・ユー)
イントロから非常にカッコ良いギタープレイを聴かせるスピードチューン。ソロではキーボードも使われていて◎。 Mld.Spd.Key.
3-Walk Away (ウォーク・アウェイ)
どこかで聴いたことあるリフだと思ったら1曲目とほぼ一緒。同じアルバム内でこういうのは珍しい。サビの歌メロは悪くない。 Mld.Spd.
4-Kingdom Of Light (キングダム・オブ・ライト)
まずまずのスピード感のメタルナンバー。サビのインペリテリ(ロブ・ロック)印のコーラスはフックがあって良い。ソロは短いながらも速弾き。 Spd.
5-Countdown To The Revolution (カウントダウン・トゥ・ザ・レヴォリューション)
ヘヴィなサウンドのミドルテンポのメタルチューン。サビの歌メロはなかなかキャッチーでやや高揚感も感じる。 Mld.
6-17th Century Chicken Pickin' (セヴンティーンス・センチュリー・チキン・ピッキン)
とにかく速くてテクニカルなインスト。キーボードとのユニゾンもしびれる。速弾きばかりに耳がいくが、メロディラインも置き去りにされていないのが凄いところ。 Mld.Spd.Key.
7-Rat Race (ラット・レース)
サビは非常にフックがあり耳に残るスピードメタルナンバー。リズミカルなギターのリフはインペリテリ印。 Mld.Spd.
8-For Your Love (フォー・ユア・ラヴ)
ミドルテンポのヘヴィなナンバー。怪しげな雰囲気もあるがサビはなかなか良い。タイトルはバラードっぽくもあるが実際は異なる。
9-You Are The Fire (ユー・アー・ザ・ファイア)
インペリテリ印のリフとロブ・ロック印のコーラスが炸裂するアップテンポなメタルナンバー。歌ものながら2分半少々で終わる。 Spd.
EYE OF THE HURRICANE (アイ・オブ・ザ・ハリケーン) (5th/1997)
前作に比べより多彩な曲が収録されている。意外と…というと語弊があるが、今作くらいから非常に美しいバラードが聴けるようになった。
Eye Of The Hurricane (アイ・オブ・ザ・ハリケーン)
ミドルテンポのメタルナンバー。サビのキャッチーなコーラスも彼ら定番のスタイル。キーボードも良いアクセントに。 Mld.
Shed Your Blood (シェッド・ユア・ブラッド)
サビはキャッチーで耳に残る。メロディラインもなかなか◎。他の曲の演奏シーンを繋いでそれっぽく見せたMVも存在したが、オフィシャルなものは見つからないので不掲載。 Mld.
Fuel For The Fire (フュエル・フォー・ザ・ファイア)
静かなイントロは新しいパターン。曲全体はアップテンポなメタルナンバー。歌メロの良さには光るものがある。 Mld.Spd.
Race Into The Light (レース・イントゥ・ザ・ライト)
スピーディでテクニカルかつメロディアスなインストゥルメンタル。キーボードとのユニゾンもカッコ良い。 Mld.Spd.Key.
Bleed In Silence (ブリード・イン・サイレンス)
ミドルテンポのヘヴィなナンバー。ヘヴィではあるが憂いのあるメロディがなかなか良い。 Mld.
Master Of Disguise (マスター・オブ・ディスガイズ)
イントロは静かに始まり、男の声の語りSEが流れる。それが終わると彼ららしいスピードメタルチューンに変わる。 今までにない展開というだけでインパクトがあって良い。曲は似たようなものが多くても(!)こういう工夫で印象に残る。この曲自体なかなか良い。 Mld.Spd.
On And On (オン・アンド・オン)
伴奏はほぼアコースティックギターのみの非常に美しいバラード。こういう曲をやらせても一流。ロブ・ロックの声もバラードにマッチしている。涙を誘われるよりも、癒される、元気が出るタイプの曲。 Mld.Bri.
Everything Is You (エヴリシング・イズ・ユー)
ミドルテンポのへヴィなメタルナンバー。サビは鍵盤のサウンドが良い味を出しており、ウェットなメロディラインが印象的。 Mld.Key.
Halloween (ハロウィン)
ミドルテンポのヘヴィなインストゥルメンタル。テクニカルなプレイが聴けるのはもちろん、曲も悪くない。
Paradise (パラダイス)
これまた美しいスローバラード。イントロからしてピアノ伴奏が美しい。曲がまた素晴らしい。On And Onと同系統で、穏やかな雰囲気で明るい気持ちになるタイプ。 Mld.Key.Bri.
CRUNCH (クランチ) (6th/2000)

前作と同じくバラード曲も含む多彩な内容。ワンパターンになりがちではあるが、歌メロの良さは流石。ただテクニカル、ただ速いだけではここまで生き残れないが、実はメロディもしっかり練られている。また、ドラマーはグレン・ソーベルに交代している。アルバムジャケットは合成写真だと思うが個人的に◎。
1-Beware Of The Devil (ビウェア・オブ・ザ・デヴィル)
スピード感溢れるメタルチューン。歌メロもなかなか良い。1曲目に相応しい。 Mld.Spd.
2-Turn Of The Century (ターン・オブ・ザ・センチュリー)
サビのコーラスがキャッチーなスピードメタルナンバー。個人的に好きな1曲。 Mld.Spd.
3-Speed Demon (スピード・ディーモン)
リズミカルでキャッチーなリフがインペリテリ印のメタルナンバー。サビはフックがあってカッコ良い。 Spd.
4-Wake Me Up (ウェイク・ミー・アップ)
怪しげなムードのイントロから始まるミドルテンポのヘヴィなナンバー。幽霊的なサウンドはちょっとユニークにも感じる。 Key.
5-Spanish Fire (スパニッシュ・ファイア)
超絶技巧のギタープレイが炸裂するインスト。速いが全編通してというわけでなく、変化も多い。 Spd.
6-Slay The Dragon (スレイ・ザ・ドラゴン)
スロー〜ミドルテンポのヘヴィなメタルチューン。テクニカルなギタープレイがなかなか良い。
7-Wasted Earth (ウェイステッド・アース)
幻想的なSEのイントロから始まるスローな曲。変化し速い部分も。サビの後、バックに聞こえる怪しげな声のSEが不気味。
8-Forever Yours (フォーエヴァー・ユアーズ)
ギターの旋律が美しいバラードナンバー。こういう曲も作れるのは強み。パワーバラードではなくとことん綺麗なバラードという点も潔くて◎。本当に良い曲。ボーカルも良い。 Mld.Ter.
9-Texas Nuclear Boogie (テキサス・ニュークリア・ブギー)
グルーヴィーな曲調のインストゥルメンタル。テクニカルなギタープレイが炸裂している。 Mld.Ter.
10-Fear No Evil (フィア・ノー・イーヴル)
ミドルテンポのメタルナンバー。全体的にはヘヴィでダークな印象だが、サビはキャッチー。
SYSTEM X (システム X) (7th/2002)

グラハム・ボネットが復帰した7th。スピード感が幾分抑えられた印象の曲が並び、ヘヴィな曲が多い。前作までの流れとは異なり、グラハムが歌った「STAND IN LINE」ともまた異なる内容。歌メロが弱く、かなり地味な内容となってしまった印象。それでも、序盤に速い曲を持ってくるなど、曲順を変えれば多少印象は変わったかも。因みに、ドラマーは前作から引き続きグレン・ソーベルが務めているが、なぜかジャケット写真には載っていない。彼は当時BEAUTIFUL CREATURESのドラマーとしても活動していたので、それで忙しかったからか…。
1-United We Stand (ユナイテッド・ウィ・スタンド)
ミドルテンポでヘヴィなリフが特徴のメタルナンバー。オープニングナンバーとしてはいま一つだが、アルバム全体を象徴しているとも言える。
2-Perfect Crime (パーフェクト・クライム)
インペリテリらしいリフから始まるミドルテンポの曲。イントロの感じだと、もう少し速いテンポになりそうだったが、途中で変化はあるものの、全体を通してはスピード抑えめ。ギターソロはなかなかカッコ良い。
3-End Of The World (エンド・オブ・ザ・ワールド)
キーボードが怪しげな雰囲気のミドルテンポの1曲。こちらもテクニカルなソロが聴ける。ソロの間に曲調が大きく変化する部分はなかなか良い。
4-She's A Nighttime Lover (シーズ・ア・ナイトタイム・ラヴァー)
キャッチーなリフのミドル〜アップテンポのメタルチューン。歌メロは悪くない。ギターソロも◎。
5-Slow Kill (スロー・キル)
このアルバムでは数少ないスピード感のあるメタルナンバー。エレキピアノのサウンドはあまり聴こえないが良い味付けになっている。 Mld.Spd.Key.
6-Why Do They Do That (ホワイ・ドゥ・ゼイ・ドゥ・ザット)
ダークでヘヴィなスローチューン。キーボードのサウンドが不気味な雰囲気を醸し出す。 Key.
7-Rock & Roll Heroes (ロックン・ロール・ヒーローズ)
スピード感あるメタルナンバー。サビの歌メロはまずまず良い。当然テクニカルなギターソロもある。 Spd.
8-Gotta Get Home (ガッタ・ゲット・ホーム)
ピアノの怪しげなメロディから始まるアグレッシヴなスピードメタルチューン。 Spd.Key.
9-What Kind Of Sanity (ホワット・カインド・オブ・サニティ)
ミドルテンポのヘヴィなメタルチューン。リズミカルでノリやすいが、地味な印象。
10-Falling In Love With A Stranger (フォーリング・イン・ラヴ・ウィズ・ア・ストレンジャー)
ヘヴィながら、まずまずキャッチーな歌メロのミドルテンポの曲。
WICKED MAIDEN (ウィキッド・メイデン) (9th/2009)

ロブ・ロックが復帰した9thアルバム。前作は未聴だが、やはりロブが歌ってこそインペリテリという安心感がある。内容もネオクラシカルなヘヴィメタルに回帰した印象。ただ、歌メロは以前ほどの良さはないか。ある意味キラーチューンとも言えるバラードもない点は物足りない。様々な音色を使うという工夫で曲の弱さを補おうとしている印象も受ける。なお、メンバーはクリス、ロブの他にジェームズ・アメリオ・プーリ(B)、ブランドン・ワイルド(Dr)という4人。
1-Wicked Maiden (ウィキッド・メイデン)
リズミカルなリフから始まるスピードメタルナンバー。怪しげなキーボードの間奏部は面白い。 こういった工夫は素直に評価したい。 Spd.
2-Last Of A Dying Breed (ラスト・オブ・ア・ダイイング・ブリード)
キーボードを上手く使ったスピードチューン。サビはフックがあって耳に残る。 Spd.Key.
3-Weapons Of Mass Distortion (ウェポンズ・オブ・マス・ディストーション)
スピーディーなギタープレイから始まるメタルナンバー。ピアノの音色も効果的。 Spd.Key.
4-Garden Of Eden (ガーデン・オブ・エデン)
ミドル〜アップテンポのメタルナンバー。途中やや変化があるが、大きな変化ではなく、正直地味な印象。
5-The Vision (ザ・ヴィジョン)
イントロからテクニカルなギタープレイが炸裂。曲全体としてはスローでヘヴィな1曲。サビのサウンドはややユニークで特徴的。
6-Eyes Of An Angel (アイズ・オブ・アン・エンジェル)
バックでキーボードの音色も上手く使ったミドルテンポのナンバー。
7-Hi-Scool Revolution (ハイ・スクール・レヴォリューション)
グルーヴィーな曲調のミドルテンポのメタルナンバー。ギターソロは非常にカッコ良い。ただ印象に残るメロディはない。
8-Wonderful Life (ワンダフル・ライフ)
不思議なメロディラインのスピードメタルナンバー。サビはフックのあるコーラス。キーボードも良いアクセントに。 Spd.Key.
9-Holy Man (ホーリィ・マン)
忙しく変化するドラムが特徴のイントロのミドルテンポチューン。冷たいピアノの音色もユニーク。 Key.
10-The Battle Rages On (ザ・バトル・レイジズ・オン)
スロー〜ミドルテンポのヘヴィなナンバー。バックで色々サウンドが流れる工夫はあるが、曲がちょっと弱い。