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ANGRA(アングラ)

ブラジル出身の5人組。ジャンルとしてはメロディックメタルが妥当かと思うが、ジャーマンメタルの括りで扱われることもある。結成時のメンバーは元VIPERのアンドレ・マトス(Vo)が中心となり、キコ・ルーレイロ(G)、ラファエル・ビッテンコート(G)、ルイス・マリウッティ(B)、マルコ・アントゥネス(Dr)という5人。しかしその後、メンバーの脱退が相次ぎ、残ったのは2人のギタリストだけになりバンド存続の危機。それでもその2人で新たな曲を作り、新メンバーを迎え、4thアルバムの「REBIRTH」を完成させ完全復活。2012年にアンドレ・マトスの後任として長らくバンドの顔であった、エドゥ・ファラスキ(Vo)の脱退が発表された。後任ヴォーカリストはアンドレ・マトス復帰の噂もあったが、ライヴで代役を務めたRHAPSODY OF FIREのファビオ・リオーネがそのまま後任となっている。ただ正直、アングラの音楽スタイルとは合ってない気がする。上手いことは間違いないが、単調な感じが…。なおアンドレ・マトスは2019年に他界。キコ・ルーレイロはMEGADETHに専念するため2018年に脱退したが、2023年末頃に家庭の事情でMEGADETHからも脱退した。

Mld ★☆☆
Spd ★☆☆
Bri ★☆☆
Ori ★☆☆
Vis ★☆☆

作品リスト

angels cry
holy land
rebirth
rebirth world tour(live dvd)
temple of shadows
aurora consurgens
aqua

関連アーティスト

blind guardian
gamma ray
iron maiden
megadeth
rhapsody of fire

ANGELS CRY(エンジェルズ・クライ)(1st/1993)

ANGELS CRYジャケット画像

デビューアルバムでありながら、最高傑作とも名高い作品。スピードチューンが多く、日本人の琴線に触れるような叙情的な雰囲気がある曲も多い。

1-Unfinished Allegro(アンフィニシュド・アレグロ)

2曲目につながる壮大なイントロダクション。高揚感があり、最後に向かって盛り上がるというこのパターンの手本ともいうべき曲。 Mld.Cla.

2-Carry On(キャリー・オン)

初期アングラの名曲。2曲目のイントロから続く、という流れはHM/HRでは非常によくあるパターン。なぜそんなに多用されるかというと、やっぱり盛り上がるからだろう。この曲はその典型。曲も良い。 Mld.Spd.Bri.

3-Time(タイム)

アコースティックギターで入るイントロから、途中でアップテンポになる。MVも制作された。イントロのツインギターのシーンはカッコ良すぎ。またキコ・ルーレイロのピンクのギターが鮮やか。後半のソロに入る前のギターソロはキャッチーで耳に残る。これまた秀曲。 Mld.Bri.

4-Angels Cry(エンジェルズ・クライ)

アルバムタイトルトラック。曲調が途中で変化し、スローな部分とスピーディーな部分がある。長めの曲だが飽きない。 Spd.Cla.

5-Stand Away(スタンド・アウェイ)

作曲はこのアルバムで唯一ビッテンコートの単独(他はマトス単独かビッテンコートとの共作)。スローテンポの曲だが変化があり、飽きない。

6-Never Understand(ネヴァー・アンダースタンド)

ミドルテンポで始まるが途中で変調し、スピード感が出てくる。8分弱は少々長いか。 Spd.

7-Wuthering Heights(嵐が丘)

恋のから騒ぎのオープニング曲でお馴染みのケイト・ブッシュのカバー。キーは高いがそれでも歌えるアンドレ・マトスは流石。ただ、その歌声が苦手な人もいるようで…。 Mld.

8-Streets Of Tomorrow(ストリーツ・オブ・トゥモロウ)

ヘヴィなイントロからは想像しづらいが、途中からスピード感が増し、サビの部分はけっこう明るい雰囲気すら感じる。変化が多く忙しい印象。 Spd.Bri.

9-Evil Warning(イーヴル・ウォーニング)

全体を通して速い曲。キーボードも非常に良い存在感がある。個人的にこういう音はかなり好き。ソロもカッコいい。アングラらしい1曲。 Mld.Spd.Key.Bri.

10-Lasting Child(ラスティング・チャイルド)

スローなバラード調の曲。2部に分かれている長編。 Mld.

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HOLY LAND(ホーリー・ランド)(2nd/1996)

HOLY LANDジャケット画像

ドラマーに新たにリカルド・コンフェッソーリを迎えた2ndアルバム。コンセプトアルバムではあるが、曲ごと独立した作りなっている。様々な楽器を使うなど、クラシックの要素が増した作品になっている。

1-Crossing(クロッシング)

アルバム全体のイントロダクションという意味合いが強い。2曲目への繋がりは少ない。 Ter.Dar.

2-Nothing To Say(ナッシング・トゥ・セイ)

アルバムのリーダートラックとも言うべき曲。アングラらしいスピードチューン。ライブでもよくセットリストに加えられる。 Spd.

3-Silence And Distance(サイレンス・アンド・ディスタンス)

彼ららしい明るさがある1曲。ミドルテンポ。 Bri.

4-Carolina W(キャロライナW)

ラテンのリズムも取り入れた独特なムードが漂う。テンポが変わり、長尺ながら飽きない。 Spd.Ori.

5-Holy Land(ホーリー・ランド)

これもまた独特の雰囲気がある。イントロはピアノから入り、変化の多い構成。 Ori.

6-The Shaman(シャーマン)

荘厳なイントロから始まる1曲。 Cla.

7-Make Believe(メイク・ビリーヴ)

ハモンドオルガンを使用した穏やか、柔らかな空気感があるスロー〜ミドルテンポの1曲。ライブで演奏されることも多い。MVは不思議な世界観。 Mld.Key.

8-Z.I.T.O.

アングラらしいキーボードが良い味を出している疾走曲。 Spd.Key.

9-Deep Blue(ディープ・ブルー)

オルガンが使われたミドルテンポの曲。 Key.

10-Lullaby For Lucifer(ララバイ・フォー・ルシファー)

アンドレ・マトスの独唱のようなスローな1曲。

11-Queen Of The Night(クイーン・オブ・ザ・ナイト)

日本盤ボーナストラック。ミドルテンポの曲。

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REBIRTH(リバース)(4th/2001)

REBIRTHジャケット画像

新メンバーにエドゥ・ファラスキ(Vo)、フェリペ・アンドレオーリ(B)、アキレス・プリースター(Dr)を迎えた新生アングラとしての最初のアルバム。どのメンバーも実力は十分すぎるほど。因みにエドゥ・ファラスキはアイアン・メイデンの新ボーカリストのオーディションで最終選考まで残ったらしい。アルバムの内容は随所にこれからの希望・明るい未来という前向きな雰囲気を感じる。苦しい時期を乗り越えただけあって捨て曲なしの名盤。作曲はラファエル・ビッテンコートとキコ・ルーレイロ共作が多いが、エドゥ・ファラスキが3曲(ボーナストラック含む)、ドラマーのアキレス・プリースター共作もある。さらに作詞はほとんどがラファエル・ビッテンコートだが、1曲でフェリペ・アンドレオーリも名を連ねており、バンド全体で作った印象が強い。

1-In Excelsis(イン・エクセルシス)

2曲目につながる壮大なイントロ。この流れは1stアルバムと同じ。 Mld.Cla.

2-Nova Era(ノヴァ・エラ)

新生アングラの代表曲。1stアルバムと同じ流れにしたのは、ここから“再び”アングラのスタートという狙いがあったかと。それはタイトルからも感じられる。(ノヴァ=新しい)。作曲はファラスキ、ルーレイロ共作。作詞にアンドレオーリの名前がある。(映像は音源のみだが、オフィシャルページにあるので載せておく) Mld.Spd.Bri.

3-Millennium Sun(ミレニアム・サン)

隠れた秀曲。個人的にかなりお気に入り。聴いていて元気が出る曲。静かな出だしから、途中から盛り上がるはやはり1stの3曲目と通じる。曲はルーレイロ、ビッテンコート共作。 Mld.Bri.

4-Acid Rain(アシッド・レイン)

間奏がユニーク。パーカッションが民族音楽っぽさを出していて良い。ただ、実はアルバムに入る前のヴァージョンは違っていて、もっとシンプルだった。個人的にはそっちのほうが好きかも…。作詞作曲ビッテンコート。(映像は音源のみだが、オフィシャルページにあるので載せておく) Ori.

5-Heroes Of Sand(ヒーローズ・オブ・サンド)

静かに始まるスローテンポの曲だが、サビに近づくとは変調する。じっくり歌い上げるボーカルが良い。こういう曲を中盤にもってくると全体に流れが出て良い。個人的におすすめ。作曲はファラスキ。

6-Unholy Wars(アンホーリー・ウォーズ)

ブラジル風の出だしが特徴の曲。2部に分かれていて、途中からリズム、テンポが変わり速くなる。途中で転調するのは聴いていて楽しく、8分という長さをあまり感じない。仕切り直しのように転調する部分が後になってもう一度出てくるのは面白い。曲はルーレイロ、ビッテンコート共作。 Spd.Ori.

7-Rebirth(リバース)

サビの詞のリズムが心地良いバラード。綺麗な曲だと思って聴いていると、ソロでは突然速くなるのは面白い。曲はビッテンコート、ルーレイロ共作(名前の表記順が異なるのは意図的かは不明)。 Mld.

8-Judgement Day(ジャッジメント・デイ)

ヘヴィなイントロだが、サビになると一転して明るい雰囲気すら感じるアングラらしい曲。へヴィなギターリフのバックで流れるピアノが良い。作曲はルーレイロ、ファラスキ、プリースター。 Key.Bri.

9-Running Alone(ランニング・アローン)

疾走感のある明るい曲。ピアノソロが良い。お気に入り。アングラらしい高揚感もある。作詞作曲ビッテンコート。 Mld.Spd.Key.Bri.

10-Visions Prelude(ヴィジョンズ・プレリュード)

綺麗なスローバラード。アルバムのラストにふさわしい。ショパンの24の前奏曲(プレリュード)ハ短調(Cマイナー)という楽曲を基にしている。 Mld.

11-Bleeding Heart(ブリーディング・ハート)

日本盤ボーナス。…にはもったいないくらい良い曲。ファラスキ作曲。イントロからの静かな曲調が個人的にはかなり好き。 Mld.Key.

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REBIRTH WORLD TOUR(リバース・ワールド・ツアー)(Live DVD/2004)

REBIRTH WORLD TOURジャケット画像

2001年12月、ブラジルのサンパウロで行われたライブを収録。新生アングラとしての最初のツアーで、地元いうこともあり特別な意味のあるライブだろう。セットリストは主に「REBIRTH」収録曲で構成されており、それ以外は1stから4曲、2ndから3曲、3rdから1曲。活き活きとして、楽しそうに演奏しているのが印象的。セットリストの最後にはアイアン・メイデンの名曲もカバーしている。ドラムソロの最初はジューダス・プリーストのPain Killerのドラムリフにも聴こえる。特典映像も充実しており、ワールドツアーの各地での様子やバックステージ映像など。MVは「Rebirth」と母国語であるポルトガル語で歌ったポップな「Pre Frante Brazil」(前者はこのライブ映像を編集したものでMVと呼ぶほどのものではない)。日本でのライブ映像から「Hunters And Prey」(「REBIRTH」の先行ミニアルバムに収録)も収録されている。どうでもいい話だが、ライブっぽい言い方だと「サンパウロー!」が「さっぽろー!」に聞こえる。

1.In Excelsis
2.Nova Era
3.Acid Rain
4.Angels Cry
5.Heroes Of Sand
6.Metal Icarus
7.Millennium Sun
8.Make Believe
9.drum solo
10.Unholy Wars
11.Rebirth
12.Time
13.Running Alone
14.Crossing
15.Nothing To Say
16.Unfinished Allegro
17.Carry On
18.The Number Of The Beast(IRON MAIDEN)

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TEMPLE OF SHADOWS (テンプル・オブ・シャドウズ) (5th/2004)

TEMPLE OF SHADOWSジャケット画像

バンドとしては通算5枚目、新生アングラの2枚目のスタジオアルバム。十字軍や宗教といった歴史を土台とした物語のコンセプト作。その詳細が気になる方は是非ご自身で購入して楽しんでいただきたい。作品としては、新しい顔ぶれとなった前作を気に入った方なら間違いなく楽しめる内容となっている。適度に配置されたスピードチューンはどれも必聴。もちろんそういった曲以外も良いメロディの曲が並んでいる。発売から随分後になってからのレビューだが、勿論古臭さとは無縁。エドゥ・ファラスキが既にバンドを離れているという現実がより残念に感じる。作詞はラファエル・ビッテンコート、作曲はキコ・ルーレイロというのがほとんどだが、2〜4曲目はエドゥ・ファラスキも作曲でクレジットされている。ゲストにガンマ・レイのカイ・ハンセン、ブラインド・ガーディアンのハンズィ・キアシュ、エデンブリッジのサビーネ・エデルスバッカー等が参加しており、詳細は各曲のコメントを参考にしてもらいたい。本作を最高傑作に挙げるファンも少なくない。名盤。

1-Deus Le Volt! (デウス・レ・ヴォート!)

定番のプロローグ。次の曲へ繋がるインスト。静かで怪しげなムード。期待高まる前に2曲目になだれこむ印象。

2-Spread Your Fire (スプレッド・ユア・ファイア)

今やエドゥ・ファラスキ時代のアングラの代表曲と言えるリーダートラックで、スピード感溢れるメタルナンバー。フックのあるサビ、非常にノリやすいリズムもライブで盛り上がる一因。サビーネ・エデルスバッカーが美しいコーラスで参加。2コーラス後のギターがシビレる。(以下の映像はアングラ時代ではなく、ソロとして活動するエドゥ・ファラスキのバンドのバージョンだが、ドラムは当時アングラのアキレス・プリースターなので、ほぼアングラ。キーを下げて歌っていたり、ツインギターのハモリが無いなど、物足りなさはある) Mld.Spd.Bri.

3-Angels And Demons (エンジェルズ・アンド・ディーモンズ)

連続して疾走感のあるメタルチューン。こちらもライブで高確率で演奏されるナンバーだが、難解というか、非常に難しいリズムなので、前曲から比べるとノリにくい。でもそれを含めて聴きごたえのあるオススメの一曲。 Mld.Spd.

4-Waiting Silence (ウェイティング・サイレンス)

ミドルテンポのメタルチューン。曲はなかなか良いが、クッション的な意味合いも感じる。曲順からしても。間奏部はテンポ変化があって良い。作曲はエドゥ・ファラスキ単独。 Mld.Key.

5-Wishing Well (ウィッシング・ウェル)

穏やかな雰囲気を持つスローテンポの一曲。メロディが素晴らしく、雰囲気通り心が落ち着く。 Mld.Bri.

6-The Temple Of Hate (ザ・テンプル・オブ・ヘイト)

カイ・ハンセンが参加しているほぼ(?)アルバムタイトルトラックのスピードメタルナンバー。どこで参加しているかは聴くとなるほどすぐ分かる。ヴァイオリンが良い雰囲気を作り出している。(以下の映像は2曲目と同様。同じコンサートでの収録のようで、なんとカイ・ハンセン本人の姿も) Mld.Spd.Key.Cla.

7-The Shadow Hunter (ザ・シャドウ・ハンター)

8分超の大作。静かにアコースティックギターで始まる。初めはスローテンポだが、変化があり一定しない。速くはないが、ギターソロが個人的には好き。 Mld.

8-No Pain For The Dead (ノー・ペイン・フォー・ザ・デッド)

エドゥ・ファラスキが朗々と歌い上げるオープニングで幕を開けるスローテンポのロックナンバー。2曲目に続き、サビーネ・エデルスバッカーが美しい歌声を披露している。 Key.

9-Winds Of Destination (ウィンズ・オブ・デスティネイション)

激しいリズムで幕を開けるスピードメタルナンバー。いきなりゲスト参加のハンズィ・キアシュの歌声が聴ける。変化がありピアノ伴奏のみの静かな部分もある。スピーディーなソロも良い。約7分と長めではあるが、あっという間に駆け抜けていく印象。 Mld.Spd.Key.

10-Sprouts Of Time (スプラウツ・オブ・タイム)

スロー〜ミドルテンポのロックナンバー。民族音楽風のパーカッションだけでなく、中盤にはアコースティックギターとピアノの演奏が加わり、独特の雰囲気を醸し出している。 Key.Ori.

11-Morning Star (モーニング・スター)

ミドルテンポのロックナンバー。7分半以上という長尺。曲は悪くないし、展開には変化があり、単調ではないが、もうひとつ深く印象に残る要素も少ない。ソロはなかなかテクニカルでカッコいい。

12-Late Redemption (レイト・リデンプション)

スロー〜ミドルテンポのロックナンバー。雰囲気は重め。ブラジルでは有名なミルトン・ナシメントというアーティストがゲストヴォーカルとして参加している。

13-Gate XV (ゲート13)

オーケストラを取り入れたスケールの大きなインストゥルメンタル。映画のサウンドトラックのよう。 Mld.Cla.

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AURORA CONSURGENS(オーロラ・コンサルジェンス)(7th/2006)

AURORA CONSURGENSジャケット画像

前作に続きコンセプトアルバムに近い6thアルバム。全体を通して、独特のムードがある。疾走曲が少なめなので、そういうのを求める人には物足りないかもしれないが、なかでもキラリと光る2,5曲目のようなスピードチューンは一聴の価値あり。聴けば聴くほど味があり、メロディが良い曲も多い。個人的にはかなり聴き込んだこともありお勧め。 因みに、BURRN!誌の特集記事によるとサウンドはめちゃめちゃ良いとのこと。そう言われてみれば…。

1-The Course Of Nature(ザ・コース・オブ・ネイチャー)

アップテンポでダークな印象だが曲は良い。アルバムの1曲目としては珍しいタイプの曲。作曲はファラスキ。MVが制作された。 Mld.Drk.

2-The Voice Commanding You(ザ・ヴォイス・コマンディング・ユー)

速い曲が好きな人(自分も含めて)にはこの曲がこのアルバムのメインか。スピード感があり、イントロから惹きつけられる。ソロ後のコーラスも良い。 Mld.Spd.

3-Ego Painted Grey(エゴ・ペインティド・グレイ)

暗い印象の曲だが、部分的に明るい部分も。聴きこむとメロディが良い。 Mld.Drk.

4-Breaking Ties(ブレイキング・タイズ)

スローテンポだが明るめな雰囲気。3曲目までの緊張した雰囲気を和ませるという意味「ここで一息」という感じの曲。全体の流れを作る上で重要な曲。ファラスキ作曲。アンドレオーリ作詞。 Bri.

5-Salvation Suicide(サルヴェイション・スーサイド)

変化の多いタイプの、ある意味アングラらしいスピードチューン。前の曲が効果的があるからこそ目立つ。シンプルにカッコいい。 Spd.

6-Window To Nowhere(ウィンドウ・トゥ・ノーホエア)

スピード感も感じるアップテンポな曲。イントロからツインギターがとてもカッコ良い。 Spd.

7-So Near So Far(ソー・ニアー・ソー・ファー)

あやしげなイントロから始まるスローな曲。サビに来ると明るい雰囲気を感じる。アコースティックギターが光る。秀曲。7分を超えるがそこまでの長さは感じない。 Mld.

8-Passing By(パッシング・バイ)

スロー〜ミドルテンポででヘヴィなリフが多いがサビは「希望」が見えるような明るめな印象。作詞作曲はベーシストのアンドレオーリ単独。 Bri.

9-Scream Your Heart Out(スクリーム・ユア・ハート・アウト)

イントロからテクニカルなプレイがしばらく続くのでギターインストゥルメンタルかと思ってしまう。ソロの最初のほうの音が個人的に好き。

10-Abandoned Fate(アバンダンド・フェイト)

スローで静かな印象の曲。アルバムの最後がこういうタイプの曲というのはアングラの定番か。

11-Out Of This World(アウト・オブ・ディス・ワールド)

日本盤ボーナストラック。歌っているのはギタリストのラファエル・ビッテンコート。けっこう上手い。 (ライブでは時々メンバーがそれぞれ違う楽器でプレイすることがある。そのときボーカルは彼。) Mld.

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AQUA(アクア)(7TH/2010)

AQUAジャケット画像

通算7枚目のスタジオアルバム。結果としてはエドゥ・ファラスキ在籍時代(第2期)の作品としては最後となった。今作もコンセプトアルバムで、シェイクスピアの「テンペスト」を題材としているようだ。(申し訳ないが、私はあまり詞を読まないので、ストーリーに合っているとか、そういう点はレビューに反映していない。興味のある方はご自身で調べていただきたい。)コンセプトアルバムとは言え、5分前後とコンパクトな曲が多いのはいつものことながら聴きやすい点は良い。ただ、今作は前作に比べて音質が低下しているように思う。ややこもっているような。さらに、曲のバリエーションや、質でももう一つかと。彼らに速い曲を求めるファンは、なおさら不満が残る内容ではないだろうか。BURRN!の人気投票でランク外というのも分かる気がする。初めて聴いて強烈なインパクトを残すタイプの作品ではない。ただし、良い曲はあるので、聴き込めばこの作品の評価も変わるかもしれない。変化が多く、プログレの要素が強いので、そちらが好みのファン向けかも。メンバーはドラマーのアキレス・プリースターが脱退し、リカルド・コンフェッソーリが復帰。各曲で作曲者が違うので名前の頭文字を使って、それぞれのレビューに記載しておく。EF=エドゥ・ファラスキ、RB=ラファエル・ビッテンコート、KL=キコ・ルーレイロ、FA=フェリペ・アンドレオーリ、RC=リカルド・コンフェッソーリ。作詞者は割愛する。

1-Viderunt Te Aquae(ヴィデルント・テ・アクエ)

短いインストでアルバムのイントロダクション。期待の高まるクワイアや鐘の音から、2曲目への流れていくという定番の1曲目。音自体は一旦切れているが、連続で2曲目を聴いた方がカッコ良い。作曲RB。

2-Arising Thunder(アライジング・サンダー)

実質のオープニングトラック。定番のスピードナンバーで、彼ららしい1曲。テクニカルなプレイも楽しめる。ただしサウンドの奥行きがあまり感じられず、やや物足りない印象。曲自体は良く、それだけに勿体無い。作曲EF、KL。映像はアルバムのリリースから10年後にあたる「2020 Remixed」のリリックビデオ。こちらの方がサウンドが良い気がする。 Mld.Spd.

3-Awake From Darkness(アウェイク・フロム・ダークネス)

ミドル〜アップテンポのロックナンバー。3分半ほどで曲調がガラッと変わる。プログレ要素が強く、これはこれでアングラらしい。作曲EF、RB、FA。 Spd.

4-Lease Of Life(リース・オブ・ライフ)

ピアノが印象深いスローバラード。曲が非常に良い。作曲EF。 Mld.Key.

5-The Rage Of The Waters(ザ・レイジ・オブ・ザ・ウォーターズ)

数少ないスピードメタルチューン。テクニカルなギターがカッコ良いが、メロディはいまひとつか。相変わらず変化が多い。作曲RB、FA、RC。 Spd.

6-Spirit Of The Air(スピリット・オブ・ジ・エアー)

スロー〜ミドルテンポのナンバー。曲は悪くないのだが、やや地味な印象。穏やかなムードと言うこともあり、息抜き的な1曲。作曲EF、KL。

7-Hollow(ホロウ)

怪しげなメロディのアップテンポチューン。曲はまずまず。複雑な展開。スピード感のある部分もある。作曲RB、FA。 Spd.

8-Monster In Her Eyes(モンスター・イン・ハー・アイズ)

スローテンポで悲しげなメロディのナンバー。静かに始まるが、サウンドはヘヴィ。似たような曲が続くため、正直あまり印象に残らない。作曲RB。

9-Weakness Of A Man(ウィークネス・オブ・ア・マン)

民族音楽風のイントロで幕を開けるスロー〜ミドルテンポのナンバー。落ち着いた雰囲気で、曲はまずまず良い。アコースティックギターが特徴。作曲KL、RB。

10-Ashes(アッシズ)

アルバム本編のラストを飾るスローチューン。静かなピアノで始まる。エンディングに相応しい雰囲気。作曲KL。

11-Lease Of Life(Remixed Ver.)(リース・オブ・ライフ リミックス・ヴァージョン)

日本盤ボーナストラック。4曲目のリミックスバージョンということだが、リミックスというよりアコースティックバージョンという表現のほうがしっくりくる。オリジナルと大きな印象の違いはない。ボーナストラックとしても地味な印象。正直なところ、ボーナストラックを入れたほうがいいということで無理矢理入れた印象だ。商いの匂いが強い…。 Key.

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