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AVANTASIA(アヴァンタジア)
正確にはTOBIAS SAMMET'S AVANTASIA(トビアス・サメッツ・アヴァンタジア)。ジャンルはメロディックスピードメタルやメロディックパワーメタル、ジャーマンメタル。EDGUYの中心人物であるトビアス・サメットが立ち上げたプロジェクト。夢のような豪華なメンバーが参加しており、正直1枚のみのプロジェクトになると思っていたのだが、参加メンバーは代わりながらもコンスタントにアルバムを発表している。しかも、何度もライヴを行っているというのが驚きだ。さすがに過去に携わったアーティスト全員参加ではないが、それでも豪華なメンバーで、来日公演も行っている。細かな参加メンバーはレビュー済みのアルバムで確認していただきたいが、主なメンバーとしては、ヴォーカリストではマイケル・キスク、カイ・ハンセン、元ANGRAのアンドレ・マトス、MR.BIGのエリック・マーティン、元RAINBOWのジョー・リン・ターナーなど。その他にも元STRATOVARIUSのティモ・トルキ、HELLOWEENのマーカス・グロスコフなどが参加した。マイケル・キスクがメタル界に戻って来たのは、このプロジェクトにおけるトビアス・サメットの貢献(功績?)があってこそとされている。
Mld ★★☆
Spd ★☆☆
Key ★☆☆
Cla ★☆☆
Bri ★☆☆
Ori ★☆☆
Voc ★☆☆
アルバムリスト
the metal opera
the metal opera part2
moonglow
関連アーティスト
angra
at vance
blind guardian
bob catley
edguy
gamma ray
heavens gate
helloween
impellitteri
masterplan
mr.big
pretty maids
rainbow
rhapsody of fire
stratovarius
THE METAL OPERA (ザ・メタル・オペラ) (1st/2000)

1stアルバム。クレジットを見ると、マイケル・キスクは参加しているが、名前は「ERNIE」とされている。声を聴けば一発で分かるのだが、当時としてはGAMMA RAY以外でメタル作品に参加したのはこれが初めてということらしく、それが話題にもなっていたための狙いだろう。作品は壮大なコンセプトアルバムということで、ストーリーも楽しみたいという方には歌詞カードを熟読するといいのでは。曲はスピード感あふれるメタルナンバーが多い。ジャーマンメタルらしく、高揚感のあるメロディで、コーラスも期待通り。コンセプトアルバムではあるが、最長で9分半を超える曲が1曲あるだけで、5〜6分という長さの曲が多く、聴きやすい。合間に1分少々のつなぎのインストゥルメンタルが数曲ある。そういった曲を除くと、日本盤ボーナストラックを含めて、実質11曲と考えたほうがいい。2ndと参加メンバーはほぼ同じ。全曲で演奏しているとクレジットされているメンバーはGAMMA RAYのヘニユ・リヒター(G)、HELLOWEENのマーカス・グロスコフ(B)、RHAPSODY OF FIREのアレックス・ホルツヴァルト(Ds)。各曲で参加しているメンバー(レビュー欄にはイニシャルで記載)は、ヴォーカルでマイケル・キスク(MK)、VIRGIN STEELのデイヴィッド・ディフェイズ(DD)、Ralf Zdiarstek(RZ)、WITHIN TEMPTATIONのシャロン・デン・アデル(SDA)、IMPELLITTERIのロブ・ロック(RR)、元AT VANCEのオリヴァー・ハートマン(OH)、アンドレ・マトス(AM)、カイ・ハンセン(KH)、語りでティモ・トルキ(TT)、EDGUYのイェンス・ルドウィグ(JL)、Norman Meiritz(NM)、ピアノでFrank Tischer(FT)。(一部存じ上げない方はアルファベット表記にしている)。レビュー順が2ndと逆になってしまっているため、時系列や文言が不自然な点はご了承いただきたい。
1-Prelude (プレリュード)
定番のプロローグと言えるインストゥルメンタル。ただし、1分少々と短く、中身もあまりない。静かすぎて始まっているのかしばらく分からず、盛り上がりきらずに2曲目へ流れこむ印象。もっと長く、期待を高める内容にしてほしかった。 Cla.
2-Reach Out For The Light (リーチ・アウト・フォー・ザ・ライト)
期待通りのスピードメタルナンバー。サビのメロディもキャッチーで、ジャーマンメタルらしい高揚感がある。オープニングナンバーに相応しく、安心する1曲。終盤で1曲目のインストのメロディが再び流れる。参加メンバーはMK。 Mld.Spd.Cla.Bri.
3-Serpents In Paradise (サーペンツ・イン・パラダイス)
イントロからツインギター(ゲストが参加しているという表記はないので、ただの重ね録りだと思う)がカッコ良いスピードチューン。テンポ変化があるが、基本はスピード感のある曲。サビは明るい印象を受ける。参加メンバーはDD。そのデイヴィッド・ディフェイズの歌い方はかなりクセがあるが、トビアス・サメットもそれに近付けている節がある。実際似せている部分はかなりそっくりで聴き分けるのは難しい。 Mld.Spd.Cla.
4-Malleus Maleficarum (マレウス・マレフィカルム)
短い語りがある繋ぎの曲。ストーリーを進める上では必要な1曲か。静かで厳かだが、怪しげな雰囲気も持ち合わせている。参加メンバーは語りでRZ。
5-Breaking Away (ブレイキング・アウェイ)
こちらもスピードメタルナンバー。イントロではキーボードが前面に出ている。タイトルを歌うサビのコーラスは覚えやすい。ギターソロは速弾きではなく、じっくりとメロディを聴かせるタイプで、これが良い。終盤静かになり、ピアノが良い雰囲気を作り出している。参加メンバーはMK。 Mld.Spd.Key.
6-Farewell (フェアウェル)
民族音楽風の笛のような音色が印象的なスローチューン。それでもテクニカルなギターソロが聴けるというのは前の曲とは真逆で面白い。参加メンバーはMK、SDA、NM。シャロン・デン・アデルの女声ヴォーカルが美しい。もっと他の曲でも聴きたかった。 Mld.Key.Cla.
7-The Glory Of Rome (ザ・グローリー・オブ・ローマ)
シンプルにカッコ良いと感じるスピードメタルナンバー。変化が多くテクニカルなプレイも楽しめる。イントロやサビで使われる「ドーン!」がまた良い。サビのコーラスは盛り上がり、耳によく残る。お気に入りのシンガーが歌っていることもあり、特にオススメの1曲。参加メンバーはRZ、RR、OH。 Mld.Spd.
8-In Nomine Patris (イン・ノミネ・パトリス)
壮大な雰囲気のインストゥルメンタル。その流れで次の曲へと繋がればより良かったのでは。 Cla.
9-Avantasia (アヴァンタジア)
イントロからキーボードが目立つ、ミドルテンポのタイトルトラック。という割には若干地味な印象。曲の長さも5分半ほどでシンプルな作り。それでも曲が良いことには違いなく、サビのコーラスはキャッチーで耳に残る。参加メンバーはMK。 Mld.Key.
10-A New Dimension (ア・ニュー・ディメンション)
繋ぎのインストゥルメンタル。RPGゲームのBGMのような雰囲気で盛り上がりがあるが、次の曲へ繋がっていないのは残念。 Mld.Bri.
11-Inside (インサイド)
約2分半と短い1曲。ピアノがメインの静かなバラード。曲が本当に良い。参加メンバーはAM、KH、FT。 Mld.Key.
12-Sign Of The Cross (サイン・オブ・ザ・クロス)
スロー〜ミドルテンポのメタルチューン。スピード変化があり、速くなる部分もある。キラキラのキーボードが良い味を出している。参加メンバーはKH、AM、RR、OH、JLと豪華。 Spd.Key.
13-The Tower (ザ・タワー)
アルバム本編の最後を飾る曲で10分近い長編。ピアノ演奏の静かな出だしだが、変化が多い。キーボードが所々で良い味を出しており、終盤に活躍する部分は展開も良い。参加メンバーはMK、DD、AM、OH、TT(語り)、JL。 Mld.Spd.Key.Cla.
14-Avantasia(edit version) (アヴァンタジア エディット・ヴァージョン)
日本盤ボーナストラック。9曲目のエディットバージョンで、僅かに短くなっている。違いを楽しめるほどの変化ではない。 Mld.
15-The Final Sacrifice (ザ・ファイナル・サクリファイス)
日本盤ボーナストラック。以下のレビューにあるが、第2弾では本編の1曲として収録されている。オルガンとヘヴィなギターサウンドが印象的なメタルナンバー。
THE METAL OPERA PT.U (ザ・メタル・オペラ・パート2) (2nd/2002)

豪華プロジェクトの2ndアルバム。前作からの続編で完結編という扱いとなっている。そのため参加メンバーも前作と概ね同じ。良い意味でジャーマンメタルらしい明るさを持った曲や、待ってました!というスピードナンバーや、バラードなど多彩な内容。トビアス・サメットが全ての作詞作曲をしており、非凡な才能には感服する。一応各曲の参加メンバーを載せるが、ヴォーカルに関しては何も知らない状態で聴いたほうがワクワクして楽しめると思う。このジャンルのアーティストにある程度詳しいと、「これは○○だ!」といった具合にクイズのような楽しみ方もできる。なお、トビアス・サメットは全曲でリードヴォーカルをとっている。個人的にはオリヴァー・ハートマンにはもっと歌ってほしかった。ライヴではギタリストとして参加している。映像で見たことがあり、素人目で見た感想だが、これがかなり上手い!全曲で演奏しているとクレジットされているメンバーは1stと変わらずGAMMA RAYのヘニユ・リヒター(G)、HELLOWEENのマーカス・グロスコフ(B)、RHAPSODY OF FIREのアレックス・ホルツヴァルト(Ds)。各曲で参加しているメンバー(レビュー欄にはイニシャルで記載)は、ヴォーカルでマイケル・キスク(MK)、のデイヴィッド・ディフェイズ(DD)、Ralf Zdiarstek(RZ)、のシャロン・デン・アデル(SDA)、ロブ・ロック(RR)、オリヴァー・ハートマン(OH)、アンドレ・マトス(AM)、カイ・ハンセン(KH)、MAGNUMのボブ・カトレイ(BC)。ギターでティモ・トルキ(TT)、イェンス・ルドウィグ(JL)、Norman Meiritz(NM)、ピアノでFrank Tischer(FT)、ドラムスでKISSのエリック・シンガー(ES)と、とにかく豪華な面々(一部存じ上げない方はアルファベット表記にしている)。
1-The Seven Angels (ザ・セブン・エンジェルズ)
オープニングを飾るのは14分超の大作。ほとんどのヴォーカリストが参加している。ゆったりと幕を開けるが、当然のことながらテンポはもちろん、曲調も変化する。サビは高揚感がありキャッチー。ソロの後のピアノも良い。後半は明るい雰囲気がある。参加メンバーはMK、DD、RR、OH、AM、KH、TT、FT。 Mld.Spd.Key.Bri.
2-No Return (ノー・リターン)
イントロからスピード感あるメタルナンバー。キャッチーなサビのコーラス。ジャーマンらしい盛り上がりのある曲。ギターもなかなかカッコ良い。参加メンバーはMK、AM。 Mld.Spd.Bri.
3-The Looking Glass (ザ・ルッキング・グラス)
スロー〜ミドルテンポのロックナンバー。サビのメロディは非常にキャッチー。参加メンバーはBC。 Mld.
4-In Quest For (イン・クエスト・フォー)
ピアノが美しいスローバラード。メロディが良く、涙もの。参加メンバーはBC、FT。 Mld.Key.Ter.
5-The Final Sacrifice (ザ・ファイナル・サクリファイス)
オルガンが特徴のヘヴィなミドルテンポチューン。参加メンバーはDD、JL。DDは鋼鉄系(?)の男らしい歌い方で、曲にマッチしている。サビのコーラスがカッコ良い。
6-Neverland (ネヴァーランド)
疾走感のあるメロディックメタルナンバー。非常に聴きやすく、コマーシャル性もあるように感じるのでシングルカットしても良さそう。心地良いスピード感。キャッチーなメロディが耳に残る。参加メンバーはRR。 Mld.Spd.
7-Anywhere (エニィホエア)
ピアノが印象的なスローバラード。参加メンバーはピアノのFTのみで、ヴォーカルがトビアス・サメットだけなのは勿体無い。良い曲なだけに。 Mld.Key.
8-Chalice Of Agony (チャリス・オブ・アゴニー)
イントロからスピード感溢れるメタルナンバー。フックのあるサビのコーラスが◎。参加メンバーはAM、KH。 Mld.Spd.
9-Memory (メモリー)
ヘヴィなギターが印象的なミドルテンポチューン。参加メンバーはRZ、JL。RZはロブ・ハルフォードを彷彿とさせる歌い方でなかなか良い。ライヴで一緒に歌いたくなるようなサビのコーラス。 Mld.
10-Into The Unknown (イントゥ・ジ・アンノウン)
サビのコーラスがキャッチーなスローナンバー。参加メンバーはSDA、ES、NM、TT。 Mld.
MOONGLOW (ムーングロウ) (8th/2019)

通算8作目。作品ごとに少しずつ参加メンバーの交代はあるものの、豪華メンバーの競演は変わらず。一作のみのプロジェクトで終わらず、ライヴも行うというのはそれだけの価値があると評判なのだろう。全曲演奏で参加はサシャ・ピート(G,B)、フェリックス・ボーンケ(D)、オリヴァー・ハートマン(additional G)、マイケル・ローデンバーグ(K)。ゲストヴォーカルはBLACKMORE'S NIGHTのキャンディス・ナイト(CN)、BLIND GUARDIANのハンズィ・キアシュ(HK)、KREATORのミレ・ペトロッツァ(MP)、マイケル・キスク(MK)、MR.BIGのエリック・マーティン(EM)、PRETTY MAIDSのロニー・アトキンス(RA)、元YNGWIE MALMSTEEN,MASTERPLANのヨルン・ランデ(JR)、元QUEENSRYCHEのジェフ・テイト(GT)、ボブ・カトレイ(BC)という面々。トビアス・サメットは例外なく全曲でヴォーカル、かつほぼ全てで最初に歌う。どうしても気になってしまう(悪い意味ではなく)のがエリック・マーティン。今回が初参加ではないが、個人的には3rd以降未聴なので、この作品で初めて聴いたが、メタル色の強い楽曲で歌うのは注目してしまう。ここでしか聴けないと思うので気になる方は是非聴いていただきたい。
1-GHOST IN THE MOON (ゴースト・イン・ザ・ムーン)
10分弱の大作。ピアノの美しい旋律で幕を開ける明るい雰囲気のアップテンポナンバー。ソロのメロディを含めて、めちゃくちゃ曲が良い。ゲストヴォーカルの参加は無いが、一聴の価値大。 Mld.Spd.Key.Bri.
2-BOOK OF SHALLOWS (ブック・オブ・シャロウズ)
スピード感あるへヴィメタルナンバー。さりげないピアノが良い。参加メンバーはHK、RA、JR、MP。豪華メンバーの競演を楽しめる。曲調が変わってのMP(と思われる)のグロウルに近い歌い方の部分もカッコ良い。 Mld.Spd.Key.Bri.
3-MOONGLOW (ムーングロウ)
静かな部分とへヴィなサウンドの部分もあるスロー〜ミドルテンポの一曲。MVも製作された。参加メンバーはCN。 Mld.
4-THE RAVEN CHILD (ザ・レイヴン・チャイルド)
非常に静かな雰囲気で始まる壮大な曲。11分超は今作では最長の超大作。参加メンバーはHK、JR。歌いだしは珍しくゲストのHK。スロー・ミドルテンポの部分が続くが、終盤にテンポが上がり盛り上がる面も。 Mld.Spd.Cla.
5-STARLIGHT (スターライト)
アップテンポのメタルナンバー。明るいというほどではないが、サビメロディは高揚感がある。参加メンバーはRA。約3分半であっという間に終わる。 Mld.Spd.Key.
6-INVINCIBLE (インヴィンシブル)
ピアノが悲しげで美しいスローバラード。参加メンバーはGT。ただ、こういう曲だからなのか、声質が似ていていまひとつ区別がつかない。3分ちょっととコンパクトだが、次の曲とまとめて一つの曲とも考えられる。 Mld.Key.
7-ALCHEMY (アルケミー)
前の曲からほぼ切れ目無くつながる雰囲気重めのヘヴィなナンバー。ただサビでは高揚感あるメロディで聴きやすい。参加メンバーはGT。 Mld.
8-THE PIPER AT THE GATES OF DAWN (ザ・パイパー・アット・ザ・ゲイツ・オブ・ドーン)
ビヨビヨというサウンドが印象的なスピードチューン。雰囲気は明るく、ヴォーカルをとるメンバーも豪華で楽しいメタルナンバー。曲も良い。参加メンバーはRA、JR、EM、BC、GT。 Mld.Spd.Bri.
9-LAVENDER (ラヴェンダー)
参加メンバーはBC。歌いだしからBCの歌声が聴ける。ミドルテンポのロックナンバー。キーボードサウンドも前面に出てきており個人的におすすめ。 Mld.Key.
10-REQUIEM FOR A DREAM (レクイエム・フォー・ア・ドリーム)
BURRN!のレビューで全員がこの曲について好意的なコメントを残していたため、とにかくこの曲が気になっていたスピードメタルナンバー。正直最初は期待が大き過ぎたが故に「そこまででも」という感想を持ったが、いやいや、聴き込むと必聴の一曲。イントロの荘厳な雰囲気から期待が高まり、明るい雰囲気からして、いかにもジャーマンメタルという感じ。勿論良い意味で。参加メンバーはMK。今作はここでのみの参加というのは寂しい気もするが、これだけ素晴らしい曲で素晴らしい歌声を聴ければ満足。期待を大きく上回るほどではないが、とにかく良い曲であることは間違いない。 Mld.Spd.Key.Cla.
11-MANIAC (マニアック)
映画「フラッシュ・ダンス」のテーマ曲のカヴァー。アップテンポのロックナンバーでキャッチーなサビのメロディが良い。参加メンバーはEM。後になって原曲を聴いたが、オリジナルの歌声と似ている気がする。こういう作品でもしっかり存在感のある歌声を披露しており、改めてエリック・マーティンの上手さが分かる。 Mld.
12-HEART (ハート)
ボーナストラック。ゲストヴォーカルの参加はないが、彼の歌声を堪能できる、明るい雰囲気のハードロックナンバーで非常に聴きやすい。 Mld.Bri.